図書館の殺人 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488443146

作品紹介・あらすじ

九月の朝、風ヶ丘図書館の開架エリアで死体が発見された。被害者は常連利用者の男子大学生。閉館中の館内に忍び込み、山田風太郎の『人間臨終図巻』で何者かに撲殺されたらしい。現場にはなんと、二つの奇妙なダイイングメッセージが残されていた! 警察に呼び出された裏染天馬は独自の捜査を進め、一冊の本と一人の少女の存在に辿り着く。一方、風ヶ丘高校では期末テストにまつわる騒動が勃発。袴田柚乃たちは事件とテストの二つに振り回されることになり……。ロジカルな推理と、巧みなプロットで読者を魅了する〈裏染天馬シリーズ〉第4弾。

感想・レビュー・書評

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  • 裏染天馬君シリーズ。第三弾だと思う。
    横浜、風ヶ丘図書館(横浜国大の近くらしい)の開架エリアで、男子大学生が殺されていた。深夜の犯行らしい。今回は、死体の横にダイイングメッセージ。風ヶ丘高校は、期末テスト期間で、ちょっとあわただしい。
    シリーズの中で、今回のロジックが一番しっくりわかりました。(天馬君に解説してもらって。)ですが、殺人動機が、今ひとつわからないですねえ。たぶん、殺人動機は、それほど重要ではないんですよね。読書ポイントが違うんだろうと思います。
    天馬君の謎の部分、袴田妹との今後の進展、時折出てくるアニメネタ。ファンの皆さん次作をお待ちでしょう。
    私は、全く推理出来ず。これも加齢かしらねえ。

  • 今回の舞台は、待ってました誰もが大好き図書館での事件。
    2年A組、図書委員長の城峰有紗の従兄の撲殺体が早番だった司書に発見される。
    凶器は山田風太郎作、『人間臨終図鑑』。
    密室、アリバイトリックと続いた館ものの次なる味付けはダイイングメッセージ、そして作中作。。。

    あの二言目にはめんどくさいの裏染がわざわざ駅前まで足を運んでいる時点で驚きなのだが、そこが図書館の時点でなんか嬉しい。
    でも、県警の協力要請に応えるときはちゃっかり送迎を要望するあたりもらしさ全開。

    いやぁ、このシリーズほんと面白い。
    なんていうか、絶妙なバランス。

    もちろん特筆すべきは謎多き不可思議な事件と、完璧なまでにフェアでロジカルで盲点を突く解決編。
    それに加えて、サブカル系の話題あり(自分にはよくわからなかったけど、刺さる人には刺さるんだろうなぁという意味深なやりとり多し)、お色気系の際どい笑いあり、ダジャレあり。
    それでいてベースはエラリー・クイーンばりの本格ミステリ(実はクイーンは『Xの悲劇』くらいしか読んだことないのだけれど)。
    赤川次郎を想起させるジョークは、そこまでカバーする!?と思うほど。
    とにかく間口が広い。

    のだが、、、
    本書の刊行は2016年。
    その間、『アンデッドガール・マーダーファルス』や『ノッキングオン・ロックドア』など他作品の発表はあるものの、久しい間の沈黙。
    まだまだ終わらない予感なのに、どちらかというと発散過程にも思える程なのに。
    軽くググったけどどかで連載している様子もないし。
    次作が待ち遠し過ぎる。

    待ち時間の間、本家を読んでみようかなと思う今日この頃。

    • マメムさん
      初コメです。
      続編の刊行を待ち焦がれています♪
      初コメです。
      続編の刊行を待ち焦がれています♪
      2023/08/27
    • fukayanegiさん
      ほんといつ出るんでしょうね〜。
      次はこれであって欲しいです!
      ほんといつ出るんでしょうね〜。
      次はこれであって欲しいです!
      2023/08/27
  •  青崎有吾さん初読みです。平成のエラリー・クイーン? え、何それ! 読んだことも、当然作風も知らないんですけど‥。
     加えて、本書が『裏染天馬シリーズ』の第4段?(短編集を除くと、体育館→水族館ときて、本作が第3段とのことです) え、読む順番守んないとダメ? 等々、全くのミステリーど素人丸出しの私は、何となくのタイトルで選んでしまったのでした。トホホ‥。

