ランタン灯る窓辺で (アパートメント・ストーリーズ) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 186
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488422127

作品紹介・あらすじ

祖母のかわりに、札付きの外国人専門アパート「ランタン楼」の大家となった青年の、悪戦苦闘の日々。繊細な筆致で、青年の成長を描く、ゆるやかアパートミステリ。七編収録。(単行本『アンジャーネ』を改題・文庫化)

感想・レビュー・書評

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  • 瑞輝の気持ちが前向きでないからか、初めは全然面白く思えなかった。
    でも我慢して読んでいる内にどんどん引き込まれ、最終的には続編があればいいのにと思うようになった。
    ーーー
    北関東のおある町にある、外国人向けアパート「ランタン楼」。昔からトラブルが絶えないアパートの歴史に怯えつつ、祖母の代わりに大家業をこなしていく瑞輝。住人の問題と対峙し、彼らの窮状を解決しようと奮闘するうちに、瑞輝の心にも大きな変化が訪れる。ランタン灯る古い洋館風のアパートを舞台に、異国の地で懸命に生きる人々との交流と聖年の成長を、優しく綴った連作集。

  • 私もランタン楼に住んでみたい。

  • 記録

  • アパート。経営。ミステリ。
    え?そこ説明あったっけ?みたいなことが多くて、読みづらくて途中で断念…。

  • 良い意味であらすじを裏切ってくれる一冊でした。
    よくあるほっこり系を期待しちゃダメです(笑。
    まったくほっこりしないわけじゃないですけど…。
    ピリリっと辛目なところがツボりました。
    あぁ、でもランタン楼の描写は良かったな~。
    そういうとこに住んでみたい。

  • 「アンジャーネ」を改題
    (収録作品)14/ジローJil´o Mirro Redondo/海亀/バルザフ/テリンノム/住人祭ーLa f^ete des voisins/エキストラ

  • 外国人専用アパートを舞台にした連作短編集。アパートの大家となった主人公が入居者やご近所さんと真摯に向き合い、読者も彼ら一人一人の物語(=人生)と向き合うことに。序盤は少し読みづらさも感じましたがすぐに慣れ、物語に引き込まれました。温かい気持ちになるというとありきたりですが、読んでいるうちに肩肘張っていたのがほぐれ、読後はいつの間にか軽くなっている、そんな作品だと思います。

  • 祖母が大家をしていた外国人向けアパート「ランタン楼」
    ランタンの灯る洋館風アパートで
    なんとなく弁護士を目指していた瑞輝は
    祖母の代わりに大家をすることに。
    色々な事情のある外国人の住人相手に苦戦するが…

    外国人の住人ばかりで言葉も文化も違って
    揉め事ばかり、大変だけど心の交流があるんですよ!
    みたいなハートウォーミング話かと思ったら
    それだけではなくて
    ちょっとビターな感じもあって面白かった。

    瑞輝がただのいい人ではなくてエリートの同級生への嫉妬や
    うまく意思疎通がはかれない住人へのいらだちもあって
    それがだんだん「大家さん」になっていく姿が
    温かく描かれている。

    ただ、出入りの多いアパートなので登場人物が
    コロコロ代わるので感情移入はしにくいかも。
    最初はそれが気になったけど
    最後は一時日本に住んだ外国人との交流。
    あっという間にすれ違う、そういうものかな…
    という味になっていた気もする。

    個人的には親切に誠意を持って向き合えば
    必ず分かり合えるんですよ、という奇麗事でなくて
    仕方のないこともあるんだ、と思った「ジロ」
    静かに訴えてくる「バルザフ」が印象に残った。

  • 外国人向けのアパート。大家代理は瑞輝くん。何となく目指していた弁護士をちょっと横に置いておいて、祖母の代わりを務める。街の人と入居者の、入居者どうしのあれやこれや。彼の推察にどきどきしたり感心したり。話そうとしないで分かり合えることはないと、当たり前のでもちょっぴり難しい事をして行かなくてはという気になってしまった。

  • 吉永 南央 さんの作品の取り上げるテーマは、
    現実の厳しさや辛さを表していて考えさせられる。

    そして、
    それでも生きていれば何かしら変化がある。と、
    厳しさや辛さの先にある、明るい何かを灯しているような
    終わり方をするので、読後感が良い。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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