- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488452117
作品紹介・あらすじ
福岡市内の高校に通う私は不思議な事件に遭遇する。天神に向かうローカル電車で奇妙な婦人に出会ったり、学園祭の舞台本番直前にシンデレラの衣装が消えてしまったり。事件が起こるたびに解決の糸口を示してくれるのは、知り合いの大学院生、飛木さんだった。解くことが叶わなかった問題も、真相に辿り着けなかった謎も全て覚えておこう。いつの日か扉を開ける鍵が手に入ると信じて。透明感あふれる青春ミステリ。
感想・レビュー・書評
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福岡を舞台にした日常系青春ミステリー。
作者さんの思い出を反映させているそうで、
ちらほら実話もあるそうです。
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すごく好きな青春ミステリで
この方の他も読みたかったけどなくて
でもついに続きがでますね!
嬉しい -
高校生らしい日常に起こった毒の無い事件。インパクトに欠けると言えばそうですが、自分の高校時代を思い出して、ほのぼのと読み進めました。成長していく彼らを見守りたく思う作品。
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みずみずしく整った文章だが、若干回りくどく、やや説明のテンポが悪い。読んだ印象としてはどうにも散漫で印象に残る描写は少なかった。ストーリーは青春ミステリではあるのだが、謎はいまいちどれも魅力に欠けており、謎を解くというよりは嘘を暴く物語である。登場人物は皆善意で行動し、その行動のために小さな嘘をつきルールを破るというのがおおまかな構成になっているわけだが、そのついた嘘を暴くというのはどうにも後味の悪さがある。たとえ善行でも、友人を騙している以上、水臭いという気持ちのほうが先に立ってしまった。青春ミステリに苦い結末はお約束だが、いい話なのに嘘をつかれていたという、違った意味での苦さを感じる作品である。語り部の少女が、事件や犯人の対しての距離が妙に近すぎるのが原因なのだろうか。探偵役は大学院生だが、こちらは逆に舞台や事件との距離が離れすぎていて、絡む必然性がいまいち薄かったのも残念。探偵役と語り部の事件に対する距離感やそのアンバランスさが目についた作品だったが、次作以降この関係性や距離感を逆手に取ればもっと面白くなるかもしれない。あと気になった点としては、たとえ友人であろうとも、小学校の生徒と話す時は友人のことをちゃんと「先生」と呼ぶべきだと思う。配慮のある人物のように描かれていたのがここだけ凄く不自然に映ってしまった。まあそれも女子高生の主観といえばそれまでの話だが……。
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平凡な女子高生の日常に出現する小さな謎をいとも簡単に解き明かす知性豊かな大学院生。
情景描写が過剰な気がしますが、ライトな作品にもかかわらず文学的な要素を入れようとする姿勢は評価したい。
学校新聞に掲載される問題が適度なスパイスになっているので、1位に選ばれた投稿内容にもう少し捻りがあればなお良し。 -
主人公の吉野は高校二年生だけれど、親友の朝名の彼氏で小学校教諭の上原や、その友人で探偵役の大学院生の飛木の存在もあって、高校だけに留まらない広がりを感じた。山村暮鳥の「りんご」を悲しく取るか嬉しく取るかの話が印象的。色の描写が華やかで、光源によって色が変化するお揃いのビーズの髪飾りも綺麗だった。
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福岡が舞台だから、知ってる場所がいろいろと出てきて楽しかった。
作者の名前もミスリードなのね、読み終わって気がついた。