ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488421090

作品紹介・あらすじ

ある朝いつものように登校すると、僕の机の上には分解されたたて笛が。しかも、一部品だけ持ち去られている。――いま五年三組で連続して起きている消失事件。不可解なことに“なくなっても誰も困らないもの”ばかりが狙われているのだ。四番目の被害者(?)となった僕は、真相を探るべく龍之介くんと二人で調査を始める。小学校を舞台に、謎解きの愉しさに満ちた正統派本格推理。解説=川出正樹

感想・レビュー・書評

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  • 小学5年生の4人が追いかける謎。教室に貼り出された絵が一枚だけ無くなる、ニワトリがいなくなる、バカでかいハリボテの貯金箱、縦笛の長い部分だけ無くなる。この4つの謎だけでワクワクする。小学生の調査、推理。頭を悩ませつつどこか楽しんでいる様子がいい。謎が解かれればそんなことか、なんで気づかなかったんだというようなもので大きなトリックが使われていないのも嬉しい。目を輝かせながら子供の好奇心が謎を追い真相を見つける。ミステリーの面白さが詰まった楽しい一冊。

  • ジュブナイルといいながら、正攻法の謎解きが楽しめました。リスみたいにくりんとした目の龍之介くん、もしやあの人の少年時代?と思ってしまいました。でも、叔父さんがいるんですよね。

  • 安定の倉知さん。小学生のナゾ解きくらいにしか思ってなかったが、やはり、まさかの大どんでん返しがあった。学校での不可思議な出来事…放課後…何かが起こりそうな予感。考えただけでワクワクする。それを、見事に解明していくさまが、大人顔負けである。

  • 倉知淳さんを初めて読んだけど、文章もわかりやすく謎解きも明快で読後も爽快感!何より子どもたちの描写が生き生きしていて、スゴくいい。青い鳥文庫やフォア文庫みたいな、懐かしいジュブナイル的雰囲気が凄く良かったなー!もっと読みたくなった。

  • ジュブナイル(少年少女向け)作品とのことで、読みやすく、展開も面白い。
    細かいことを言うと、主人公が小学校5年生なのに小学生と思えない言葉や言い回しがあり、少し違和感がありました。

  • 二転三転する展開が面白い!推理小説初心者にもおすすめな、理解しやすい物語。小学校が舞台だが、中学生にもおすすめできる。

  • ミステリとしては勿論文句なく一級品。それとは別の作者のファン向けのサービスも嬉しかった、というのが感想として主を占めます。
    私が読んだのは文庫版
    ですが、確か元はジュブナイル向けのミステリシリーズである「ミステリランド」が初出だったはずです。他の超有名ミステリ作家たちとともに並んでいた本だったわけで、そこに名前こそ出さないけど存在が見える面白いことに目がない探偵の気配。嬉しいですよね。この作品のホームズも「リスのように目がくりくり」していて「かなり小柄」だとなっています。いえ、あるいは彼こそが後の私達の知る名探偵その人なのかも、なんて。そんなまさに「蛇足」まで楽しめる本格ミステリに子どもたちを引込む作品でした。

  • 小学五年生がここまでの謎解きができるとは思えないけどぐいぐい引き込まれてしまって面白かった。龍之介くんのおじさんとは猫丸先輩かもしれないね。

  • 関連性のない4つの「不用品」が紛失する謎に迫ったジョブナイルミステリ。どことなく児童文学めいた味わいがありながら骨子はガチガチの本格ミステリであり、特にニワトリ消失事件は小学校ならではの密室と言っても過言ではない。子どもの視点というのを存分に活かしており、子どもならではの突拍子もない動機や浅知恵が謎に上手くミックスされて、ほどよく解きにくい謎になっているのは魅力的である。また結末が陰惨ではなく、あくまで子どものちょっとした遊びの範囲内で収まるあたり、作者の人柄が窺い知れる。この日常を逸脱しない程度の非日常の謎という塩梅は絶妙である。あくまで空想的な物事に憧れる少年たちの日常として描いたのがこの作品のリアリティラインなのだろう。

    全体的に子供が読んでも分かりやすい内容になっており、文章も平易ではあるものの、大人が読むにはやや物足りなさを感じたのも事実である。特に本格特有のムダのない写実的な文章と小学生の語彙力が相まって馬鹿丁寧な作文を読んでいる印象だった。探偵活動に乗り出す小学生集団も無個性で、書き割りとまではいかなくともキャラクター性はかなり薄い。喋り方もそうだが、大人が小学生が読むことを想定して書いた小学生という感じが強くて、どうにも味気なく感じてしまった。その代わり、特異なキャラクターではないため鼻につくこともなく、作中の謎に集中できる。終盤、解いたと思った謎がレッドヘリングに過ぎなくて、背筋をゾッとさせつつも、二転三転しながら最終的にすべての謎が解かれて綺麗に風呂敷が畳まれる様はやはり本格ミステリの醍醐味であろう。できれば低学年〜高学年の小学生のうちに読みたい作品であり、子どもに安心して勧められる本格ミステリ、入門書としてはこれ以上の作品はそうはないだろう。

  • いわゆる「ジュブナイル」という奴だが、作者が
    「大人が読むに耐えるよう書いた」と言う通り、
    なかなか楽しく読めました(^ ^

    とある田舎の小学校で起きた「不可解な連続事件」を
    小学生の主人公達が解き明かしていく話ですが...
    謎解きが二重三重にひねくってあって、
    最後はどんでん返しの連続(^ ^

    まぁ、元々の事件がそれほど大事でもないし、
    「スケール感」は無いが、謎解き要素は楽しめる。
    空回りしてばかりの委員長とか、徘徊する保健の先生とか
    登場人物もなかなかに魅力的(^ ^

    ...私がなぜこれを買ったのか、がよく分かりませんが(^ ^;
    楽しゅうございました(^ ^

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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