マカロンはマカロン (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 181
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488427061

作品紹介・あらすじ

下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。変人シェフの三舟さんは絶品料理で客の心を?むだけでなく、客たちの巻き込まれた事件や、不可解な出来事の謎をあざやかに解く名探偵なのです。今回も、蝶ネクタイの似合う大学教師が海外研修中に経験した悲しい別れの謎、豚足をめぐる少年と母親の再婚相手との出来事など、胸を打つ話ばかり。ベリーのタルト、豚足料理、ブーダン・ノワール、タルタルステーキ……メインディッシュもデザートも絶品揃いです。

感想・レビュー・書評

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  • ビストロ・パ・マル シリーズ3

    下町の小さなフレンチレストラン"ビストロ・パ・マル"は、フランスで料理修行をした、変わり者の三舟シェフの作る、気取らない料理が大人気。
    三舟シェフは、料理だけではなく、お客さまの持ち込む、不可解な謎を鮮やかに解く、名探偵でもある。

    《コウノトリが運ぶもの》
    乳アレルギーの女性が、亡き父親との確執を解いていく。

    《青い果実のタルト》
    何人かの客から、出したことの無い「ブルーベリータルト」の評判を聞き、注文が入る。

    《共犯のピエ・ド・コション》
    母親の再婚相手と少年の心温まる物語。

    《追憶のブーダン・ノワール》
    ブーダン・ノワールが大好物な客が、自分の許嫁にも食べさせたいと言う。

    《ムッシュ・パピオンに伝言を》
    蝶ネクタイが似合う、大学教師の、昔の、彼女との悲しい別れの物語。

    《マカロンはマカロン》
    田舎に帰ったきり、姿を消したパテシェールが、焼き菓子と一緒に残した「マカロンはマカロン」と言う言葉の意味。

    《タルタルステーキの罠》
    メニューにない、タルタルステーキをメニューに出して欲しいという客。

    《ヴィンテージワインと友情》
    人が喜ぶのが見たくて、ついつい、し過ぎてしまい、カモにされてしまう女性。

    の8篇の連作小説。
    温かい心と、料理が盛りだくさんで、お腹いっぱい。




  • 今回もフランス料理を中心に据えているのですが、今回はブラックな人間模様が見え隠れ。しかし三舟シェフが相手を思いっきりぶん殴る(言葉でですよ)。その心地良さが温かさを醸し出し、単調な日本の文化にフランスの西洋文化がスパイスとなり、上品な人間関係とは何か?を教えられているようだった。最後の「ヴィンテージワインと友情」という話しは格別だった。「イタイ」友情と「真」の友情の相対によって、自分も「真」の友情とは何かを教わった。何気ない相手への心配りだけではない何かを。あ~あ、終わっちゃった。楽しいシリーズでした。

  • 初出が2010年から2016年の作品なのに全く内容に古さを感じさせないところが素晴らしいと思います。
    どれも人と人の繋がりにおける日常の謎を三船シェフの推理と料理で解決に導いています。

    聞いたこともない料理名が毎回出てきますが、日々のご褒美的プチ贅沢にも是非ビストロに行きたくなりました。

    次回作も楽しみです。

  • ビストロ「パ・マル」のシリーズ3作目にして最終作品。
    これから読んでしまったので、もちろん短編集なのでそこまで読みづらいわけでもありませんでしたが、
    シリーズはじめから読んでいた方が深みが出たかな…と今さら感じています。

    「パ・マル」はこじんまりとしたそこまで堅苦しくないお店のようですが、料理やワインにこだわりを持った良い場所なのだなと思います。

    出てくる料理が本当に美味しそうで、フレンチを食べたい気持ちになりました。
    パテ・ド・カンパーニュ、フォアグラのタルトレット、ベリーのパイ…
    ヴァン・ショーなんかもこの季節にはぴったりですね。

  • ビストロ"パ・マル"が舞台の日常系ミステリ第三作。
    この第3作目がいちばん好き。

    おいしい料理は無条件に人の心を開いていく気がする。
    国による習慣や文化の違いを描いた「追憶のブーダン・ノワール」も好きだけど、表題作の「マカロンはマカロン」が特に好き。いろんなマカロン、食べてみたい。

  • 下町にあるフレンチレストラン「パ・マル」が舞台の短編ミステリー第3弾。
    こじんまりとしたビストロだが、感じが良くリーズナブルで美味しいお店であることは間違いないと思う。その近所にはフランスのパンを作るおしゃれなブーランジェリーもあり、もし実在するならぜひこの界隈で暮らしたい!と思わずにはいられない。

