ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488439088

作品紹介・あらすじ

大学を休学し、家電配送のアルバイトなどをしながら、自分を見つめ直している佐多くん。とあるお屋敷のシャンデリアの付け替えにいくと、休憩中に出くわしたのは、一匹の猫とそれに仕える秘書兼運転手だという男だった。アロイシャス・ニャン氏と紹介された品のいい猫は、その屋敷で起こった変死事件の謎を解き明かす?! って、猫がニャーニャーと鳴いているところを勝手に解釈しているみたいだけど本当なの? アルバイト先で、次々と不思議な出来事とニャン氏に出くわすことになった、佐多くんの右往左往の探偵譚を愛らしく描いた連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • あやごぜさんのレビューから読みたくて。大学生佐多くんがバイト先などでニャン氏とその秘書丸山さんに遭遇、結果様々な事件を解決する。ゆる系ながら名作へのオマージュあり、丸山氏の語尾の「〜ニャ」に脱力したり佐多くんの恋話など楽しすぎる!

    • akikobbさん
      111108さん、こんにちは。
      なにこれ面白そう!と思ったら、バルーンタウンの松尾由美さんですね。
      読んでみたいと思います〜♪
      111108さん、こんにちは。
      なにこれ面白そう!と思ったら、バルーンタウンの松尾由美さんですね。
      読んでみたいと思います〜♪
      2022/12/11
    • 111108さん
      akikobbさん、コメントありがとうございます♪

      そうなんです、松尾由美さんいろいろ挑戦してますよね。猫とミステリーの組み合わせはいろい...
      akikobbさん、コメントありがとうございます♪

      そうなんです、松尾由美さんいろいろ挑戦してますよね。猫とミステリーの組み合わせはいろいろありますが、この強引な感じとシュールな笑いに私はハマりましたよ!
      2022/12/11
    • akikobbさん
      ゆるで名作オマージュで強引でシュール、うん、私も好きそうな気がします…!
      ゆるで名作オマージュで強引でシュール、うん、私も好きそうな気がします…!
      2022/12/11
  •  猫が名探偵!秘書(人間)が語尾に「ニャ」を付けて通訳!…いったいどういう世界設定だとそれが成立するの?と思ってしまうが、舞台は別に普通の現代日本で、なぜかなんとなく成立してしまっている。このゆるさというか強引さというかがたまらないぜと思ってしまったらもう虜、たびたび噴き出しながらあっという間に読了。短編なのでお手軽だというのも嬉しい(最近短編ミステリーばかり読んでいるな)。
     大学休学中の佐多くんが主人公で、悩み多き若者な感じが瑞々しくもある。佐多くんがバイトでよくコンビを組む会社員の岡崎さんが、自称「気は優しくて力持ち」「肉体派で庶民代表」、そして称賛に値するほどの率直な物言いが清々しいという人で、一歩間違うと無神経な嫌な男!にもなりかねないが、なかなかどうして良さそうな人で好きでした。松尾由美さん作品を読んだのは『バルーン・タウン』シリーズに続いて(シリーズで数えると)二作目だが、どちらも登場人物がみな魅力的だなあと感じる。
     どうもニャン氏シリーズ、続編では主人公が変わるらしい。本作では連作短編ミステリーを楽しみながら、同時に佐多くんの人生の物語の一ページを味わうことができた。佐多くんとお別れはちょっと寂しいけど、次はどんなサブ(いや、メインか?)ストーリーが繰り広げられるのか楽しみだ。

    • 111108さん
      akikobbさんこんばんは!

      ニャン氏、大丈夫でしたか?よく考えたら、雇い主は猫だと言うおじさんが「〜ニャ」と語尾につけながら話をすると...
      akikobbさんこんばんは!

      ニャン氏、大丈夫でしたか?よく考えたら、雇い主は猫だと言うおじさんが「〜ニャ」と語尾につけながら話をするという、とっても怖い状況なんですけど‥。
      もしハマったらどうぞ第二弾へお進みください♪
      2023/02/02
    • akikobbさん
      111108さん、こんばんは。

      全然大丈夫です、ハマりました♪
      途中で推理に飽きるところも、いいですよね笑
      色々な名探偵がいるものです…!
      111108さん、こんばんは。

      全然大丈夫です、ハマりました♪
      途中で推理に飽きるところも、いいですよね笑
      色々な名探偵がいるものです…!
      2023/02/02
    • 111108さん
      よかったニャ←実際使ってる人いたらイラッとくるやつ笑
      よかったニャ←実際使ってる人いたらイラッとくるやつ笑
      2023/02/02
  • 猫が謎解き?大学を休学中の佐多くんと猫のニャン氏が繰り広げる探偵譚、連作六話が収録されています。

