秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488451059

作品紹介・あらすじ

あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。-それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 小市民シリーズ3作目。纏めて購入していたが、前作から7ケ月以上空いてしまった。
    前作で小山内さんの犯した事件で、小鳩君との互恵関係は解消されたようだ。二人の付き合う相手が別々に早々とできてしまった。
    小鳩君は相手に気づかれないように推理力を発揮するが、満員のバスで次に空く席を推理するため10ページ以上使うという、何とも不思議な推理小説。確かに高校生達の事件なので、身近と言えばそうなのだが。
    小山内さんは交際相手を助けるため、何やら裏で暗躍。この行動を危惧する小鳩君は、徐々に連続放火事件の真相に迫って行く。下巻では二人のコンビも復活しそうな予感。

  • うー、中々常吾朗が活躍しない!

    シリーズファンは良い意味で
    フラストレーションが溜まっているはず!

    否応なしに下巻に期待だね!

  • 春期限定を読んで夏期限定を読まずに、この秋期限定を読んだので、小鳩くんと小佐内さんが互恵関係を解消してしまって、個々に高校生活を送っているのでびっくりしてしまった。夏期限定を読まないとね。
    話のほうは、小鳩くんがクラスの女の子から「つきあおっか」と言われて、楽しい恋人生活を送る小鳩くんの視点と、市内の放火事件を追う新聞部の瓜野の視点の2つで進んでいく。瓜野は図書館で唐突に小佐内さんに告白して、意外なことにつき合うことになってしまう。うーん、大人しそうに見えて小佐内さんはとんでもない子だからねえ、大丈夫かなとはらはらしてしまう。小鳩くんの方も次々と先を読んでしまう習性を隠しきれるのか、いやそんなんでいいのか、相手の仲丸さんが何でも受け入れてくれる女の子だといいんだけどなあとこっちもはらはらする。さて、放火事件の法則性を発見した瓜野のコラムは校内でちょっと話題になり、瓜野は放火犯の追及にのめり込んでいく。大丈夫かなあ、そのうち痛い目に会うんじゃないかと心配になって上巻は終了。

  • 小市民シリーズ第3弾。
    前回から互恵関係を解消した常悟朗と小佐内のその後が描かれている。今回は常悟朗のデートパートと新聞部の瓜野の放火魔を追跡するパートが交互に描かれている。上巻だけでここまで引き込まれてしまい、この感想を書いている間も後編を読みたくてうずうずしています(笑)。デートパートでは常悟朗と十希子の新しい日常でを歩みつつあり、瓜野パートは小佐内と恋人となりつつも、放火事件の犯人を追うという物が交互に来るので飽きずに読むことができた。
    瓜野が放火の真相に近づくにつれ記事がエスカレートしていき、小佐内が瓜野から離れていていく所がとても切なかった。やっぱり常悟朗のことが忘れられないのかなと思いました。常悟朗も十希子と付き合いながら小市民を目指そうとするも推理という呪縛からは逃れられていないという印象であった。そして、ミステリーとしてはその2つのストーリーが重なる瞬間が出てきてこれからどうなるかが楽しみです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    小鳩常悟朗:福山潤
    小佐内ゆき:黒沢ともよ
    堂島健吾:日野聡
    瓜野高彦:斉藤壮馬
    門地穣治:河西健吾
    五日市公也:広瀬裕也
    岸完太:仲村宗悟
    氷谷優人:内田雄馬
    仲丸十希子:種田梨沙

  • 2020/07/21読了
    #このミス作品36冊目①

    学園ものミステリ。
    "満願""王とサーカス"を読んだが
    全くテイストが違って驚いた。
    ポップなストーリー展開ながら
    小さなミステリ要素が散らばって面白い。
    下巻が楽しみ。

    シリーズ第3弾とのことで
    読み終わったら第1弾から読みたい。

  • 色々なところに謎…伏線…が散らばっている感じ
    下巻でどのように集約されるかとても楽しみ

    米澤さんの作品は結構読んできたが、季節限定シリーズは手を出したことがなかった。
    学園ミステリーということで、テイストが『氷菓』に似てる?ころころと視点が変わるので、登場人物達の見方に振り回されてしまいそうになる。
    そこも楽しむ醍醐味といったところだろうな〜

  • 前作を読み終えて約一年。やっと、この本を読むことができた。(これは全く余談だが…マーケットプレイスで希望の値段になるのを待っていました(^_^;)古本とは思えない状態の良さに大満足。)
    自称小市民達の互恵関係を夏の終わりに解消して2学期が始まり、それぞれの人生を歩み出した。と思いきや、なんだか色々繋がっていそうな気配。これから下巻でその謎解きが読めるかと思うと楽しみで夜も眠れそうにない。相変わらず小市民になりきれない自称小市民の二人が可愛くて怖い(笑)一冊。
    さて、下巻を読もうか…。

  • 夏にアニメ化される「小市民」シリーズの3作目。本作はシリーズの主役である小鳩くんと、一学年下の瓜野くんの視点で描かれる。

    連続放火事件を追っていくプロットや、日常の会話は面白かった。

    ただ、高校生ってこんなにもあっさりと付き合ったりするものなのか(キャラクター的に即決しそうなのは分からなくはないけども)とか、瓜野くんが語る際に、年上である小山内さんを「小山内」と呼び捨てにするのがどうも気になってしまった。あと小山内さんの登場シーンがあまり多くないのが残念。裏でこそこそ動いてはいそうだけども。

    とは言え、読み終えてみると下巻が早く読みたくなる展開に。続きに期待。

  • 『小市民』シリーズ第3巻。女性版半沢直樹こと、小佐内 ゆきの『やられたらやり返す』という策略はまだ明らかになりません❗

    前半の高校生らしいほのぼのとした明るい男女交際とは打って変わって、後半の何やら不穏な雰囲気は、ミステリーというよりも少しホラーチックな感じさえします❗

    好きな話しは、『第二章 あたたかな冬』です♫謎解きは、誰が何処のバス停で降りるか?ぐらいのライトミステリーの方が個人的には好きなのですが、ちょっと『小市民』シリーズが、癖になってきている自分がいます❗

  • 小山内さんと距離を置いた小鳩君に、彼女が出来た。
    そして小山内さんも、年下の男子から交際を申し込まれたらしい。
    絵に描いたような、高校生の男女交際イベント。
    けれど2人の住む町では、連続放火事件が。
    ついつい、また謎解きで頭がいっぱいになりがちな小鳩君。
    そして、間違いなく、既に何かに気付いてしまっている小山内さん…


    『夏』からのこの展開。
    ふたりとも『一見平凡な高校生』ともなれば、イケメンや美少女ではなくても、こういうことは起こるのだった。
    それどころか、相手がイケメンすぎたり美少女すぎたりすると気後れするようなタイプの高校生からは、隠しきれないふたりの何かが、スパイスのように謎めいて魅力的にうつるのだろう。

    読んだのに登録し忘れたシリーズ、ようやく『秋』まできた。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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