百万のマルコ (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.28
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  • (20)
  • (4)
本棚登録 : 415
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488463045

作品紹介・あらすじ

黄金が溢れる島ジパングで、大冒険の末、黄金を捨てることで莫大な黄金を手に入れた-。囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢。新入り囚人"百万のマルコ"ことマルコ・ポーロは、彼らに不思議な物語を語りはじめる。いつも肝心なところが不可解なまま終わってしまう彼の物語。囚人たちは知恵を絞って真相を推理するのだが…。多彩な謎が詰まった、文庫オリジナル連作集。

感想・レビュー・書評

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  • ホラ吹きマルコとゆかいな仲間たち。笑


    退屈に蝕まれる牢の囚人たち。そこに新たにやってきた囚人は、世界の果てを旅したというマルコポーロ。彼は、自分の冒険譚を、他の囚人たちに語る(騙る?)のだが、その話には必ず一つ謎が残されていた。
    囚人たちはその謎を解き明かそうと躍起になり、そうして退屈という牢獄をその時ばかりは抜け出すことができた・・・。

    短篇集ですが、◯分間ミステリーみたいな感じ。全編牢屋の日常⇨マルコの語り⇨クイズ⇨牢屋で話し合い⇨マルコの解答⇨オチという流れ。だもんで、気が急くと「牢屋で話し合い」をすっ飛ばしたくなります(笑)

    楽しくどんどん読み進められますが、小説を読んでいるというよりは、クイズ本を読んでいる気分でした。マルコ含め、囚人たちのキャラがいいですね。

  • 文庫本の表紙の地球儀とタイトル。「マルコは、俺たちをここから連れ出してくれる。」というように、ここから連れ出してくれる。

  • イマイチで、中断終了

  •  ジェノヴァの牢屋の中で、囚人たちの退屈を紛らわせているのは、百万(ホラふき)のマルコことマルコ・ポーロが若い頃に大ハーンに仕えていた時の不思議な冒険譚。

     黄金を自国のものと交換したり持ち帰ることのできないジパングから、どうやって黄金を持ち帰ったのか、など13のミステリー短編が収められている。謎解きというよりも頓智というか、人間の心理的な盲点をついた”頭の体操”的な話が多い。そういう意味では、同じ作者の『D機関』シリーズにも通じるものがあるが、本書はもっとライトな雰囲気で楽しめる。

     米澤穂信氏がテレビ番組で推薦していた作品だが、変化球好きの米澤氏がいかにも好きそうな話がたくさん詰まっていた。

  • アイザックアシモフのユニオン・クラブ綺談に似た雰囲気の短編ミステリ。ジェノヴァで戦争捕虜として捉えられている,船乗り,仕立て屋,僧侶,貴族という四人の若者に,百万のマルコと呼ばれているマルコ・ポーロが,牢の中での退屈を紛らわせる不思議な話をするという設定になっている。13本の短編からなるが,謎の質は,いわゆる日常の謎系のミステリというよりもっとシンプルであり,なぞなぞやとんちというレベル。ジパングから,一人では収集しきれないほどの金をどうやって収集したのかという謎(第1話:百万のマルコ)などの,たわいのない話が続く。しかし,設定が面白く,キャラクターの造形がうまいので,たわいのない謎ではあったが,楽しく読むことができた。一番面白かった作品は,片膝と片手を床につき,神戸を垂れた姿勢で跪拝せよという指令と,そのような卑屈な態度を取ればその首を打ち落とすという使者の言葉の両方を満たす機転を見せた第6話:半分の半分だった。
    面白い…!というほどではないが,小粒ながらそこそこ満足できるデキの作品。★3つで。

  • 何も考えずただほうほうと読んでしまった。頭の体操なのね。

  • この作者の醸し出す雰囲気はとても好きなんだけれど、本作はどうなんだろう、という感じだ。設定は面白いのだけれど、構成が余りにもオールドファッションで、今イチ感をぬぐえない。
    それと、謎解きがかなり知られているものを焼き直したような感じで、おっ、と思わせるようなものがなかったのも残念。

  • 他の方のレビューを読んで、腑に落ちた。
    とんち話なんですね。
    しっくりきました。

    マルコの語りが始まり、
    中途半端なところで、
    めでたしめでたし、
    それに対して、
    つっこみが入る。
    それが連作のなかで繰り返される。
    この形式が、
    なんともいえない間合い(行間?)となって、
    面白かった。

  • ミステリーというよりは、頭の体操ですね。
    13編収録されていますが、面白いものもあれば、「それはちょっと・・・」というものもあります。同じような展開で、同じような話が続きますので、退屈される方もいるかもしれませんが、私は結構楽しんで読みました。
    重たいものを読んだ後に、ちょっと、というのに格好の読み物だと思います。

  • ミステリー短編集。
    退屈な牢の中で《百万のマルコ》ことマルコ・ポーロのが語る不思議な話。その話はいつも肝心な部分が省かれ、同じ牢にいる若者たちがあれやこれやと推理する。
    読み始めた頃は同じ調子で始まる話にちょっとかったるいかも?と思ってたんですが、いつの間にか私も話の中の囚人たちのようにマルコの語る荒唐無稽な話を楽しんでました。

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著者プロフィール

1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。他著に「ジョーカー・ゲーム」シリーズの『ダブル・ジョーカー』『パラダイス・ロスト』『ラスト・ワルツ』や、『新世界』『トーキョー・プリズン』など。

「2018年 『漱石先生の事件簿 猫の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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