- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488437114
作品紹介・あらすじ
第4回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、四季折々の「日常の謎」に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作短編集全7編。
感想・レビュー・書評
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何やこのタイトル?
「夜の床屋」って…
何か気になる…内容分かってないけど…
ハイ!購入!即読書!^^;
何か「世にも奇妙な物語」的なの想像してたけど、結構、ロジカルな謎解き。
無理矢理感は、あるけど…
でも、どんな理由があっても、普通夜中に散髪屋やらんで〜それが、異空間みたいな感じでないと。こんなにキッチリと説明されると、何か…
他のも結構、飛躍してんちゃう?って感じのが多いかな?の短編集7編。
(エピローグを含む)
後半は、ファンタジーっぽいけど、やっぱり飛躍してんちゃう?
エピローグは、そこまで含めてしまうのか…やっぱり飛躍してんちゃう?
私の頭が固いとも言う…(−_−;)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
深夜に開く床屋の謎。寝ているうちに部屋はそのままで絨毯だけが消えた謎。と前半は大学生佐倉の周りで起きた日常の謎を解く短篇集と思わせておいて後半「葡萄荘のミラージュ」からはファンタジーな曖昧さに謎が溶け込んでいく。雰囲気は魅力充分だが各短編の謎の解明が唐突でそれ何を根拠にした?と感じてしまいもやもや。それは最終的に皆霧の中から仄かに浮かんで来る形を取るのが醍醐味だと思うんだけど上手く繋がっていない印象。あとタイトル、文庫化で変わったそうだけどマイナスになっている気がする。
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読み始めた時は主人公が探偵役として事件を解決していく普通の推理物かなと思っていたし、途中までは短編集だと思っていた。なのに、読み終わった今は全ての物語が繋がっていた事と、単なるミステリーではなかった驚き。続きが気になる~!という感じで終わっているが、尻切れトンボな感じはなく、その終わり方がまたミステリアスで気に入りました。
初めて読む作家さんで、今はまだこの一冊しか本になっていないようだけれど、これは先が楽しみな作家さんに出会えたなという印象。 -
短編集。読み易いかな~、と、手に取りました。
表題作、う~ん、トリックが簡単過ぎる気もするなぁ~、
次の短編、ああ、この大学生の佐倉って人が主人公で続いているのね・・・、次の短編、次の短編、読み易くて面白いけど、なんか一つづつ納得いかない感じが残るな~と、読み進めていくと・・・。とんでもない繋がりが・・・。
え?そこ?これは「ミステリー」だったのでは?
そして最初の表題作まで戻るの?
いやはや・・・「目から鱗」でした。 -
よくある連作ミステリかと思いつつも購入し、表題作である「夜の床屋」を読んだ後には少なからず失望も覚えた。
たたみかけ方が強引だし、辻褄があっているようだけれど、「根」のあるものには感じられず、肩すかしな印象だった。
2本目の「空飛ぶ絨毯」は、1本目より納得しやすい雰囲気ではあったが、やはり何かひとつ足りていないような気がした。
3本目の「ドッペルゲンガーを探しに行こう」も同様だった。
執着しない人だったらこのあたりで読むのをやめても不思議ではない。
が、4本目からいきなりこの本の「表情」が変わってくる。4本目「葡萄荘のミラージュⅠ」と、それに続く「葡萄荘のミラージュⅡ」を読んで、ひょっとして私はこの作者に騙されていたのかもしれないと気付く。
その後にある「『眠り姫』を売る男」で不意に裏側を全て見せられたような気になり、「エピローグ」でそれでも全てじゃなかったことを知らされる。