    ビストロで働くギャルソンの主人公のほか、シェフ、料理人、ソムリエの全4名はいつも話に登場し、それぞれがとても良いキャラクターをしている。特にシェフの洞察力、人間としての深みには舌を巻く。メニューの中で、様々なフレンチの料理名や説明も出てくるので、フランスのビストロで出される料理に興味がある人にもおすすめ。

    今回は「ムッシュ・パピヨンに伝言を」という、珍しくイタリアでのエピソードを含んだお話が特に好きだった。いずれも読んだ後にほっこりする話が多い作品。

  • 単行本読んだのにうっかり文庫本を買ってしまった!

    何となくサラリーマンをやめてホテルマンになった友人の話や、開栓料の話は覚えてたけど、もういっかい楽しむことができた。

    相変わらずフランス料理の名前は覚えられないし、レストランという場所柄、決して楽しい話だけじゃない。
    マカロンの話は今時って感じがするなぁ~。

    世の中がコロナで変わってしまって、カウンター7席、テーブルが5つのビストロ・パ・マルのような規模の料理店はどうなるんだろう、と架空の店の心配して、あとがきをみて次回作に心踊らせた。
    また、こんな時だからこそ、パ・マルに訪れる客の悩み、料理を通して三船シェフが見せる小さな謎解き、料理へのこだわり、従業員の本音などが見えるレストランの中の風景がとっても懐かしいというか、素敵だなと感じるというか…。
    早く何も気にしないで素敵な時間をレストランで過ごしたいな。

  • このシリーズを通じて、三舟シェフの職業人としての矜持が心に残りました。

    ドラマの西島さんも良かったのですが、厳しさの部分は幾分マイルドになっている感じでした。
    物語の結末も、比較的明るいものに変わっていました。
    原作とドラマは別物で、それぞれが楽しめました。
    原作に無いエピソードはこれからの物語の一部ですかね。

    あとがきに有りましたが、コロナ禍のなかのビストロ・パ ・マルも気になります。

  • 下町のビストロ「パ・マル」。
    変わり者のシェフ、三舟、スーシェフの志村、ソムリエの金子、ギャルソンの高築の4人が働く、小さなフレンチレストラン。
    乳製品アレルギーの彼女のフレンチへの想い
    パ・マルでは出していないブルーベリータルトの秘密
    常連さんの息子さんが食べたがった豚足の謎
    彼女が血のソーセージを食べない理由
    大学教授の切ない思い出のブリオッシュ
    三舟の旧友が経営するレストランのパティシエールが失踪したのは何故か
    タルタルステーキを予約した客の秘密
    ワインを持込みしたグループの不審な行動

    何気ない会話、何気ない仕草からシェフが解き明かす謎たち。ギャルソン、高築視点がレストラン側の誇りや気遣いとと共に語られるので、ますます「パ・マル」に行きたくなる。
    今回はほっこりとした後味のお話が多い。
    読んでいる間、本当に幸せだった。香ってくるような料理とお酒と会話と。
    このご時世でワイワイとレストランでお酒と美味しい食事を楽しむ機会がなくなっているけれど、こうやって本を開いている間はその空間にいられる。
    おしゃれして、今は逢えない彼女たちと早く出かけられますように!

  • シリーズ最終作、読むほどにおもしろく惹かれていく
    最初はフランス料理にまつわる横文字が難しくて、何のことやら?とばかりが気になっていたが

    今回は短編8篇
    前々回や前回と比べて、謎解きの問題が人格や人権に関わる深いものだったような

    理解し合えなかった親子関係やトランスジェンダー、民族と文化、本当の仲間とは?など

    それだけに、その人を傷つけないように、深入りしないようにさらりとその問題を解いてみせる三舟シェフがかっこいい

    三舟シェフはもちろんのこと、ビストロ・パ・マルやそのスタッフみんな、そして近藤史恵さんのファンになってしまった

    何かと忙しく、心が落ち着かない日々の中、ちょっと気分転換に読むにはちょうどいい
    別のシリーズもいろいろあるとのこと、しばらくは追っかけてみよう

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著者プロフィール

一九六九年、大阪府生まれ。九三年『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。二〇〇八年『サクリファイス』で第十回大藪春彦賞を受賞。主な著書に『みかんとひよどり』『シャルロットの憂鬱』『マカロンはマカロン』『ときどき旅に出るカフェ』『インフルエンス』『歌舞伎座の怪紳士』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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