夜の床屋 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.34
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本棚登録 : 1301
レビュー : 201
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488437114

作品紹介・あらすじ

第4回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、四季折々の「日常の謎」に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作短編集全7編。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めた時は主人公が探偵役として事件を解決していく普通の推理物かなと思っていたし、途中までは短編集だと思っていた。なのに、読み終わった今は全ての物語が繋がっていた事と、単なるミステリーではなかった驚き。続きが気になる~!という感じで終わっているが、尻切れトンボな感じはなく、その終わり方がまたミステリアスで気に入りました。

    初めて読む作家さんで、今はまだこの一冊しか本になっていないようだけれど、これは先が楽しみな作家さんに出会えたなという印象。

  • 短編集。読み易いかな~、と、手に取りました。
    表題作、う~ん、トリックが簡単過ぎる気もするなぁ~、
    次の短編、ああ、この大学生の佐倉って人が主人公で続いているのね・・・、次の短編、次の短編、読み易くて面白いけど、なんか一つづつ納得いかない感じが残るな~と、読み進めていくと・・・。とんでもない繋がりが・・・。
    え?そこ?これは「ミステリー」だったのでは?
    そして最初の表題作まで戻るの?
    いやはや・・・「目から鱗」でした。

  • よくある連作ミステリかと思いつつも購入し、表題作である「夜の床屋」を読んだ後には少なからず失望も覚えた。
    たたみかけ方が強引だし、辻褄があっているようだけれど、「根」のあるものには感じられず、肩すかしな印象だった。

    2本目の「空飛ぶ絨毯」は、1本目より納得しやすい雰囲気ではあったが、やはり何かひとつ足りていないような気がした。
    3本目の「ドッペルゲンガーを探しに行こう」も同様だった。

    執着しない人だったらこのあたりで読むのをやめても不思議ではない。
    が、4本目からいきなりこの本の「表情」が変わってくる。4本目「葡萄荘のミラージュⅠ」と、それに続く「葡萄荘のミラージュⅡ」を読んで、ひょっとして私はこの作者に騙されていたのかもしれないと気付く。

    その後にある「『眠り姫』を売る男」で不意に裏側を全て見せられたような気になり、「エピローグ」でそれでも全てじゃなかったことを知らされる。

    が、そもそもは「『眠り姫』を売る男」で新人賞の最終候補に残り、その翌年、「夜の床屋」でデビューをしたという。つまり、それぞれが単発の作品として成立している。その2作を、この短編集で「繋いだ」のである。
    時代も場所も登場人物も違う2つの話を、別の短編を差し挟みながら繋いでいく、その大胆な構成力に、思わず「おぅ」と声を出した。

    この本をこれから読む人は、ぜひ、途中で諦めないでほしい。
    そうすれば、今まで読んだことのない構成が見えてくる。

  • 一見、関連のないように見える幾つかのエピソードが、実は全て繋がっているーーという手法は、ミステリでは珍しいものでもありませんし、昨今ではベストセラーの中にも散見されますね( ^ω^ )伊坂作品とか、イニシエーションラブとか( ^ω^ )

    謎の部分だけを抜粋すると、「日常の謎」がテーマのようにも当初は思えたのですが、読み進めていくとどうもいつもの日常ミステリとは勝手が違います。
    一見、微笑ましくも見えるミステリの裏に秘められた、恐ろしくも哀しい真実達。
    それらが少しずつリンクしていく後半、この小説は一体何なのか?という帯の言葉通り、冒頭と着地点の世界観があまりにかけ離れていることに、茫然としました。私、なんかよう分からないけど、すごいの読んだのかしら?!みたいな←

    上記に書いた「名状し難い世界観」の他にも、外せないのは「探偵の不定着」でしょうか。七編中六編に出てくる青年が主役=ホームズ役かと思いきや、他の作品ではワトソンになり、傍観者になる。そして最後は、神の視点に立ち、混乱する読者に真相を開示するのでした。うーん、なんかうまく説明できないけど、私、すごいの読んじゃったんではないかしら?!←←

    とにかく、オススメなのです( ^ω^ )最近の短編はアタリ多いなあ〜嬉!


