- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488449032
感想・レビュー・書評
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「〜の殺意」シリーズ、なんで「空白?」と思いつつ…
高校野球にまつわる不祥事絡みの殺人事件。なんとなーくで犯人を想像できてしまう感はあるのだけど、すごく読みやすい!
でもこういう理由の殺人って、なかなか実際には起こしづらいよなぁと思ったり…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良いじゃないか、中町 信!
作者がイチ押しの自信作だけあって、うん、たしかに満足できた。甲子園を目指す学校同士の醜い思惑をバックボーンに、女子生徒の死、女教師の自殺、野球部監督の毒殺と立て続けに事件が起きる。
様々なエピソードを枝葉にして物語は進むが、なかなか容疑者が特定されず、容疑者らしき人物が浮かんでもアリバイの壁が立ちはだかり・・・。
まさに、正統派推理小説というべき作品だな。
推理小説の中には、クローズドサークル物、叙述トリック等々、いろいろ有るけれど、この作品は強いて挙げればアリバイ崩し?
でも、それだけじゃないんだよな。単なるアリバイ崩しだけだと、単調で面白くもない物語になりがちだけど、読者を欺くための?エピソードなんかが良い味を出してる。
容疑者と目されていた人物が、第四の死を遂げるに至って、いよいよ物語は「?」のオンパレード。
これまでの四つの死の犯人は誰なんだ?
動機は?
容疑者は2~3人居るけど、アリバイあるし・・・。
このあたりまで来ると、ページをめくる手が速くなった。名探偵が登場するわけでもなく、ラストで「全員を集めて犯人を名指し」なんて場面もないけど、うん、やっぱりこれは正統派推理小説だよなぁ・・・。
読み終わった後で、プロローグを読み返すと、ジワ~ッと湧き上がる衝撃。プロローグとエピローグを比較するだけでも一読の価値はあるなぁ。
一瞬で世界がひっくり返るようなパンチ力のある衝撃じゃなくて、こちらは、そうだなぁ、ジワジワと効いてくるボディブローのような衝撃だな。
いやぁ、最近、瞬殺の衝撃物ばかり読んでたので、この種類の衝撃は久々だった。
「し、死んでる・・・・・・」
プロローグとエピローグに書かれたこの一行の使い方、上手い!
作中、挿入されてるエピソードについての結末も書かれてると良かったんだけど、そのあたりが書かれてないのが若干の不満点かな。
☆4個
背表紙~
大仰ではなく、小粒ながら、心理的なだましのトリックをメインに据え、読者を最後の一ページまで引っぱって行く「皇帝のかぎ煙草入れ」のような作品を、私はおこがましくも、無性に書いてみたくなったのである。たまに読者から「自作の中で出来が良く、気に入っている作品は?」と問われることがあるが、私はためらわずに本作を筆頭に挙げている。中町 信
密室物やら叙述トリックにはない、まさに王道の推理小説。堪能しました。 -
サスペンスは都合が良い場面が出てくるのはしかたないんだけど、その流れの雰囲気があからさま過ぎると少しチープになってしまうので、難しいですよね。作家さんは大変だなぁ。
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最大の仕掛け(トリックとも違うのよ)がラストに来るので、そこまでは、端正なフーダニットなんて、少しらしくないかなと思いながら読んでいた。普通のミステリ読者なら、ここに絶対何かあるぞと考えるだろうディテールが、最後できれいに回収されるのが快感。作者さんのお気に入りだけのことはあります。
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高校野球殺人事件
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収録内容は以下の通り。
本編
あとがき
折原一: 曲者作家の異色作
登場人物たちの心理が巧みに描かれていて、その方向性に騙されてしまう。
カバーデザインは岩郷重力+WONDER WORKZ。、カバー写真はLOS 164。 -
3+
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作者の「~の殺意」4部作の3冊目ですが、非常に読みやすいミステリーシリーズなので一気に読了しました!
本作は高校野球と不祥事問題を絡めた連続殺人事件の謎を解明する内容になっており、ポイントはミステリー作品では良く登場するアリバイトリックものですね!さすがに叙述トリックの名手だと思います!
中町信の作品は、最初のプロローグが鍵になっている作品が多いような気がします!