無花果の実のなるころに (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.39
  • (9)
  • (44)
  • (51)
  • (14)
  • (1)
本棚登録 : 318
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488430115

作品紹介・あらすじ

中学生の望と祖母のお蔦さんが暮らす神楽坂。けれど周囲では次々と事件が発生し、2人暮らしの日々は何かと騒がしい……。粋と人情がたっぷり詰まった、ミステリ短篇集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『九十九藤』で魅了された著者の、現代ミステリーを初読み。
    元芸者でいまでも粋なお蔦さんとその孫という、ユニークな組み合わせの二人が主人公。
    舞台は神楽坂。情緒あふれる街で、二人が日常の事件を解決する活躍を「僕」の一人称で語られる。
    解説では、作品に対する深い洞察もあるが、ジャンルとしては、ほのぼのミステリーといっていいかも。
    代々男が料理する家系ということで、「僕」の料理がそこここに綴られ、特に『熱々リンゴの蒸し焼きパイ』は、詳しくレシピがあり、料理好き食べ物好きの読者は見逃せないか。

  • 良かったねー!!
    こういう、下町とか芸子さんの話好きだわー かつ日常でのミステリー!
    おいしそうなご飯もいっぱい出てくるしw
    1話完結でさくっと読めたのも良かった!!

  • 祖母と2人で暮らす中学生の男の子が主人公。
    2014/4/22

  • きっかけは忘れましたが、ずっと読みたいと思っていた作品。文庫化されてやっと手にしました。
    日常の謎といっても、決定力に欠けるところはお蔦さんの勘で進めるところもあるし、そういえばこんな布石が!という驚きは少なく、どちらかというとミステリではなく人情ものの雰囲気です。ただ芸者として生きてきたお蔦さんの独自の価値観や経験に基づいているのがかっこいい。当人の気持ちも事件の背景も分からないうちから「誰かを庇うなんてバカだ」と言いきり、かと思えば反省した犯人には同情的。最終章の「罪を犯して罰を受けないのは本人がいちばん辛い」という言葉にお蔦さんの姿勢が集約されているように感じます。誰かに庇われれば、罪を認めなかった自分も、そうさせた人も恨んでしまうかもしれない。自責の念を抱えて生きていく間に、罪を共有する人さえいなければと思ってしまうかもしれない。罪を犯した人が再び前を向けるように、償いながら生きていけるように。それがお蔦さんの優しさなんですね。
    我が身を振り替えれば、罪を忘れて平然と暮らしてるような人間なのでそんな性善説がまかり通るかとも思いますが。せめて小説の中では通用してほしいです。

  • 東京に引っ越して約一年、かつては想像でしかなかった神楽坂がどんな場所か知ってから読んだので、その分風景が想像できて楽しかったです。
    物語もなかなか面白いので、次作も読んでみたいと思います。



  • 神楽坂に履物屋を構える、粋な元芸妓の婆ちゃんと孫の物語。
    祖父母と孫の物語は、往々にして人情系のほのぼのものが多い。
    本作も御多分に洩れず、心温まる。が、時代小説が多い西條氏らしく、潜む人間の精神描写が巧みだ。
    罪を犯した者が罰を与えられない。そんな時、その人間はその後どういった精神状態で生きて行くことになるのか。贖罪のあり方とでも呼ぼうか。それを中学生という人間形成期の子供を使って、描いて行く。
    あえて答えは出さず、読者の解釈に委ねられる。
    温かな雰囲気を醸し出しつつ、散りばめられ一節一節に、普段忘れがちな本質が伺える。
    良い一冊でした。

  • もう少しひとりひとりの
    人物像の輪郭が明瞭だといいのですが。

    あとは神楽坂ならではの
    神楽坂だからこその空気感などが
    肌で感じられたらもっといいのですが。

    日常ミステリーではなく
    犯罪がらみが多い割には
    その事件解決までが
    拙速すぎるようにも思いました。

    でもノゾミちゃんが作るお料理が
    読む楽しみを増幅してくれたので
    物語世界に入り込むことまでは
    できませんでしたがそこそこ楽しめました。

    西條奈加さんの作品
    もう少し読んでみようと思います。

  • 2014/3/29

  • 本多横町で履物屋を営むお蔦さんは、神楽坂の元芸者で粋なおばあちゃん。
    中3の孫の望(のぞむ)と二人暮らし。

    望の両親は父の札幌転勤にともない、中高一貫校の望を置いて行ってしまった。

    お蔦さんの滝本家は、代々男が料理をする家系ということで、望はお蔦さんの料理担当。その腕はかなりのもの。

    二人のまわりの人間関係からおこるミステリーをお蔦さんがビシリと気持ちよく解決する。
    お蔦さんの筋の通し方が気持ちいい。

    と思ったら、作者の方は同年代。
    道理で望くんの描き方がかわいいわけだ。納得。


    P63学園祭で作ったもの
    熱々リンゴの蒸し焼きパイ
    上海焼きそば


    P135
    アジチーズフライ
    蕪のクリームスープ
    アスパラガスのサラダ
    シラスとネギのゴマ油和えをのせた冷奴

    P190
    シーフードドリア
    オニオンスープ

    P198
    牛ヒレ肉のカツレツ ニンニクレモンソース

  • 神楽坂で小さな履物店を切り盛りしているお蔦さんは、元芸者で姉御肌、芸事ひとすじで料理はからっきし。お蔦さんの息子夫婦である両親が札幌に転勤になり中学生の望がお蔦さんの台所を任された。滝本家は男が料理する家柄なのだ。日曜、親友の洋平と会う約束をしていたが、最近立て続けの「蹴飛ばし魔」として洋平が捕まったと連絡がー【罪かぶりの夜】他5篇

    ◆人が死なないミステリー。とはいえ、人の色恋だとか「子供に聞かせる話ではない」タブーの境界線が低いったってね、なかなかにハードな話なんじゃねぇんですかい?(笑)


    まぁ、元芸者さんだから芸者仲間にも色々あるんでござんしょうが。

    ◆学祭にて文科賞をとった足尾先輩の絵が破かれた事件【蟬の赤】

    ◆近所の振込詐欺【無花果の実のなるころに】

    ◆お蔦さんに遺言状による株の譲渡【酸っぱい遺産】

    ◆友達になった楓のお母さんの怪我は事故か事件か、楓の父親は…【果てしのない嘘】

    ◆イケメン彰彦の彼女に間違われて小坂翠を拉致したのは…【シナガワ戦争】←これなんかホント中学生…ダメだろ…。東京バンドワゴンじゃないんだからさ…(笑)

全46件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1964年、北海道中川郡池田町に生まれる。北海道帯広三条高等学校を経て、東京英語専門学校を卒業。 2005年、『金春屋ゴメス』が第17回日本ファンタジーノベル大賞 大賞を受賞しデビュー。2012年、『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞を受賞。2015年、『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。

「2018年 『秋葉原先留交番ゆうれい付き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

無花果の実のなるころに (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)のその他の作品

西條奈加の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

無花果の実のなるころに (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする