夜届く (猫丸先輩の推測) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 237
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488421106

作品紹介・あらすじ

『病気、至急連絡されたし。』――冬の夜、僕の許に届いた差出人不明の電報。急いで家族に連絡するが、誰も送った覚えはないという。日を空けて、再び同じような文面の電報が……。奇妙な電報騒動にへとへとになった僕は、学生時代の先輩に相談する。猫丸という変わった名前の彼は、普段まともに職にも就かず呑気にふらふらしているが、頭の回転はめっぽう速いのだ。不可思議な日常の謎を名探偵・猫丸先輩が解き明かす連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 「夜届く」という題が不穏だね、それに惹かれて読んでみた。人が殺されるわけではない日常の謎というやつかもしれないが、ちょっと常識的に起こりそうもないことだよなあ。ネタとしていまいちかな。なるほどって思えない。それに、八木沢とかがなんか情けないし、猫丸先輩もあんまり親しみが持てない。私には、合わないということか。

  • 半分カバー買い。
    初読もピンとこなかったが、本棚整理のための再読もダメだった。
    猫丸先輩も文章も苦手なのかも。

  • 登録前

    生まれて初めて読んだミステリ
    私の原点

    そんなことも分からないのかい?
    なんて口調が似合う探偵が好きなのもたぶんこのせい

  • 六篇からなる、猫丸先輩ものの短編集。

    解説を読んでいてなるほどと思ったのが、確かに筆者の佐々木敦氏が書かれているように、猫丸先輩のシリーズはジャンルとして「日常の謎」が多い。
    本書もそうだったし、『過ぎ行く風はみどり色』意外は、「日常の謎」を題材としている(らしい)。
    だからなのかどうか、本書の副題に「推測」とあるように、猫丸先輩が事件を「解決」した後も、真相が明らかにならないこともある。文字通りの「推測」で終わる事件もあり、本文でも『僕の解釈で良ければ』のような言い回しが頻出するが、猫丸先輩があまりにも鮮やかに「解釈」してくれるので、なるほどそれが真相か、と妙に納得してしまう。

    本書の中で私が好きなのは表題の「夜届く」。
    作品内の年代がいつ頃なのか明らかな描写はないものの、親本が講談社ノベルスから刊行された2002年当時の「現代」と仮定したとしてももはや古めの文化である「電報」が、差出人不明で、しかも夜の遅くに、数日に分けて複数回届く………という、不思議さと、不気味さが味わい深い事件のお話。
    猫丸先輩の「解釈」は本当に予想外で、でも(猫丸先輩にいつも振り回される)八木沢くんと同様、ありえるかもなと思わされる。

    蛇足だが、各篇のタイトルが本好きを「おっ」と思わされるもじり方でつけられているので、元ネタをどれくらい知っているかという楽しみもあった。

  • 猫丸先輩は猫じゃなかった!表紙絵と三毛猫ホームズの記憶から、猫丸先輩は猫だと勝手に思っていた。
    書き手は違えど、困っているところに小さな変人猫丸先輩が登場し、謎を解決する連作ミステリー。シリーズ第4作らしい。シリーズものと知らずに、いきなり読んだのだけれど、特に違和感なく楽しめた。
    「桜の森の七分咲きの下」が好き。「失踪当時の肉球は」はタイトルがずるいと思う。

  • あー、猫丸先輩だ。倉知淳さんの作品、久しぶりに読んだので、懐かしかったです。のほほんとした日常の謎の短編集。エキセントリックな猫丸先輩はもちろんだけど、『失踪当時の肉球は』の探偵さんとか、『カラスの動物園』の長尾さんとか、登場人物が魅力的で、なんだか応援したくなっちゃいます。このシリーズ、未読の作品、まだまだあるから読んでみよう。

  • 郷原ペット探偵事務所

  • 猫丸先輩シリーズ最初の作品ではないけど、たまたま本屋で見つけたので購入。
    私にとっては初・猫丸先輩。

    日常ミステリで、悲惨なことが起きないのでのんびり楽しめる短編集だった。

    各話のタイトルが既存の小説のパロディ?オマージュ?になってるので内容もそうなのかと思ったけど内容はそこまで似てるということではなかった。

  • 日常の謎のミステリ。
    身に覚えのない電報が夜に届くとか、花見の場所取りをしている新入社員を邪魔しに来る人達の正体は?とか。正解かどうかは分からないが納得のできる解答を示す猫丸先輩。短編でサラッと読めて面白い。

  • 2018年67冊目。日常の謎を猫丸先輩が切れ味鋭く推測していく短編集。中でも表題作は盲点というか意表を突かれたけれど、ということは猫丸先輩のお説教が身に沁みてくるということでもあり、いろいろしてやられました。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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