- 東京創元社 (1998年7月19日発売)
本棚登録 : 2977人
感想 : 314件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (314ページ) / ISBN・EAN: 9784488423018
作品紹介・あらすじ
怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に? 第八回鮎川哲也賞最終候補作、文庫オリジナル刊行。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
本作は、二部構成のミステリーで、第一部では謎の毒薬「小人地獄」を巡る見立て殺人が描かれ、名探偵の活躍が際立ちます。第二部では、名探偵・瀬川みゆきが語り手となり、彼女の苦悩や成長が物語の中心を形成します...
感想・レビュー・書評
-
以前から気になっていた本。2部構成になっていて、第一部メルヘン小人地獄は、謎の毒薬「小人地獄」(スゴイ名前だ)をめぐる殺人事件。第二部毒杯パズルは、それから2年後の「小人地獄」が使われた殺人事件。登場人物は重複しており、探偵役も同一人物である。
第二部こそがメインであり、第一部はプロローグにすぎないと思った。ラストは、何ともやるせない。メルヘンで始まり、メルヘンで終わるミステリ。第8回鮎川哲也賞最終候補作だが、受賞してもおかしくない作品だと感じた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
虚構推理で有名な著者の長編デビュー作。
本作は二部構成となっていて、第一部は完璧な毒薬「小人地獄」と童話を用いた見立て殺人、そして話の後半に現れる名探偵の活躍といった、THE本格ミステリといった様相で面白かったです。
一転して第二部は名探偵、瀬川みゆきが語り手を務め、一部の名探偵の活躍とついになるような、名探偵の苦悩が話しの焦点となっています。
そして、最後に判明するタイトルの意味を知った時、切なく、やりきれない気持ちになりました...
"探偵"を描いた小説として、傑作です。 -
『虚構推理』の城平京さんの長編デビュー作とのこと。そうと知って読んでいたので、その原型っぽさを噛み締めながら楽しんだ。第一部では、三橋の、一見不甲斐なさそうに見えて意外と冷静で頼れるところや、瀬川の、一見冷徹そうに見えて実は壊れやすい繊細さと優しさを抱えていそうなところなど、キャラクター造形にそれを感じた。
そして第二部、次から次へと新たな〝真相〟が現れる、『ギリシャ棺の秘密』もびっくりの多段推理。解説では、この作品の生まれた経緯の一幕として、作者がどのようにして古今東西の名作ミステリーを吸収していったかも紹介されていたが(必ずしも、昔から好きでたくさん読んでいた、というわけではなかった)、数々の過去作品を踏まえて本作が生まれ、そして『虚構推理』に至るのかと、その道のりも興味深かった。
タイトルは、『エミリーに薔薇を』のオマージュだろうか。本作で「自分はこれまで名探偵をやってきたが」と職業のように「名探偵」という言葉が使われるのは、考えようによっては笑止なのだが、第二部のメインテーマは、推理機械などではない人間としての名探偵の苦悩である。私は名探偵がヒーロー的に大活躍する様を楽しみたくてミステリーを読んでいるタイプのミステリー好きだが、だからこそというか、「責任を感じる」とまでは言わないけれど、こういうテーマの追究には非常に興味がある。『虚構推理』、はじめの二作しかまだ読んでいないので、また続きも追いかけてみようかな。
グロテスク描写もありその内容的にはまあまあショッキングなので、苦手な方は要注意。ただ、私も苦手だけど、グロさで気を引いて面白がらせようという感じがしなかったので、意外と大丈夫だった。 -
好みではなかったです
でも何度も騙されました -
本格ミステリながら非常に知性のある文章で引き込まれました!
要所で反芻したくなる文章。
本作は2部(2部は1部の3年後?設定)構成に分かれており、各部「小人地獄」という毒にまつわるミステリでありながら、裏では名探偵であることの葛藤がテーマに書かれている。
300ページ程度ながら読了感が重厚で、名探偵と主人公等のキャラが非常に魅力的でした!
大学院生ならより楽しめます!
