僕の探偵 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 108
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488455118

作品紹介・あらすじ

宗介とは半年前、街で偶然再会を果たした。学生時代の友人で、ひとから見下されるような仕事をしている僕と違って、将来を嘱望された秀才だ。その彼が、大手コンサルタントを辞めて、行くあてもないと言う。仕方なく一晩だけ泊めるつもりが、その後も居着いてしまって、今ではうちの居候に。そうして普段は一日ヨガの修行をして過ごす彼が、ひとたび仕事で遭遇した事件を持ち帰ると、瞬く間に解決していく探偵へ姿を変えるのだ。だけど、僕は知っている。宗介自身が誰より深い悩みを抱えていることを……。暗い過去を持つふたりの青年が、五つの事件を通して経験していく出会いと別れ。(『素人がいっぱい』を文庫化にあたって改題)

感想・レビュー・書評

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    僕と宗介は半年前、街で偶然再会した。学生時代からの友人は、仕事を辞めて行くあてもないらしい。仕方なく一晩だけ泊めてやるつもりだったのが、今ではすっかり居着いてしまっている。そんな彼は、僕の周辺で起きた事件を素人探偵となって次々と解決していくのだが…。それぞれ暗い過去を持つ青年、勇吾と宗介。彼らに訪れる出会いと別れを描き、爽やかな余韻を残す連作短編集。
    +++

    主人公の家に居候する友人が、話を聞いて事件を解決する、ある意味安楽椅子探偵物語なのだが、そう単純なものでもない。この探偵、普段はヨガの修行とやらでとんでもない恰好をしていたりするのだが、ときにものすごくアクティブだったりするので驚かされる。主人公の僕・勇吾は素人の女の子が売りのデリヘルの雇われ店長で、女の子たちやお客たちがらみで、あれこれ問題が起きると、居候の宗介に話をし、何となくアドバイスをもらったり、言うとおりにしてみると解決してしまったりするのである。宗介自身も、抱えきれない屈託を隠し持っていて、それがとんでもない展開になったりもする。それでもなんだかんだ言って、後味は爽やかで、青春物語のような読み心地でもあるのが不思議である。ドロドロしたものを爽やかに解決してくれる一冊かもしれない。

  • デリヘルの雇われ店長石川勇吾は大学時代の友人大伴宗介と半年前に再会し、住む所がないというので一晩だけのつもりで連れて帰って半年いつかれている。勇吾の店に面接にきた女の子の名前が、2日後殺人事件のニュースに流れたー【死者に名を】他4篇

    ◆謎とき、なんていうにはちょっとヘビー。なのにアッサリ解決(笑)坂木司の「先生と僕」のヘビー版

    事務所に雨宿りにきて男たちに連れ去られた男は?【雨宿り】◆店にいる女の子は家出した娘だという男との対峙【女王様のクリスマスプレゼント】◆常連客に頼まれ郵便物を投函したら誘拐犯に疑われた勇吾【恋は紫色】◆宗介の妻を事故死させた加害者が東京にくるという、その時宗介はー【生者に花を】

  • 【収録作品】死者に名を/雨宿り/女王様のクリスマスプレゼント/恋は紫色/生者に花を 

  • 電車で読みはじめて冒頭でギョっとした。デリヘルの店長が主人公、その居候が探偵役。ある意味お仕事もの。いろいろ出てくるヨガのポーズを想像するのが楽しい。

  • 主人公がデリヘルの店長で、探偵役が居候の同居人……という、二人の連作短編集でした。
    どの話もオチが楽しめました。そういうことか……

  • おもしろかった。解説でも書かれているけど常識人の主人公と破天荒な友人の同居生活が『まほろ駅前シリーズ』っぽい。ストーリーは別物

  • 一風変わった職業の主人公と居候の探偵役。
    探偵役には、いわくありの過去がありって話。

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著者プロフィール

しんの・たけし。1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。旅行会社勤務を経て、99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞。直木賞候補となった『あぽやん』は、その続編『恋する空港 あぽやん2』とともに、テレビドラマ化され話題に。同シリーズは『あぽわずらい あぽやん3』で完結。著書は他に、『中野トリップスター』『カクメイ』など。

「2022年 『明日はきっと お仕事小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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