探偵は今夜も憂鬱 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 299
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488459031

感想・レビュー・書評

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  • 柚木草平シリーズ第三弾。

    今作では、前二作で全体を覆っていた
    「ユーモラスな空気」がだいぶ薄まり、
    なかなかにハードボイルドな印象。
    ちょっと恰好いいが、ちょっと普通になったか(^ ^;

    全三話を収めた短編集で、当然のことながら
    それぞれに「訳ありの美女」が登場する。
    草平がいちいち一目惚れするのもお約束(^ ^

    相変わらず会話のテンポは軽快で読みやすい。
    以前に書いた「読点の打ち方が趣味に合わん」のも
    だいぶ改善(と言うのか分からんが)されていて、
    ずいぶん読みやすくなった印象(偉そうですが(^ ^;)

    本当は、もうちっと一作目のようにドタバタした方が、
    「女に弱いハードボイルド」のセリフの
    「当人も自覚してるばかばかしさ」が生きるのでは...
    というのは正直な私の感想ですが(^ ^;

  • 皮肉屋で女にだらしなくて金欠で妻と別居中と結構なダメ人間ではあるものの、そのキャラクターや語り口は相変わらず魅力的。

    事件はそこまで意外性のあるものではないけど、話作りは秀逸。

  • やたら惚れっぽい元刑事のフリーライターが探偵役を務める、軽い語り口のハードボイルド。語り口に誤魔化されそうになるが、事件そのものは案外と重い。とはいえ、軽やかでユーモラスな口調が魅力なのは間違いのないところ。しかし、その彼の振るまいが時折無神経で癇にさわる感じになってしまっているのは、短い間に風俗が大きく変化したことの証しのような気がする。

  • なよっとしたハードボイルド。
    そいつは魅かれますわな。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    美女に振りまわされつつ、事件調査も生活の糧にしているフリーライターの柚木草平。エステ・クラブの美人オーナーからは義妹に関する調査、芸能プロダクションの社長からは失踪した女優の捜索、雑貨店の美人オーナーからは死んだはずの夫から送られてきた手紙の調査の依頼が舞い込むが…。柚木を憂鬱に、そしてやる気にさせる美女からの三つの依頼。私立探偵シリーズ第三弾。

  • あまり渋みのないハードボイルド。中編が3本収録されていて、どれも面白かった。
    金がなく、オシャレでもないが、何故か美人とよく出会って、よくモテるという、まぁハードボイルドの王道といえば王道な小説。でもノリが軽い。
    正統派ハードボイルドを求める人には向かないが、これはこれでアリだろう。

  • シリーズ3弾。相変わらずトレンディでしたわー。美女に弱くてダメなやつだけど憎めない感じがもうトレンディ。そして携帯電話がない時代ってやはり面白い。

  • 柚木草平シリーズ。
    懲りずに女に惚れて,鬱な結末の中編3篇。
    もともと引き出しの少なめな作者なので,どの話もありきたりではあるが,雰囲気のかっこよさは異常。
    「孤独なんて糖尿病と同じで,自分のそういう体質として我慢するより方法はないのだ。孤独さえ我慢できれば人は人生の無意味さも,死ぬまで我慢できる」とか,格好良すぎるでしょ。

  • 柚木草平シリーズ、3作目。3編の中編集。

    依頼の最初は気乗りしないが、美女と金が絡みだすと結局捜査に乗り出す草平さん。シリーズを一作目から続けざまに読んできて、更に今回は中編集。さすがにちょっと飽きてきて、途中眠たくなってしまった。まぁ、このシリーズの醍醐味でもあるので、仕方ないけど、相手が美女ばかりだからかな。色々タイプがあるとは言っても、何だかみんな同じように見えてきた。でも、いい加減な言葉ばかり吐いてそうで、やる時はちゃんとやる草平さんが好きです。ちょっと時間を置いたら、こんなキザなセリフも恋しくなっちゃってまた読みたくなっちゃうんだろうな。

  • 柚木草平 第三弾

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著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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