が、そもそもは「『眠り姫』を売る男」で新人賞の最終候補に残り、その翌年、「夜の床屋」でデビューをしたという。つまり、それぞれが単発の作品として成立している。その2作を、この短編集で「繋いだ」のである。
時代も場所も登場人物も違う2つの話を、別の短編を差し挟みながら繋いでいく、その大胆な構成力に、思わず「おぅ」と声を出した。
この本をこれから読む人は、ぜひ、途中で諦めないでほしい。
そうすれば、今まで読んだことのない構成が見えてくる。 -
少し不思議(藤子不二雄的SF)風味ミステリ。初めは、トリッキーな日常の謎短編集だと思っていたが、空飛ぶ絨毯の話からやや毛色が変わってくる。登場人物の個性が薄いため、正直連作であることを忘れていたが、全編を通した伏線回収あり。やや唐突に感じたけど。雰囲気抜群で面白いので、追っかけたい。
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一見、関連のないように見える幾つかのエピソードが、実は全て繋がっているーーという手法は、ミステリでは珍しいものでもありませんし、昨今ではベストセラーの中にも散見されますね( ^ω^ )伊坂作品とか、イニシエーションラブとか( ^ω^ )
謎の部分だけを抜粋すると、「日常の謎」がテーマのようにも当初は思えたのですが、読み進めていくとどうもいつもの日常ミステリとは勝手が違います。
一見、微笑ましくも見えるミステリの裏に秘められた、恐ろしくも哀しい真実達。
それらが少しずつリンクしていく後半、この小説は一体何なのか?という帯の言葉通り、冒頭と着地点の世界観があまりにかけ離れていることに、茫然としました。私、なんかよう分からないけど、すごいの読んだのかしら?!みたいな←
上記に書いた「名状し難い世界観」の他にも、外せないのは「探偵の不定着」でしょうか。七編中六編に出てくる青年が主役=ホームズ役かと思いきや、他の作品ではワトソンになり、傍観者になる。そして最後は、神の視点に立ち、混乱する読者に真相を開示するのでした。うーん、なんかうまく説明できないけど、私、すごいの読んじゃったんではないかしら?!←←
とにかく、オススメなのです( ^ω^ )最近の短編はアタリ多いなあ〜嬉!
◎夜の床屋…深夜の理髪店に突如ともった明かりの謎。
◎空飛ぶ絨毯…寝ている間にベッドの下に敷かれていた絨毯が消えた謎。
◎ドッペルゲンガーを捜しにいこう…少年達は、何故ドッペルゲンガーを追跡するという奇妙な謎をついて青年を騙そうとしたのか?
◎葡萄荘のミラージュⅠ,Ⅱ…葡萄荘に隠された秘宝の謎。
◎『眠り姫』を売る男…監獄の中で起こった殺人事件と、犯人の正体を知る囚人の語るフェアリーテイルの謎。
◎エピローグ…全ての物語が一気にリンクする、驚愕のラスト。 -
再読のつもりで読んだが、こんな内容だったか?と驚き。『夜の床屋』で青春ミステリ懐かしいと思ってたのが、連作で様相変わり『『眠り姫』を売る男』は作中作である事忘れて世界に浸った。主人公佐倉も魅力的。読み応え十分の一冊。
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久しぶりの再読。
ミステリーの醍醐味は一見関係ないように見える物事が実は意外なところで繋がっていたり、ありえないようなことがサラリと行われていたり、それが後に分かって驚くと同時に腑に落ちる快感が味わえることだと個人的には思っている。
ただこの『ありえない』または意外性というものと、『そんなバカな』『それはやり過ぎだろう』というボーダーラインを越えないように表現するかというのは、これはもう作家さんの腕によると思う。
この作品も扱いによってはこのやりすぎ感、荒唐無稽な感じを『ありえないけれど納得出来る』というところに収めることが出来たのではないかと思うのだけど、読み終えるとやっぱり荒唐無稽な感じの印象が強く残ってしまった。
特にこれまでの色んな事件を繋げるところも強引な印象だったし、ちょっと残念な感じ。
ただ様々な事件に出会う人間は同じでも、謎解きをするのは毎回違う人間というのは面白い趣向だなと思った。