    主人公の佐多くんがバイト先など、行く先々で謎に遭遇するたびに、何処からともなく現れる実業家(!)の猫、アロイシャス・ニャン氏とその秘書兼運転手兼通訳の丸山さん。
    ガチな猫のニャン氏が「ニャーニャニャ」と鳴き声で謎を解くのを、丸山さん(いい大人)が「~だニャ」と、通訳するという…"な ん だ こ れ w w”というシチュエーションではあるのですが、この状況をマイルドに受け入れている登場人物たちに毒されて(?)、読んでいるこちらも徐々に慣れて行く感じです。
    とはいえ、謎解き部分は割りとしっかりしていて、変死事件あり、失踪や紛失などの日常系ありとバラエティーに富んだライトミステリとして楽しめました。
    ニャン氏と丸山さんのシュールさが、何だかクセになりそうな感じでして、続きも出ているようですので、そちらにも手を出してみようかな。と、思った次第です。

    • 111108さん
      あやごぜさん

      たぶん私が読んだのは『袋小路の猫探偵』という話だったと思うのですが、ちょっと面白いなという印象でした。が、〈猫のニャン氏が「...
      あやごぜさん

      たぶん私が読んだのは『袋小路の猫探偵』という話だったと思うのですが、ちょっと面白いなという印象でした。が、〈猫のニャン氏が「ニャーニャー」鳴くのを〝推理”として丸山さんが語尾に「ニャ」をつけて通訳する〉←こんなシュールな話でしたっけ??
      ますます読みたくなりましたよ(≧∀≦)
      2022/11/17
    • あやごぜさん
      111108さん。 こんばんは。

      『袋小路の猫探偵』。なんともそそる題名ですね~。
      因みに、ニャン氏の秘書(そもそも猫の秘書が人間と...
      111108さん。 こんばんは。

      『袋小路の猫探偵』。なんともそそる題名ですね~。
      因みに、ニャン氏の秘書(そもそも猫の秘書が人間という・・ww)の丸山さんが語尾に「ニャ」をつけるようになったのは、ある事件の謎解きの際に「丸山さんの意見かニャン氏の意見か区別するため、語尾に“ニャン”をつけたらどうか?」みたいな事を居合わせた女の子に提案されたのがきっかけなのですが、それを受け入れちゃうシュールさが見どころ&ツッコみどころです( *´艸`) 機会があれば是非読んでみて下さいませ♪
      2022/11/17
    • 111108さん
      あやごぜさん、お返事ありがとうございます!

      女の子の提案なんですねw丸山さん素直すぎる‼︎『袋小路の猫探偵』は『ベスト本格ミステリ2018...
      あやごぜさん、お返事ありがとうございます!

      女の子の提案なんですねw丸山さん素直すぎる‼︎『袋小路の猫探偵』は『ベスト本格ミステリ2018』で読んだんですけど、丸山さんてそんな人だったか‥。
      すぐ読んで脱力したいです(*´-`)
      2022/11/17
  • おばあさんの幽霊、安楽椅子と様々なモノを探偵にしてきた作者ですが、今度は猫です。ネタとしては面白いけど、猫が探偵である必然を感じない。連作短編で1冊にはまとまってるけど、なんとなくふわっとした1冊になってしまっていますね。

  •  人間の言葉は喋れなくて、ニャンニャン言うだけだけど、人間が言ってることは理解できて、しかも謎解きもしちゃう猫で実業家のニャン氏と、その通訳の丸山さん。
     この1匹と1人が直接事件に巻き込まれるわけでなく、ニートぽい佐多くんが同僚の岡崎さんと事件の話を聞かされてるのを、一緒に聞いてて、てパターンです。

     地の文も三人称ながら佐多くん視点で、ニャン氏と丸山さんはあんまり素性が分からない感じ。
     それがよかった。
     ならいっそ、佐多くんの一人称でもいい気もしたけど。

     ただこの本、6話収録の連作短編なんだけど、最後の2話が書下ろしなんだよね。
     てことは、雑誌掲載時、随分中途半端な感じで話が終わってたのね。

     あと、最終話での佐多くんの自分の身の振り方は、私が考えてたのと違ってた。
     そうなの?
     話の最後が駆け足だったこともあって、何かバタバタ…中途半端…。

     そういえば松尾さんの作品、前に「バルーン・タウンの手品師」を読んだのに、登録してなかった…。
     確か1話読んだだけで、読むのをやめた記憶が…。

  • 推理部分は緻密なのに、話自体はつかみどころなく、デビュー作『バルーンタウンの殺人』を彷彿とさせます。『ニャン氏登場』『猫目の猫目院家』は探偵が猫である意味があり、良かったです。ただラストに近づくにつれ早足で、『真鱈の日』の推理はもう少し詰めてほしかったです。

    とはいえ、ニャン氏と秘書の今後の活躍が気になるので、続きに期待します。

  • ミステリ。短編集。
    不思議系ミステリ。
    基本的には事件のあらすじを聞いて推理をする、シンプルな安楽椅子探偵もの。
    サクッと読めて、気楽に読むのに適したエンタメ作品として良い。