     と、ボヤきながら読み始めましたが、エラリー・クイーンもシリーズの順番も関係なく、十分に楽しめる作品でした。
     主人公がアニメオタクの高校生探偵・裏染。なかなかの曲者です。ポンコツ・ダメ人間のようでいて、高い知性と学識を備えており、体育館と水族館の事件を解決し、既に県警からも捜査のアドバイザーとして協力依頼されています。
     徹底した論理で推理を組み立てていく緻密な構成と、裏染と周辺人物(特に女の子たち)との軽妙な掛け合いの妙が大きな魅力で、スルスル読み進められます。

    「読者への挑戦」、探偵読者に事件解決のヒントをすべて提示するのが、もしやのエラリー・クイーンのスタイルなのですか? 「楽しみながら推理してね!」ってことですね? なるほどー、勉強になりました。
     キャラクターの魅力と相まって、このシリーズが人気なのも頷けました。これは、第1〜3段も読むしかないですね。

    • マメムさん
      初コメです。
      是非とも体育館の殺人から読む進めてみて下さい。図書館の殺人での印象も再読するとまた違って見えてくるかもです♪
      初コメです。
      是非とも体育館の殺人から読む進めてみて下さい。図書館の殺人での印象も再読するとまた違って見えてくるかもです♪
      2023/01/28
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      マメムさん、おはようございます!
      コメントありがとうございます♪
      ぜひおっしゃる通りにと思います。ただ、当面読むべき本が、私の前で「小さいマ...
      マメムさん、おはようございます!
      コメントありがとうございます♪
      ぜひおっしゃる通りにと思います。ただ、当面読むべき本が、私の前で「小さいマエナライ」をして待っており、悩んでおります。
      でも、新たな作家さんの魅力を知ることは、大きな喜びですね。
      今後もよろしくお願いします。
      2023/01/28
    • マメムさん
      NO Book & Coffee NO LIFEさん、お返事ありがとうございます。

      「小さいマエナライ」の表現が可愛いです(⁠≧⁠▽⁠≦⁠...
      NO Book & Coffee NO LIFEさん、お返事ありがとうございます。

      「小さいマエナライ」の表現が可愛いです(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)
      読みたいと思った時に読むのが一番ですよね♪気長に感想をお待ちしてますね♪
      2023/01/28
  • ドハマりしている裏染天馬シリーズ最新刊を読み終えた感想として、………早く次の作品が読みたい!!
    以上。

    体育館、水族館、図書館と身近な『館』で起きる殺人事件は次第に読者への挑戦のハードルを上げていき、本作では容疑者が0人という状況に陥る場面から、えっ?と混乱しつつ、読み終えた頃には騙されたとも思える読後感。そして最後に次回作への伏線と言える裏染天馬の過去。

    本書単行本が2016年、文庫化が2018年とのことから、もう6年経っている現在だが、是非とも続編の登場を期待したい。というか出てくれないと困ります。

    さてさて、次なる『館』と裏染天馬の過去、そして袴田柚乃との絡みはどんな展開となるのか。楽しみ楽しみ♪

  • 面白かったです。シリーズ3作目です。
    ちゃんと論理的に考えていけば犯人が導き出せるようになってるようですが、いつものように挑戦はせず普通に楽しませてもらいました。
    ただ察しが悪いのか最後のなぜ犯人が本を持ち去ったのかがよく分かりませんでした。。

    このシリーズに短編集もあるようで読みたかったのですが図書館に置いてないので読めないです。残念。

  • 相鉄瓦版に紹介されていて、舞台が沿線モデルということで読み始め。
    シリーズものとは知らなかったので人物関係に冒頭混乱。
    ですが、正当な推理小説で面白く読ませていただきました。

  • キュートなキャラクターたちが舞い躍る、図書館で発生した本格ミステリー。これは面白い!超絶★5

    図書館で発生した殺人事件、そこにはダイイングメッセージがっ!
    風ヶ丘高校のいつもの面々がドタバタと大活躍する、裏染天馬シリーズ第4弾。体育館の殺人から始まったシリーズですが、どんどん面白くなっていきますね、もう最高です。

    残された証拠からの探求や、ダイイングメッセージの考察がスゴイ。少しずつ証明されていく謎解きがロジカルで素晴らしく、あっという間に丸ごと一冊読めてしまいました。

    物語の構成も良くできていて、今度は期末試験と事件を並走する形で展開していき、学園ものと本格ミステリーが交互に楽しめます。そして最後にはこの二つが組み合わせっていく感じもパーフェクト!

