- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488422059
作品紹介・あらすじ
討論会からの帰り道、ふと立ち寄ったバー〈スリーバレー〉。そこでの女性バーテンダーとの会話から、彼女が日ごろから感じていた夏目漱石の『こころ』に関する疑問点を論議する羽目に。文学部教授である私が、こんな場末のバーで講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男は、あろうことか『こころ』を○×小説と断言したことで議論は白熱し……。さらに太宰治『走れメロス』、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』、芥川龍之介『藪の中』のあれやこれやと、“鯨流”文学談義で贈る、文庫創刊60周年書き下ろし最新作。
感想・レビュー・書評
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日本文学×新解釈=新視点!な1冊。
大学時代、日本文学科で数々有名な作品を読んで考察をしてきた身としては、日本文学を少し王道から逸れた見方をすることで生まれた新解釈が面白い1冊でした。
さらに、突拍子もない解釈を無理やり進めるのではなく、本文の中の一説や文豪自身の背景などを引き合いに出しながら順を追ってロジックを組み立てていく様にページを捲る手が止まりませんでした。
個人的には「走れメロス」の回が面白かったです。中学で必ず触れる作品ながらも話が進む事に「確かにそういえば!」と思わされる箇所が随所にありました。
続編も機会があれば読もうと思います。 -
それぞれの捉え方。それぞれの解釈。いろいろあって面白い。
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首を傾げる部分はあったが(特にメロスと銀河鉄道の夜)面白かった
歴史ものと違って文学は読んだことがあるとどうしても一家言持ってしまうところがあるので「そうかな〜…」と思いやすいかも
漱石のこころは百合小説である説が1番好き -
久しぶりに鯨先生の本を読みました。読みやすく面白いので最後まで一気読みでした。一話目の落ちはこれが正解なのではと思わせるもので満足でした。
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文豪たちの怪しい宴
220107読了。
今年1冊目今月1冊目。
#読了
#文豪たちの怪しい宴
#鯨統一郎
名作の新解釈。作者の十八番。
お決まりの宮田さん節。
一方文学学界の重鎮さんは、凝り固まっていて好奇心も虚心坦懐さもない。
新解釈は無理筋も多いが、裏を返せば発想の飛距離がある、コンステレーション力があるとも言える。
解釈は自由だ、楽しもうぜ。
今年1冊目にしては軽いもの読んだなぁ。
これまでの作品を再読したい〜。