グラン・ギニョール城 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488456023

感想・レビュー・書評

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  • 推理小説のサブジャンルに〈本格〉というものがあるらしくて、その本格推理小説の一冊。メタだ本格だルールはこうだ、ってのは書く側からすると楽しいんだろうなと思うけど、読む側がそれを求めてるかは別問題。求めてる読者にすれば、これはとても良い作品なんだろうね。

  • 2018年3月14日読了。
    2018年61冊目。

  • このミスベスト10、2003年版9位。久しぶりに軽い小説で1週間ぐらいで読み終えた。これぐらいのがお手軽で良い。メタ・ミステリーってのか推理小説の中の話と現実が入り混じるやつ。凝った作りだけど、軽妙なユーモアがいい感じでサクサク進んで楽しめた。ただし、最後は凝りすぎてて理解不能に陥った。同じようなテーマ、構成のやつで人狼城の恐怖ってのがあってあっちの方が完成度が高かったけど、なんせ、世界一長い小説だし、おどろおどろしいし、読むのしんどかった。娯楽小説は読みやすい方が好き。

  • 「以上。読者が謎解きに挑まれる際の参考にでもなれば幸いである。よろしく探偵小説という地上最大のゲームに参加され、ありそうにもないことをしごく当然とする世界を満喫されんことを。」面白い!

  • 久々にミステリーを読みました。面白かった!
    この著者のほかの本も読み応えがありそう。

  • 2011、1月読了

    森江春策というシリーズを通しての探偵が登場します、大阪在住の刑事専門弁護士で、会話はもちろん関西弁、どちらといえばイケてない系、ただしその推理は理論的かつ鋭く真相に迫ります。このキャラは個人的に好むところで、初めての出会いは『十三番目の陪審員』という、現在の裁判員制度を予見して描かれており、その法廷シーンにおいて森江氏の弁舌、それによって明らかになっていく真相…と緊張感溢れる筆致に、これはもっと読まなくては!と思い今作になったわけです。

    2003年度『このミス』ランキング9位に入っている作品です、さらに2010年度にも10位に同じ森江春策主人公の『奇想宮殺人事件』がランキングされています。

    この作家さんの作品傾向として、古今東西ミステリへのオマージュそれゆえ作品世界の相似、有名キャラの二次的流用など比較的顕著に見られると思います(もちろんヒネリが加味されてるのは当然です)

    主人公森江春策が偶然出会った怪死事件、その真相に深く関わる幻の未完のミステリ「グランギニョール城」それを読み進めていくうちに虚構と現実が入り混じって…と序盤はメタ構造の様相を呈しています。

    グランギニョールとはフランスは20世紀初頭のパリに実在した劇場の名前で、その演目はホラー要素とスプラッタ演出に溢れた怪奇譚、失神者が続出し、その数によって演目の優劣が決まったというそうです。形容詞化されて日本語的にいうなら「おどろおどろしい」が適当ではないでしょうか?

    メタ構造の序盤がいつのまにか虚構と現実が融合してしまう驚きの展開でした!まず、この構成のアイディアは凄いと思います。そこから全ての謎が明らかになっていくわけですが、このあたりはややバカミス的で万人受けするかどうかは微妙に思います。それでも最後の最後にバカミスと思いながらもニヤついてしまうオチがついていて、こういう演出というか味わいは好きなほうなので、個人的には楽しめた作品でした。

    文庫化にあたり、作中作「グランギニョール城」の探偵レジナルド・ナイジェルソープが登場する短編が巻末に収められています。以降彼ナイジェルソープも芦辺氏の作品のレギュラーメンバーとなったようです。

    実在したグランギニョール劇場の演目を見てみたいなぁ~

  • 非常に魅力的な技巧が凝らされていて楽しめたが、推理自体にはさほどそそられなかった。

  • 刑事事件専門の弁護士、森江春策は関空から大阪へ向かう南海電鉄の特急の車内で、一人の男の中毒死事件と遭遇する。男が息絶える間際に放った言葉と、彼が持っていた一冊の古雑誌に掲載された小説『グラン・ギニョール城』。二つを手がかりに独自に真相を追う森江だったが、いつしか小説の世界が彼の現実世界を侵食してゆく・・・。

    なんだか最後の一文だけだとサイコホラーみたいですが、内容は立派な本格ミステリー小説。
    特に、物語の鍵である『虚構と現実の混合』のポイントとなる“ある一点”に辿り着いた時は非常にドキッとしました。話は正にそこから急展開を見せます。

    古きよき黄金期のミステリー小説への作者氏の深い愛情と、この作品が世に出た頃に流行り始めたメタフィクション系の小説への作者氏なりの解釈(決して『否定』ではないのが、個人的には嬉しいです)、温故知新的でありながら不易流行的でもある大変な意欲作。

    ラストのオチが個人的に弱かったかな…と思われたのが残念。でも面白かったです。

  • 海外古典作品が好きな人は、より楽しめるだろう。

  • 森江春策シリーズ

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著者プロフィール

一九五八年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。
一九八六年、「異類五種」が第2回幻想文学新人賞に佳作入選。
一九九〇年、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞受賞。
代表的探偵「森江春策」シリーズを中心に、その作風はSF、歴史、法廷もの、冒険、幻想、パスティーシュなど非常に多岐にわたる。主な作品に『十三番目の陪審員』、『グラン・ギニョール城』、『紅楼夢の殺人』、『綺想宮殺人事件』など多数。近著に『大鞠家殺人事件』(第75回日本推理作家協会賞・長編および連作短編集部門、ならびに第22回本格ミステリ大賞・小説部門受賞)。

「2022年 『森江春策の災難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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