- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488422042
作品紹介・あらすじ
星城大学の研究者早乙女静香は宮田六郎と京都へ旅することになり、かねて興味を抱いていた崇徳院について調べようとする。その矢先、宮田の知人である京都在住のジャーナリストが失踪、静香を敵視していた歴史学者が遺体となって崇徳院ゆかりの白峯神宮で見つかるなど、二人と接点を持つ人物が奇禍に遭う。そして知り合ったばかりの社長令嬢も……。警察に疑惑の目を向けられながら事件を解明すべく奔走する宮田と静香。歴史上の謎に通じるその真相とは?
感想・レビュー・書評
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このシリーズ好きなんだけど、本作は?
あまり言いたくないが人が描けてない。要するに、宮田も静香も生き生きと躍動してない。自分の役割を演じてるだけ。敵役も同じ。そんなで、イマイチでした。
肝心の謎解きも凡庸。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
崇徳院と西行の関係、時代背景、勉強になるなぁ。
学生時代は、社会の授業は苦手だった。
年号や地名、その土地の産物など、覚えなければならないことばかりで、苦手だった。
そのころ、こういった小説に出会っていたら、もっと楽しく歴史を勉強できたかなぁ。 -
#読了 #鯨統一郎 #創元推理文庫
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崇徳院と西行の関係については興味深かったけれど、小説としては、はて……?
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このシリーズは、何の歴史素養もない探偵役の宮田が「あなた、何もわかってないのね」と相方の早乙女からチャチャを入れられながらも、素人らしい素朴な疑問を合理的な歴史解釈につなげていく様子が面白いのだが、今回はそもそもの出発点を「これだけの連続する災い事を崇徳院の呪詛のせいにするのは無理がある」という直感に置いたところで失敗していると思う。そのため焦点が崇徳院なのか西行なのかハッキリせず、配流地の讃岐は訪れないまま、西行の墓の謎はうやむやで、今更感の強い生首トリックと時代遅れの男女の駆け引きで終わってしまった。
香川県の坂出市に行けばわかるが、現地では崇徳上皇は"最恐の怨霊"ではなく"すとくさん"と親しまれ(上皇が暮らした住まいを再現した建物は現在、地域の集会所として使われている)、かつ現地で上皇は殺害された(現場や下手人名も特定されている)と信じられている。宮田が本書で働かせるべき疑問や直感は、ここから生まれるものだと思っていただけに残念でならない。 -
崇徳院に絡めた現代ミステリー。
歴史に対して新しい見解を示しているわけでもなく、ただ崇徳院を絡めただけ。
文章もたどたどしく読みにくいので、もうこの作者を読むことはなさそう。 -
邪馬台国はどこですか?シリーズ最新刊。今回はバーでの突飛な?歴史談義の短編集ではなく、若干歴史的要素を含んだ長編であり、いつもとはちょっと別物。これはこれでとも思うが、やはり今までのスタイルの方が面白いかな。
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鯨統一郎のデビュー作「邪馬台国はどこですか?」は、何度も読み返している愛読書なのだが、今回の「崇徳院を追いかけて」は、ストーリーも謎解きもちょっと物足りない。
ライトノベルっぽいネーミングセンスは好きなのだが。
「邪馬台国」は、宮田と静香の小気味よい掛け合いと、相手をギャフンと言わせる痛快な謎解きのテンポが魅力だが、今回の長編では、このテンポ良さが死んでしまっているし、男女の恋愛感情の機微や連続殺人のおどろおどろしさも書けていない。
文章は読みやすいが、さっぱりし過ぎて長編向きではなく、やはり短編でこそ本領が発揮できる作家なのだろう。
歴史の謎解きの方でも、「邪馬台国」や七不思議シリーズのようなあっと驚く新説(トンデモ説?)の披露もなく、根拠の説明にも「邪馬台国」に感じた畳み掛けるような痛快さが感じられなかった。
どうせなら、崇徳上皇は実は死んでおらず、西行の正体は上皇自身であり、頼朝をそそのかして、憎らしい朝廷から権力を奪い取ったくらいの大風呂敷を広げて欲しかった。