雪のマズルカ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 4-4)
- 東京創元社 (2005年10月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488430047
感想・レビュー・書評
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女探偵が主人公の、究極のハードボイルド。
笹野里子は、女性を同乗させ自動車事故死した夫の後を継いで探偵となる。
実にタフでクール、おまけに超がつくほどのヘソ曲がり。依頼人から話を聞いても、少しでも気に食わないところがあれば、「お気に召さないのでしたら、どうぞよそへ」と断ってしまう。
依頼者の代理人が迎えにいくと言っても、「知らない人にはついていっちゃだめと、母から言われた」と返す。
そうした受け答えがいちいち小気味よい。
調査を引き受ければ、必ず落とし前をつける。
そのためには、引き金もためらわずに引く。
こんな女探偵を、ワタシはもう一人知っている。
若竹七海さんが描くところの、葉山晶だ。
この二人が大好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
探偵だった旦那が浮気相手と事故死して、その稼業を継ぐことにしたアラフォー女性が主人公。
彼女のプライドの高さといったら、富士山ぐらいあるんじゃないかと思うほどなのです。男にナメられないようにするためなのか、常に上から目線。でもモテるのよと言いたげだし。肩の力を抜いているふうを装って実は常に緊張していそう。そんな彼女を好きにはなれなかったけれど、なんとなく気になってしまう、そんな存在。ミステリーとしては物足りない。ハードボイルドであることは間違いない。
表紙に女性が描かれていることに気づいたのは読後。こんな可愛い人でしたか。 -
あらすじ(背表紙より)
夫が残したものは、滞納した事務所の家賃とリボルバー、そして苦い思い出だけ。夫の跡を継ぎ、私立探偵となった笹野里子の活躍を描く、直木賞作家・芦原すなお初のハードボイルド連作集。非行女子高生の行状に迫る表題作ほか、「氷の炎」「アウト・オブ・ノーウェア」「ショウダウン」を収録。最強(最驚!?)の女探偵がたどりつく衝撃の結末とは。 -
いやぁ、ハードボイルドだわ。主人公が直感に従って事件を解決してしまうのでミステリー要素はあまりありませんが、それを補って余りある主人の魅力が売りですね。
文章のテンポもいいので、さくさくと楽しく読める1冊でした。 -
久しぶりの芦原すなおだったけれど、完全に期待を裏切られた感じ。
ハードボイルドと銘打っていて、文章も意識した感じだが、そのためかえって筆者の良さを消し去ってしまっていると思った。更に、人物造型、特に主人公に無理があり過ぎる。
「青春デンデケデケデケ」から何年経っただろうか。あの、ユーモアとペーソスがあふれる雰囲気を期待するのだけれど。