  • ★何しろ、現実離れしているということは、めったにお目にかかれないということであり、それだけ胸踊るということでもある。(p.221)
    【感想】ニャン氏とは再会したいものです。
    【内容】安楽椅子探偵系のひとつでしょう。短編集。ひらいたところがおおすぎた殺人事件。猫目院家ノートパソコン失踪事件。女優が人形になった事件。猫と掛け軸。移動した絵はがきの話。誰もいない家にひとりで入っていった老婦人が殺された。

    ▼簡単なメモ
    【一行目】こんな日に、洗濯機を背負わなくてすむのはとても幸せなことだ。

    【安野/あんの】広瀬、倉本と同じ教授の指導を受けている院生でモデルのアルバイトをしている。
    【池上】大道寺の弁護士。
    【岡崎】佐田くんのバイト先のドライバー。ぬいぐるみの熊みたいな風貌でおしゃべり。半袖ポロシャツの似合う男選手権で上位に入りそう。ゴージャスで立体的な女性が好き。
    【軽い】《何はともあれ、軽いというのはすばらしいことなのである。》p.11
    【川村】村瀬ミナの撮影に参加していた無名の俳優と思われる。極度の猫嫌いのようだ。
    【倉本】立花実佳の婚約者。
    【来栖亜紗子/くるす・あさこ】柳瀬薫子さんちでメイドのアルバイトをしていた。表情はあまり変わらないが瞳の輝きとかは変わる。美大の二年。
    【現実離れ】《何しろ、現実離れしているということは、めったにお目にかかれないということであり、それだけ胸踊るということでもある。》p.221
    【サーシャ】タレント猫。ロシアンブルー。
    【財前善行/ざいぜん・よしゆき】大邸宅の主。普通のサラリーマンに見える。
    【佐多俊英/さた・としひで】大学生で休学中。家電配送のアルバイトをしている。母方の祖父は大企業の創業者。
    【惇子/じゅんこ】猫目院修造の姪。亡くなった兄の娘。ゴージャスで立体的なすごい美女。
    【城之内】亡くなった女性経営者。大道寺をしてやり方が汚いと言わしめた。
    【菅井】高原リゾートホテルに毎夏滞在する男性。
    【大道寺修/だいどうじ・おさむ】大富豪。佐多の母方の祖父。そのことが皆にバレたのが大学に行けなくなった理由でもある。
    【立花実佳/たちばな・みか】かつて佐多とつきあっていた女子学生。かわいい。
    【寺川】広瀬、倉本と同じ教授の指導を受けている院生。生真面目な委員長タイプ。
    【仁木】高原リゾートホテルの喫茶店のウエイトレス。若く見えるがそこそこの年齢で既婚者。
    【ニャン】実業家。フルネームはアロイシャス・ニャン。タキシードをまとったような猫。「ミーミ・ニャン吉」の名前で童話も執筆している。
    【猫目院家】平安時代に都で地震があったとき逃げ出した、中宮の猫をなんとなくで見つけ出した怠け者を開祖とする。オッドアイだったらしい。
    【猫目院修造/ねこめいん・しゅうぞう】古い館の主。ノートパソコンを注文した。亡くなった父親はニャン氏と面識があった。
    【猫目院養造/ようぞう】猫目院修造の双子の弟であごひげを伸ばしている。オッドアイ。
    【広瀬】立花実佳のいとこ。
    【深沢】柳瀬薫子さんの叔父。現在の柳瀬家で殺された。
    【丸山】柳瀬家で休ませてくれと言ってきた実業家の秘書兼運転手。兼通訳。四十くらいの痩せた男で顔立ちもたたずまいも見苦しくない。
    【村瀬ミナ】人気モデル。
    【柳瀬薫子/やなせ・かおるこ】七十歳くらいの上品な女性。
    【理念】ニャン氏の理念は《みずからの幸福と快適を最大限に追求しつつ、その過程における他者の幸福と快適の侵害を最小限にとどめる》p.213。ぼくの理念に近いかもね。前半部はほどほどに追求しつつ、で、後半部はそのまんまかな。

  • 探偵役が猫さんという摩訶不思議な話。主人公のいく先々に現れ、謎を解いていく。側についている執事さんもいい雰囲気出していて◯。続編あるみたいなので読みたい。

  • わたしは結構好き。
    猫が安楽椅子探偵的に活躍するという、その設定が受け入れられれば、あとは超正統派のミステリ。
    「三毛猫ホームズ」は飼い主にヒントを与えるタイプの謎解きをしていたが、ニャン氏は基本的には雇っている通訳を介して語ることで差別化?が図られている(たまにホームズスタイルもとるが)。また登場人物に、猫ミステリ?の先達のオマージュ的な遊び心を感じたりも。

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著者プロフィール

一九六〇年、石川県生まれ。会社勤務を経て作家になる。八九年『異次元カフェテラス』を刊行。九一年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選。主な著書に「ニャン氏の事件簿」シリーズ、『おせっかい』『ピピネラ』『九月の恋と出会うまで』『嵐の湯へようこそ!』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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