ミミズクとオリーブ (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2000年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (282ページ) / ISBN・EAN: 9784488430016

みんなの感想まとめ

穏やかな田舎の暮らしを背景に、作家の夫とその賢い妻が織りなすミステリーが描かれています。八王子の山間にある家で、夫はやや鈍感ながらも温かい人柄で、妻は料理上手で頭脳明晰。二人の会話が心地よく、日常の中...

感想・レビュー・書評

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  • 作家の僕の妻は名探偵、そう、妻の方が。
    ほのぼのした雰囲気です。

    庭にミミズクが来る、八王子の郊外に暮らす夫婦。
    作家の僕が語り手で、ややとぼけた感じ。
    専業主婦の妻は料理上手で美人、しかも頭が切れて勘が良い、そのうえ、着物がよく似合い、仕立てもするほど。

    二人で暮らす家での会話が中心なので、美味しい料理も出てきて、気分良く読めます。
    事件の謎は夫の友人の河田警部からもたらされるものが多いため、けっこうガッツリ事件なのも多いんですが。
    奥さまは家にいる安楽椅子探偵、僕は奥さまの指示で動くこともあるワトソン役の名コンビ。

    「猫とアリス」を読んだ時には、作者は女性かと勘違いしておりました。
    「青春デンデケデケデケ」の作者だとも気づかないでいた。
    この作品を読んだら、男性に違いないと気づきました!
    この奥さんは優しくて賢いので女性から見ても感じはいいけれど、あまりにも理想的で、女性はこれは書かないでしょう。
    魚を持ってきて郷土料理を食べたがる男性に「手間はかからないから」なんて言ってさらっと手料理、いやすっごく手間かかる料理じゃないの~!
    まあ夫も警部も奥さまの手のひらの上、状態ではあるのですが(笑)
    1994年の作品にしても、奥さまは私が子供だった昔以前の大人の理想、ってぐらいに感じますねえ。
    それゆえの懐かしさも感じつつ(笑)

  • 八王子からバスで20分の山奥に暮らす、作家のぼくと奥さん。
    原稿の締め切りが迫っては、散歩に出たり、庭の草むしりをしたりするぼくに、笑顔で焼き芋をすすめてくれる奥さん。
    庭のブナの大木にあらわれるミミズクにお裾分けしたり、のんびりとした生活。
    そんな生活はふらりと訪れる友人たちに乱される。

    家出した友人の妻の行方
    絞殺された女性社長
    散歩中に倒れて発見された地元の名主
    奥さんとの馴れ初めに絡んだ骨董品の盗難
    画壇の大御所の死の違和感
    老舗お茶屋夫妻の離婚
    デザイナーと元モデル夫妻の死体の謎

    ぼくが友人と奥さんの美味しい料理を食べながら、酔いどれでいる間に、友人の話を聞いた奥さんは顔を曇らせて。
    サラリと謎が解けて、時に切ない結末も、飄々としたぼくが和ませる。
    美味しい料理を食べながら、ゆっくり飲みたくなる。

  • ぐうたらな小説家の夫と、しっかり者で勘の鋭い妻。
    警察官の友人が頭を抱える事件、失踪者も殺人犯も離婚の相談も、妻の冴え渡る勘でするすると解決へ。
    茶々を入れてばかりの夫の会話がめんどくさくて、ちょっとうんざりしました。

  • ちょっと鈍感だけど気の良い作家の夫と料理上手な美しい奥さんが八王子の山の方で、昭和半ばなかんじの暮らしをしている様子がゆったりしていて良い感じです。
    そこに夫刑事の友達やら、同級生やらが事件を持ち込んできて奥さんが謎を解いていくという私の好きなタイプのお話ですが、夫が鈍すぎてそれで作家ができるのだろうか…というのとそれぞれの事件がいまひとつ腑に落ちないところがあるなぁ〜

  • (1)田舎家でゆるゆる暮らす妻とぼく庭にオリーブ客はミミズク(2)文章を読んでるだけで楽しめるミステリやけどのんびりとぼけて(3)内容:友人が妻に逃げられヘルプミー/友人は真犯人を逮捕した?/ぼくと犬謎の呪文で罪あばく/妻が風邪看病しつつ過去想う/先生の描いた絵ではあらしまへん/止めるべき? 勝者出せないもめごとを/醜いがこれも賢者の贈り物?