-
久しぶりに面白かった。しかし、これはミステリというよりむしろ、瀬川という名探偵を描いた物語なのだなと感じた。それを踏まえてもとても素晴らしい作品だと思う。
探偵はただ謎を解くだけであり、それは誰かを幸せにするためじゃない。幸せにするために解けるなら素敵なんだけどね。 -
設定はリアリティの欠片もない、トリックも凡庸、キャラクターの魅力もさほど感じず…
が、それ以上に読ませる力があるストーリーと構成、展開力。
いやはや、これだからミステリーはやめられないです、はい。 -
この作品に出てくる探偵がカッコいいカッコいい。
-
ミステリとしても小説としても面白い。
一部二部構成になっていて、この二部のために一部があったのかと。
一部の展開から二部は全く想像できませんでしたし、二部の展開もよきです。
お気に入りの一冊になりました。 -
-
虚構推理を読んでからたどり着いた作品である。
内容的には少しファンタジー的な要素もあり、2部構成となっている。
この作品は推理小説と言うよりは、名探偵の孤独感なるものに重きをおいた作品と感じた。
世に名探偵は沢山いるが、あまりこのように孤独さを感じさせることはない。
実は名探偵は辛く悲しいのだと感じた。
その上で、帯にあった
「タイトルはこれ以外ありえない」
そう、この作品は
名探偵に薔薇を
である。
読後に意味がわかり、納得のいく帯である。
説明
怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に? 第八回鮎川哲也賞最終候補作、文庫オリジナル刊行。 -
一気読み確実。心が震える傑作。多くの人に読んでもらいたい。
-
探偵とはなんと因果な存在なのであろうか。
瀬川みゆきの醸し出す圧倒的なプレッシャーは凄い。登場するや否や物語の空気を支配してしまう存在感・緊張感。
読み終えたいま思えば、その瀬川の存在感そのものが読者へのチャフに作用しているのかもしれない。
放浪先でも否応なしに事件に巻き込まれて、それらを解決しながら旅費を作ってきたというようにあるが、よく考えたらクセの強すぎる話である。
大学内でも難事件を解決して名探偵と呼ばれている…ってのも見ようによっては滑稽だ。
が、読者はそんな瀬川の作る’場’に踏み込んだが最期、彼女に全幅の信頼を寄せてしまう。それだけに第二部終盤、p288・13行目の衝撃度は計り知れない。
そこからの話の回収は確かにパズルの解けるが如くであるが、瀬川の救済という部分の描写においては私は納得がいかなかった。
彼女には惜しみなく薔薇を差し上げるべきである。
11刷
2021.7.28 -
第一部よりも、第二部の方がスピード感があり、さらに人間的なドラマがあるが故に、名探偵と称される瀬川も惑わされている。ラストでは自分の存在意義をもとめて名探偵であろうとする彼女の「助けて」という悲鳴にも近い声がありありと聞こえる、気がする。
私は単純なので、ミステリを読むとき挑戦はできない(そもそも謎解きの楽しみは求めていない)のだけれど、先入観だけは捨てて読もうと決めている。が、今回も無理だった。結局、人は見たいものしか見れない、そこを突くのが、ミステリ作家の腕でもあるのか。
タイトルは謎。作中に登場する少女を百合に例え、それにかけて何か花をもってくるのであれば、名探偵にこの世界が少しでも優しくあれ、という意味を込めてせめて棘のない花を選んで欲しかった。たとえば「名探偵にたんぽぽを」とか。(うーん。タイトルとしてはいまいちだ)
誰かすっきりする答えを教えてください。
それにしても、帯はよろしくないかと。解説の最後もまた然り。 -
2015.1.25(土)読了。
ミステリー小説を探して、すごく評価されているようなものを読んで、それなら読んでみようと購入。期待が大き過ぎたのか…はたまた私が読み崩せなかったのか…ヒットしませんでした。2部は面白いかな?と思ったけど、二転三転し過ぎです。最後も取って付けたような気さえします。残念だー。残念です。 -
読破するとタイトルの意味が分かる、といったことが帯に書いてありましたがすいません、読み取れなかったのか、理解できませんでした。
そもそも、なぜ一昔前の言葉遣いとか言い回しが必要なのでしょうか? 舞台、現代ですよね? 昭和初期とかじゃないですよね? なんで??
もう、読んでる最中から疑問符ばっかりが頭の中を飛び交ってて仕方がなかったw
三橋と瀬川(名探偵?)の関係性が、どっかで見たこと(読んだこと)があるような気がして仕方なかったし。確か「空の境界」や「DDD」とかの奈須きのこ作品で、似たような関係性の男女があったような・・・
つか、自他共に認める天才=名探偵で自称もしていてそれを業のように負っている、そのわりには自分が絡んだ途端に思考が回らなくなるとはこれいかに?(つまり、肝心要の2部での ていたらく っぷり) それで『名探偵です』って名乗ってていいのか?とか、ツッコミどころがありすぎw
解説文を読んで、ようやく2部構成の意味が分かりましたが(なぜそうしたのか、そうなったのか、という点だけは)、付け足されたお話だという1部の方が、正直まだマシだったような気がしました。肝心の、それも先に書かれたという2部の方が、どうにも馴染めなかったのでw
結果としては、同作者さんの別の作品や新作を読んでみたいという気は少しも起こりません。残念。 -
名探偵役の瀬川みゆきの性格・言動や、使い方によっては完全犯罪が可能な毒物「小人地獄」の設定が非現実的過ぎるのですが、そこに違和感を覚えることなく、意外なほどすらすらと読み進められます。
その原動力となっていたのは間違いなく帯の煽り文句。「第一部で読むのを止めないで……」「衝撃を与える脅威の二部構成」と書いてあれば、第二部に驚くべき展開を期待しちゃうわけで。
ただねぇ「第二部に“何か”ある」と思って読んでいたら、それに対して構えて読んでしまうので、よほど驚異的な何かがなければビックリできないっすよね。
案の定、真相が分かったときもそれほどの驚きはなく、期待感のわりにアッサリとした読了感。さらには、帯に「タイトルはこれ以外ありえない!」とデカデカと書かれていますが、何か読み落としてるのか、私の脳スペックがチープなせいか、サッパリ意味が分からなくてモヤモヤしてます。
過剰に煽る帯がなければ印象違ってたのかなぁ。けれどそれがなければ真相に興味津々で読み進められなかったかもしれないし…… と、いろんなことでモヤモヤさせられて困った本でした。 -
タイトルに惹かれて購入。
第一章の小人地獄がめっちゃ面白かった。そんな毒あったらすごい。耽美だけどグロテスク。全体的に鼻につく登場人物だけど、90年代の小説だからしょうがない。
ただ第二章がなー……まず形見とはいえ毒を手に取りやすい場所に置いておくなよ。おとぎ話を語る風のキザな謎解きはちょっと笑ってしまった。
しかしタイトルの意味が最後までわからなかった。なんで薔薇……?百合だったらまだわかるんだけど。
著者プロフィール
城平京の作品