    ◎夜の床屋…深夜の理髪店に突如ともった明かりの謎。

    ◎空飛ぶ絨毯…寝ている間にベッドの下に敷かれていた絨毯が消えた謎。

    ◎ドッペルゲンガーを捜しにいこう…少年達は、何故ドッペルゲンガーを追跡するという奇妙な謎をついて青年を騙そうとしたのか?

    ◎葡萄荘のミラージュⅠ,Ⅱ…葡萄荘に隠された秘宝の謎。

    ◎『眠り姫』を売る男…監獄の中で起こった殺人事件と、犯人の正体を知る囚人の語るフェアリーテイルの謎。

    ◎エピローグ…全ての物語が一気にリンクする、驚愕のラスト。

  • 日常の謎を解いていく短編集だと思ったら、まさかの展開だった!確かに夜の床屋と空飛ぶ絨毯の読後は、ちょっと引っかかるものがあったけど、なるほど、こう繋がるのか。でもまだちょっと疑問残る…。
    佐倉くんがちょっと気になる存在だった。

  • 当時、よく行っていた本屋さんでずっと平積みされていて、気になっていたのです。それで、読んでみたのですが、期待外れでした。この本はミステリー小説なのでしょうけど、あまりミステリーとしてグッとくる部分はありませんでした。むしろ、なぜ、この本がそれほど持ち上げられたのか、それが一番の謎です。(2015年12月4日読了)

  • これって何かある?...あるんだよねきっと。
    きっと何かが...

    表題作の「夜の床屋」を含めた
    6つの連作短編は、一話読むごとになんだか妙にゾクゾクとザワついて
    一話ごとに、結末の終止符は打たれているものの
    なんだか少しすっきりしない終わり方だからなのか
    後に何かが待ち受けていそうな、それも不思議な謎に包まれた
    恐怖めいたゾクゾク感がして、その最終結末には大きな期待が持たされます。

    6つのお話には、大学生の佐倉と高瀬という二人の青年が共通して登場するので
    連作するのかな...と思いきや、どうやらそこは一話一話単体の短編物語。
    前半の3編と後半の3編で構成が二つに分かれているようでした。
    "暗"と"明"という感じ。

    後半の3編では繋がりも感じられていましたが
    ラストで、あ!...そう♪...
    そこにそう繋がるのね!!...うん。そうか~♪
    確かに6つは1つに繋がりました。....だけど...

    それであれはどういうことだったの...??

    最初に感じた、あの妙にザワつくゾクゾク感は
    残念ながら解消されなかったのです。

    なんか惜しい...!
    そんな印象でした。

  • あり得ない系のシチュエーションで、おおっと引っ張られ話に入っていく。謎解きものの短編集。

    少々ご都合主義的なんじゃないのと思うが、後半の人魚の話には興奮してしまう。幻獣に興味があるのか、「ウォーレスの人魚」に思い入れがあるのか。
    最後も今までの繋がりの無いと思われていた
    話も繋がりを感じさせるような感じで、最後良かったな。最初の感想と読み終わった後の評価が大分異なり最後でぐぐっと力強さを感じさせるような展開で楽しかった。

  • 青春ミステリーかと思いきや、後半から様相を転じて怪奇小説か?!全編読むと、現実から不思議な世界へ引き込まれていく…。

  • ありふれた短編ミステリーとあなどっていたら、後半やられます。

    日常的なミステリーと非日常的なファンタジーのようなミステリー。
    最後の無理くり統一させたい感あったけど、一話一話がぞくぞくして、葡萄荘のミラージュⅡからさらに引き込まれていきました。

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著者プロフィール

沢村浩輔:2007年、短編「インディアン・サマー騒動記」(「夜の床屋」に改題)で東京創元社主催の第4回ミステリーズ!新人賞を受賞。受賞の前年には「『眠り姫』を売る男」で同賞の最終候補に残る。これら2作を盛り込んだ連作短編集の『インディアン・サマー騒動記』(文庫化にあたり『夜の床屋』に改題)を2011年に刊行しデビュー。寡作ながら、作品が本格ミステリ作家クラブ選の年刊アンソロジー『本格ミステリ09』に採用されるなど、その実力が評価されている。他作品に『北半球の南十字星』『週末探偵』などがある。

「2019年 『時喰監獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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