邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫) (創元推理文庫 M く 3-1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488422011

作品紹介・あらすじ

カウンター席だけのバーに客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。宮田の爆弾発言を契機に始まった歴史検証バトルは、回を追うごとに熱を帯びて……。ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活――歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集!

感想・レビュー・書評

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  • 逆説の日本史とかそういう系の、歴史の真実系のお話を、バーでの対話という小説形式にして読みやすくした本。大変興味を引くような、面白い内容で、歴史アレルギーな人以外はスイスイ読める。内容は眉唾ものばかりなので、この本を読んで「そうだったのかー」とはならないし、なってはいけないけれど、読み終わった後は、歴史について多角的で柔軟な見方ができるようになっているはず。

  •  『2005年 4月 8日 23版』版、読了。


     とあるバーで、常連の三人が歴史の考証について言い合う「だけ」の歴史ミステリーです。短編集なので6編収録。いずれも題材が異なるだけで登場人物も場所も展開も同じという…残念な一冊でした。


     確かに斬新な持論を展開する宮田の語る内容はおもしろかったけれど、そんな与太話を豪語する割には論文発表とか本格的な「何か」をするわけでもなく、バーでの独壇場ばかり。そんな小さなお山の大将的だったのが残念です。

     残念といえば話の展開がどれも同じで、宮田が本当に窮して追い詰められることもなく、お高くとまる静香が毎回負かされて終了。場所もいつものバーテンという。新キャラや新しいライバルが登場するわけでもなかったという…残念の一言につきます。


     とりあげる題材だけが光ってはいたものの、回を重ねるごとに「あー、またこの展開かー」と、物語自体の新鮮さは一切ありません。


     そういう意味では題材以外、自分には合わなかった内容でした。


     巻末の解説は、自分が感じたことをわかりやすく明記されていたので、それだけでも収穫はありました☆ 

  • 歴史をほとんど知らない自分にとっては難しいところもあったが、宮田と静香の舌戦により気楽に楽しく読めた。毎回宮田に言い負かされる静香というテンプレに乗ってたため、人によっては退屈だったかもしれないですが…
    ブッダ、明治維新、キリストの話は面白かった

  • 悪くない。バーで歴史好きの客たちが歴史ミステリーを解いていく、異色の作品だ。一見くだらない感じだけれども、展開されるばか話が大まじめな歴史論争へ・・・。
    以下、ネタバレ。
    本能寺の変は、信長の自殺だった⇒ちとやりすぎ
    イエスはユダと入れ替わっていた!⇒面白い
    邪馬台国は東北にあった⇒まあまあ
    気楽によめる、敷居が高くない。つまり、うまい。

  • 歴史の定説を新たな解釈で覆す、と言う趣旨の話だけどいろいろ性に合わず楽しめかった。
    バーで歴史談議が始まる、宮田が定説を否定する、静香が怒り罵る(これが非常に不快)、宮田それを意に介さず新説の肉付けを続ける、他メンバーがだんだん反論できなくなってくる、宮田トドメ、静香ぐぬぬ。大体こんな感じ。

    静香をヒステリックで口汚い不快なキャラとして作り上げ、それを論破することをカタルシスとしている構図はなんとも安っぽく感じてしまうし、そもそも宮田の論ずる内容も根拠が弱い。八幡平はヤマタイと読めるから邪馬台国!って、え、そ、そうなんだ、ってここで投げ捨てようかと思った。
    結局のところ、宮田と言うキャラを使って作者の新説を作中で披露、定説を論破して満足しているような絵が見えてなんとなく気持ち悪いなぁと思ってしまった。

  • うそーん と思いながらも解説を読むにつれてあるかも…と思わせちゃう歴史ミステリー。
    邪馬台国が岩手説、、、、。確かに八幡平の読み方は昔から不思議に思ってはいたが、、。

  • この本はジャンルとしては歴史ミステリーというらしい。
    邪馬台国は岩手にあった!とか、明治維新は勝海舟が催眠術で起こした!とか、章題だけ聞くとアホらしく思えるが、読み進めていくうちにホントかもしれないと思えてしまうところが面白かった。
    というより歴史そのものが面白いなあと感じさせてくれる作品だった。
    20年前の本なので、新しい文献の発掘などで新説が登場していたりしてるだろうから、そういうのを調べてみてもおもしろいかも。

  • ミステリなふたりアラカルトの後ろの広告で見て。

    邪馬台国が東北にあったという話はなかなか興味深かったけど、
    聖徳太子と蘇我馬子、推古天皇が同一人物とか、
    ユダがイエスの身代わりに磔になったとか、
    ちょっとうなずけない話もあった。

    ご説の内容、というよりも、
    マスコミにも登場する美人の大学文学部助手が、
    ちょっと物を知らなすぎるのが気になってしょうがなかった。

  • 歴史小説?ってのはほぼ初めて読んだ
    作中は4人だが、ほぼメインは2人
    いろいろとトンデモっぽい説がそれらしく語られていて、単純にへぇ~と面白い
    だが、物語としては一本調子というか、題材が違うだけであまり4人のバーっていう設定が活かされ切れていない気がする

  • 『うっそだぁ!ww』と思いながら読み進め『…なんか、そんな考え方もアリ…かも』と思えてくる話。
    ただ、話はおもしろいのだが、この話の中に出てくる女性キャラがひどい…
    口は悪いし、何事にも真っ向から頭ごなしに『正しい歴史』を押し付けてくる…
    このキャラさえ何とかしてくれたら、★五つだったのに…

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著者プロフィール

鯨統一郎
一九九八年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。大胆な歴史解釈から、日本の常識を覆す独自の作品が話題を呼ぶ。以来、歴史だけではなく幅広い題材を用いて、次々と推理小説を発表している。著書に「喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿」シリーズ、「ハウスワーク代行・亜美の日記」シリーズ、「女子大生桜川東子の推理」シリーズ、「歴女美人探偵アルキメデス」シリーズ、『タイムメール』『女子大生つぐみと古事記の謎』『作家で十年いきのびる方法』など多数。

「2022年 『カルトからの大脱出』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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