占い師はお昼寝中 (創元推理文庫 M く 2-2)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488421021

感想・レビュー・書評

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  • 大学進学と共に上京した美衣子は、叔父の辰寅の「霊感占い所」で押しかけアルバイトをしている。お客もほとんど来ない占い所で、すぐに横になる叔父を縦にするのが美衣子の仕事だった。
    白装束にぼさぼさの髪という怪しげな風体で、それらしい祈禱とお祓いを行う叔父だったが、依頼人の悩みの本質を見抜いてしまう不思議な能力があって。

    なぜか読み始めると眠くなる、なにか仕掛けられているのではと思うほど。
    読むのに時間がかかったー。
    ほぼオンボロビルにある「占い所」が舞台の安楽椅子探偵もの。
    相談に訪れる人々に謎を話すわけではなく、美衣子だけに語られる真相がほろ苦かったり、にやりとしたり。
    身の回りのものが紛失する会社員
    キャリアウーマンの自宅で起きるポルターガイスト
    大学生の彼の心霊写真
    ドッペルゲンガーに困惑する主婦
    工場から消えた200万円と大入道

  • 安楽椅子探偵モノ。
    普通のソレと違うのは、「依頼者(お客さん)」に見抜いた真相は話さないこと。
    その代わり、でっちあげのそれっぽいことを言って、煙に巻いているようで依頼者の相談ごとを解決に向かわせている。
    そう、決して解決しているわけではない。
    全ては、どうなるか、どう転ぶかは依頼者任せ。
    それでいて、実は(?)優しい心を持っているぐうたらで出不精で妙チキりんで何考えているかわからないボサボサ髪で……あ、叔父さん、いたの?

  • 占い師としてはインチキで、ぐうたらな叔父さんですが、依頼をロジカルに解いているのは確かですね。

  • 古風だ…
    文体も登場人物のキャラクターも…

    久しぶりに語彙が足りないまま読む本だった。
    読みやすいと思って同じ作家ばかり読んでたらダメね

    おじさんの書くズレた女の人が苦手だ…
    早く読み終わろうとしてしまった残念。
    雪だるまの話は好きでした。

  • 霊感占い所を開業している占い師と、助手を務めるその姪が、依頼人が持ち込む不可思議な出来事を解明する、安楽椅子探偵ものの連作短編集です。

    掴み所がなくとぼけた味わいがある、探偵役のキャラクターがしっかり作られているし、シリーズ化してもきっと面白いと思います。
    なのに発表されたのは、今のところこの一冊のみ。
    もったいないですよね。

    舞台が霊感占い所なだけに、ポルターガイストやドッペルゲンガー等、一見、怪奇色濃厚な依頼ばかりですが、怖さはそれほどではありません。
    程よく効かせたユーモアと、探偵役のキャラクターのせいか、どこかほのぼのとした雰囲気を感じました。

    以前に読んだ、猫丸先輩もそうですが、倉知さんが描く探偵役のキャラクターは、不思議な魅力があり印象に残りますね。

  • 本当に動かない。

  • 面白かったです。倉知淳さんは初めて読みました。
    軽く読めるミステリでした。
    叔父さんは安楽椅子探偵が過ぎると思いましたが、話聞いただけで謎を解く安楽椅子探偵はやはりすごいな。。
    持ち込まれるお悩みがオカルトチックなもので、そこも好きでした。
    シリーズに出来そうなのに、この1冊だけのようです。さびしい。

  • この作者さんの猫丸先輩が好きで、読んでみました。基本、猫丸先輩と同じスタンスで、日常の謎を解いていくパターンです。 でもちょっと強引なとこもありf^_^;キャラにイマイチ感情移入出来ませんでした。決してつまらないわけではありません。 脳内再生では、辰寅おじさんは堺雅人、美衣子は堀北真希でした☆

  • これから、失礼なことを書きますが(^ ^;

    一読後の正直な感想は、
    「なるほど、これが天野頌子さんの『陰陽屋』シリーズの
     『元ネタ』なのだな」と(^ ^;

    いや、本当のところは分かりませんが、それほど
     ・ぐうたらでインチキな占い師
     ・真面目で「巻き込まれ型」の助手
     ・するどい観察眼で事件は解決する
    という基本設定が全く同じで(^ ^;

    こちらの方が...って同じ土俵で比べるのも何ですが、
    妖狐などは出てこないので「ファンタジー色」はなく、
    登場人物も大人が中心で問題も生臭い(^ ^;

    からりとした文体は読みやすく、
    そこここに散りばめられたギャグのセンスも良い(^ ^
    言葉選びのセンスが私の趣味に合うというか(^ ^

    基本形がミステリなので、細かくは書けませんが、
    気楽に読めて、深読みすると示唆に富んでいて、
    ナイスな衝動買いでした(^ ^

  • インチキぐうたら占い師が客の悩みから推理を働かせ、悩みを解決させる助言を行う。

    ミステリーとはいえ殺人みたいな血なまぐさい話はなく、どちらかというと緩い雰囲気で進む話。
    基本的に主人公が自室で推理する安楽椅子的な話なので動きは少なく、姪の女の子がいいアクセント。

    本格ミステリー好きには物足りないだろうが、気軽に読むにはいい話。
    ちょっと主人公の推理力がエスパーレベルな気もするけど…

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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