    そして本シリーズは本当にキャラクターの描き方が見事で、ライト文芸のお手本です。探偵役の天馬は相変わらず変態で卑怯ですが、ちょっぴり思いやりがでてきましたね。むしろ裏染の妹の変態ぶりが強めにでてきて今後に期待です。

    一見ラノベですが、1つずつ丁寧に組み立てられたマジで面白い至極の本格ミステリー。超オススメです!

  • <裏染天馬シリーズ>の4冊目。
    今回は、風ヶ丘図書館の開架エリアで死体が発見されたところからスタート。
    常連利用者の男子大学生が閉館中に忍び込み、何者かに撲殺されたらしいが、そこには奇妙なダイイングメッセージが残されていた…といった設定。
    本格物が好きな人には悪いけど、もはやこのシリーズの楽しみと言えば、お馴染みのメンバーの掛け合いで、下駄箱の前でのピーチクパーチクや図書室での勉強会(?)の場面が一番好き。
    柚乃ちゃん、相変わらず素直でかわいいな。「柚乃は正妻でしょ」「制裁?加えるの?」「えっ加えるの? 一夫多妻?」「え?」「ん?」みたいなところ、凄くいい。
    孤高の金髪改め寝返ったショートボブ・針宮理恵子を挟んだ八橋千鶴vs天馬のバトルも好きだなぁ。
    勿論、誰が犯人かという謎解きも興味を繋ぐものではあるが、「読者への挑戦」を受けて立つほどの慧眼はないので、これは天馬の推理を堪能するのみ。『鍵の国星』が現場から持ち去られた本当の理由が深い。
    ただ、今回はあまり犯人のことを描写している部分が少ないし、動機がかなり弱いような気がするけどな。

    続きがありそうな終わり方だけど、そのうち出るんですかね…?

  • 風ヶ丘図書館で起きた殺人。被害者は常連利用者の大学生・城峰恭助。閉館後に侵入したらしい彼は『人間臨終図巻』で撲殺されていた。死体の傍に遺された二つのダイイングメッセージが語る真実とは。裏染天馬シリーズ第四弾!

    憩いの場所であるはずの水族館に引き続き、今回は図書館を舞台にした殺人がテーマ。しかも凶器は本!傍らには血で綴られたダイイングメッセージ。生活の中にある「館」を舞台にした事件の謎をひたすらロジカルに証明していく裏染の推理には脱帽。現場が目の前に再現されるような解答編は爽快感すらある。メモを取りながら読み進んだけど、全然ダメだった。証拠から浮かび上がる行動を具体的に構築して再現するのって本当に難しいね。

    ダイイングメッセージというロマンあふれる厄介な手がかり。書いた被害者はこの世におらず、解釈は読み手によって変わる。科学捜査でも解明不能。最初は切り捨てた死者の伝言が、血液のように一周回って謎の心臓に戻ってくる終盤の演出はドキドキした。ここもあくまで論理的に解釈するのもブレない。

    また、被害者の従妹である有紗がヒロインとして良い味を出している。柚乃のいいライバルになるのでは?!すべての始まり『鍵の国星』を巡る謎が解けた時の苦さが味わい深い。今回は犯人の動機が弱いかなと感じたけど、ロジカルな推理のキレ味はいつも通りで楽しめた。天馬の過去も少しずつ紐解かれてきたので、次回作も楽しみにしたい。

  • 裏染探偵シリーズ3作目(4作目?)!
    今回も丁寧に容疑者やトリックをヒントを出しつつ読者に考えさせようとしてくれる。
    まあ全然今回もわからなかったけども笑

    登場人物のコミカル感がなー、仙堂警部、裏染くんに頼むくせに嫌々感がすごくて捜査情報は渡すけど協力的じゃない感じがあんまりかなー。
    袴田兄も社会人のくせに言動がコミカルすぎる。

    そして今回は動機が納得いかなかった…
    被害者を守りたいがために1人目を殴ったのに、それを見られたから被害者を…?え…?

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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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