    ■簡単な単語集

    【飯室/いいむろ】「ぼく」の旧友。テレビ局勤めから広告代理店に転職。羽振りは良い。美人の妻をめとったが逃げられて相談に来た。
    【オリーブ】庭に植えすでに五メートルほどの高さに生長しているが実をなさない。
    【河田】高校時代の友人。讃岐出身。今は東京の警察官。しょっちゅう異動している。
    【先生】→妻の父
    【妻】「ぼく」の妻。讃岐出身。料理上手で評判。おっとりマイペースにみえるが…。推理能力が高い。庭に来るミミズクにおもてなしをしている。八王子にある庭付きの家を選んだのも妻。不機嫌になると武家の妻のような言葉遣いになり料理の品数が減る。雷は苦手。
    【妻の叔母】同窓会で地元に戻ったとき元の自宅を開けるのも面倒なので泊めてもらった。武家の妻女のような言葉遣い。妻と同様の推理能力を持っている。一族女性の特質か?
    【妻の父】「ぼく」の恩師。高等学校の国語教師だった。引退後は漢文塾を開いていた。「ぼく」にとっては煙たいひとだった。故人。
    【ぼく】語り手。讃岐出身。八王子に住む作家。複雑な心の機微は苦手で凡庸でおざなりな一般論しか吐けない。作家なのに。《そういうのは書かない》ミミズクp.36。妻《あなたは人の言うことをそのまま信じる人だからね》ミミズクp.26。《出かける前にキレイキレイすると、なんだか損をしたような気がするんだ》p.45。《何を着ていてもほんの寝巻に見えるからすごい》p.46。妻は「ぼく」のどこがよくて結婚したんやろう? と思うけどのんびりちょっとお間抜けなところがよかったんやろうなあとも思う。
    【松橋警部補夫人】高校の頃のクラスメート。同窓会で再会。
    【ミミズク】庭にやってくる。妻がおもてなしをしている。魚が好きだが芋や煎餅や乾パンも食う。
    【吉武増昭】「ぼく」の高校の同級生。吉武家は先生んちの本家で大きな邸宅に住んでいる。

  • 再読。「ハート・オブ・スティール」を読んだら、芦原すなおが読みたくなって、このシリーズを一気に借りた。ほんと、この讃岐の手料理と何とも言えない語り口というか、事件を奥さんに相談に来る客人と夫であるぼくとの会話がほんとに魅力的。これこそ芦原すなおである。奥さんは完全なる安楽椅子探偵。こういう鋭い頭脳の持ち主になりたかったわ。しかし、こんな夫婦なら結婚しても良かったなー。

  • 古本まつりの均一棚でシリーズをみつけ、懐かしいなあと思って買った。連作短編好きだし、料理がおいしそうなのも好みだし、ほのぼのよいイメージしかなかったけれど、今読むと、いわゆる理想の奥さん像にちょっと鼻白むところがありますね。

  • ジュンク堂のPOPを見て購入。芦原さんは、ずいぶんまえに青春デンデケデケデケを読んで以来。
    ほんわか系ミステリー短編集。作家が主人公で、料理上手の奥さんが安楽椅子探偵。家の庭にミミズクが来るのがうらやましい。手ずから煎餅あたえてみたい。料理の描写が美味しそうな本は、それだけで正義!

  • 美味しい郷土料理を給仕しながら、夫の友人が持ち込んだ問題を次々と解決してしまう新しい型の安楽椅子探偵――八王子の郊外に住む作家の奥さんが、その名探偵だ。優れた人間観察から生まれる名推理、それに勝るとも劣らない、美味しそうな手料理の数数。随所に語り口の見事さがうかがえる、直木賞受賞作家の筆の冴え。

    夫の、気が抜けるような会話が面白くて癖になる。
    少ない手がかりで、言葉少なにサラッと謎を解決してみせる奥さんの奥ゆかしさも良い。

  •  飽くまで奥さんが名探偵だから、いいっちゃーいいんだけど、語り部である旦那さんがバカすぎてしんどい。
     推理力がないとか、そういう種類のバカなんじゃなくて、バカっぽいというか、バカキャラというか。
     今の時代だったら、いろんなキャラがいるから、そういうキャラ設定でいかなきゃ…てこともあるだろうけど、1994年当時、大人なのにここまでバカキャラにしなくてもよかったんじゃね? て思う。

  • ぐうたら作家の主人公「ぼく」のもとへ友人から持ち込まれる事件を、専業主婦の妻が家事のかたわら鮮やかに解決していく短編七編。

    よくある素人探偵&安楽椅子探偵ものと言えばそうなんだけど、夫を足代わりに使い、縫い物の片手間に謎解きをするというスタイルが面白い。
    夫と友人、奥さんとの軽妙な会話を中心に進んでいくので、かなり読みやすい。加えて、奥さんの作る料理が美味しそう!

