- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488451042
感想・レビュー・書評
-
今時、探偵事務所もの?うーん、こりゃつまらんかもと思ったが、古文書の解読という紹介文の言葉につい惹かれて、図書館で借りてみた。この作者の「折れた竜骨」はとてもよかったが、「満願」にはいまいち感があった。さてこれは?面白かった、ぐいぐい惹かれて読んでしまった。失踪者に一体どんな謎があるのかと探っていく過程がよかった。古文書の存在と失踪者の結びつきは、ちょっとわざらしさがあるかなと思ったが、なるほど最後のどんでん返しにこうつながるわけねと納得した。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
'21年5月29日、読了。
面白かった!楽しんで、読みました。適度なユーモア(読了後、改めてタイトルに笑ってしまった!)、そして、この人らしい謎解き等…イッキに読んでしまいました。田舎町の、のどかな風景と、そこに蹲るようにして存在する、閉塞感に、ちょっとブレーキを踏みながら。
この作家さん、本当にハズレが無い!次は、どれを読もうかな…。 -
紺屋長一郎は元々東京で働く銀行員だった。堅実で安定した人生を順調に歩んでいる最中に、突如あるトラブルが発生。勤めていた銀行を辞め、地元に帰ることになってしまった。
とはいえ、いつまでもぶらぶらしていることも出来ない。彼は犬探しを専門とした『紺屋S&R(サーチ&レスキュー)』という会社を立ち上げる。犬探しは昔アルバイトで経験があったし、犬であればそれほど深刻な状況にもならないだろうと考えたからだ。
ところが、事務所を開設早々に訪れた老人の依頼は、犬ではなく愛する孫娘を見つけることだった。とまどいながらも引き受ける紺屋。
その翌日、今度は彼の高校時代の後輩である半田平吉が訪ねてくる。昔から探偵に異常な憧れがあった半田(通称ハンペー)を、歩合制を条件に雇うことにする。
そして、またまた舞い込む依頼。今度は古くから神社に保管されている古文書の由来を調べて欲しいという内容だった。
孫娘探しを紺屋が、古文書をハンペーが担当してそれぞれ別々に調査する。章ごとにそれぞれの調査の進捗状況が分かり、やがてこの2つが近づき繋がっていくのを感じる。早く早く!間に合わないよ!とわたしは思うが、彼らに伝える術は勿論なくて、最後のほうはスリル満点だ。
ちょっとおっとりした風情の紺屋、軽そうに見えて実はすごく頭がいいのかもしれないハンペー。少し気が強くてアクティブな紺谷の妹。それぞれのキャラクターがいい味を出している。
全体の雰囲気としてはコミカルなんだけど、内容はいたくシリアス。すごく読み応えのある面白い話だった。シリーズ化すればいいのに。
THE CITADEL OF THE WEAK
城塞の弱点
-
登場人物が良く描けていて皆に愛着が持てる。クライマックスの盛り上がりは一級品。最後に認識がひっくり返る快感を感じました。良作。
-
犬を探すつもりだったのに、なぜかしら失踪人捜索と古文書の解読をすることに。
そしてその2件が…。
読み易く面白かったです。最後も米澤穂信さんっぽくもありました。 -
2023.11.11読了
犬探しの探偵事務所のはずが、なぜか失踪者探しと古文書解読の2件の調査をやる羽目に‥
一見別々の案件に見えたのに、この2件が微妙にリンクし始める。
中盤以降、読むのがやめられなくなってしまったほど物語がぐんぐん進んでいきます。 -
米澤穂信のミステリー作品の駆け出しという印象。
新卒で銀行に入社して上京するも、体調不良を理由に退職して地元へ。
療養後に犬捜し専門の探偵事務所を開業するも、依頼は人捜しと古文書の読解。
平和そうなスタートから少しずつ不穏な空気になり、人捜しと古文書読解のそれぞれの依頼が絡み合っていくのは楽しかったが、絡みつきが強くなるのが終盤なので、個人的には古文書読解が少々退屈。
大きな盛り上がりは欠けるが少しゾワッとさせてくれた。 -
最後はゾクっと怖い。
探偵と相棒の二つの話がだんだんと交わってくる感じがいい。 -
残り半分くらいからは、あっという間に読み終わりました(笑)
このシリーズの続編はまだかな?