    約20年前の作品とはいえ、一応現代設定のはず。なのに、すごく昭和の雰囲気が漂うのはなぜだろう。
    妻が常に着物を着ているからか、一歩下がって夫をたてている感じがあるからか。どことなくサザエさんに似た世界観を感じ、夫婦二人の穏やかな日常がほのぼのとしてて和む。

    ただ、夫と友人との会話の端々に、何となく女性を下に見ているようなフシがあり、少し嫌な気持ちになるのは時代の違いのせいなのか…。面白いだけに、ちょっと残念。

  • 大林宣彦監督作品「青春デンデケデケデケ」(1992) を通しての原作踏破、それに続いての二作目ということで若干間隔を開けてはしまったものの挑戦。

    自身の幼少期にもクラスメートがハマるようにはハマらなかった推理小説という分野、やはりその傾向はおっさんになってからも変わらなかった様で、これを読んだから他の推理小説が読みたくなるかというとそうでもない。そうした好き嫌いの部分を置いておけば「青春デンデケデケデケ」でも十分みせてもらった良質な「ノリツッコミ」としてでも分類すべき掛け合いがあちこちに散りばめられていて、あちらこちらでちとしたニヤリを拾ってしまう。設定はほのぼのとしていて、7本の短編の詰め合わせという形式が昭和のテレビドラマを観ているような錯覚まで呼び起こしてくれる。こちらももちろん良質なやつ。

    本シリーズは続編もあるとのことなんでまたどこかでお見かけする日をのんびりと探したいなと。

  • hontoの料理系ブックツリーで紹介されていたので読んでみる。
    ちょっと古い作品なので、男尊女卑のノイがする。
    ミステリーの内容も、初っ端から男の浮気性に腹を据えかねた妻が家出した、どうしようとのこと。
    主人公は男の肩をもって、男がちょっと浮気するのは当たり前、と自分の妻に言うが、ここで妻も黙っていない。そこがスカッとする。
    この本は通しで、男と女の考えの行き違いが中心な事件ばかりな印象。それが苦手な人は読まないが吉。
    ただし、主人公のつまが作るご飯はどれも美味しそう。

  • 正直、謎の答えはすぐわかるし、「おー」というようなトリックはない。なのに、なんだろう、このやめられなさ。ミステリーではなく、夫婦のやりとりとしての良さが面白い本。

  • どこかノスタルジックな雰囲気が心地好い本でした。
    夫のとぼけているような言動が愛らしく、それが奥さんのミステリアスな魅力をひきてたてているような気がしました。

  • 旦那のことを理解してくれて、料理もうまくて、性格もよく、推理まで冴えている。そんなすごい女性(ひと)、おるわけないがな、という突っ込みはさておき、一度料理をごちそうになってみたい。

  • 美味しそうな料理の出てくる本という特集で知った1冊。都心から離れてゆったり暮らす夫婦と顔かでかくてちょっと厚かましい刑事が登場するお話。
    奥さんが名探偵なのですが、家からは出ない。台所探偵ですね。ミステリーのカテゴリではあるけど、それはさておき奥さんの作る料理が全部美味しそうなこと。旦那の出身地の郷土料理も度々登場、聞いたことも見たこともない料理なのに「ああ〜それ、絶対美味しいやつだ」とエアもぐもぐがとまらないw男たちはこの食材はこうしてああして食べたい。このおかずと一緒に食べたい。暖かいお吸い物もぜひ。とか好き勝手いうのにはいはい、といって台所でにこにこ作ってくれる最高の奥さん。毎回同じ展開だとは分かっていても、繰り返されることの安心感に浸るために読んでしまうのが不思議。
    シリーズ3冊全部読みました。

  • このシリーズ、初めて読んだのは10年位前かな
    ぐうだら作家と、賢く料理上手でやさしい探偵奥様の
    やりとりがなんだかすごくホッとして
    事件は殺人事件とか重いものもあるのだけど
    何故か、ほのぼのとしてしまうのが不思議
    この賢い奥様に、上手に踊らされている旦那さんも
    子どものようで、素直で、いいなぁと思う
    夫婦の庭に遊びにくるミミズクがまたほのぼの
    大好きな推理小説

  • 短編として面白いけど、2冊目以降のシリーズを読みたく成る程の魅力が登場人物に足りない気がする

  • 2014/4/7〔月曜日〕

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著者プロフィール

1949年香川県観音寺生まれ。早稲田大学大学院博士課程中退。1990年、『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞、翌91年、第105回直木賞を受賞する。著書に『スサノオ自伝』などがある。

「2010年 『青春デンデケデケデケ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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