アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 33692
レビュー : 3146
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488464011

作品紹介・あらすじ

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は-たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 人間は死んでも生まれ変わるだけだから、悲しくはない。
    でも、大切な人たちに置いていかれたら、ひとりぼっちになってしまったら、やっぱり悲しいよ。
    必ずいつか来る人を待つよりも、会いにいけるのがいつになるか分からず取り残される方が寂しいんだと思う。
    二年前から立ち止まったままの彼の時間軸に風穴を開けたのは、彼らの物語に何の関係もなかった椎名。動き出した時間は、他人から見たら決して良い方向へ転がりだしたのではなかったけれど、でもひとりぼっちの彼にはやっと訪れた救いになったんだと思う。

  • 映画のアヒルと鴨のコインロッカーを見た

    最初原作を読んだ時には
    ただただ後味が悪くて
    あまり好きではなかったし
    ふーん、くらいでしか、
    思わなかった

    それを好き好んで読むなんて
    それは映画のおかげだ

    冒頭で流れる「ディランの風に吹かれて」
    そして口ずさむ「ぼく」

    そして、「一緒に本屋を襲わないか?」

    ――おかげで
    ボブディランのベストも買ってしまうし
    なんてミーハーな、と思わず自分を笑ってしまう

    映画の雰囲気が、
    とても飄々としていて
    風みたいで
    不思議と
    爽快だった

    そうして読み返すと
    いつものことだけど
    なんて緻密な、と思う

    淡々とした雰囲気が
    あまり好きではなかったんだな
    と思ったし
    淡々としてないと
    後味が悪いくらいじゃすまなかったかもしれない
    と思ったし
    これは、伊坂氏なりの
    心の繊細な人が
    傷つかないようにした
    一つの優しさで、配慮だったのかもしれないと
    思ったりする

    どうしてか
    伊坂氏の小説を読むと
    人が好きになる

    人間という生き物が
    愛しくなってしまう

    そしてどうしてか
    泣きたくなってしまうのだ

    • まことさん
      私は詩や音楽のことはよく知らないのですが、
      ボブディランが受賞されたときに、真っ先にこの作品のイントロを思い出しました。
      映画も観ればよ...
      私は詩や音楽のことはよく知らないのですが、
      ボブディランが受賞されたときに、真っ先にこの作品のイントロを思い出しました。
      映画も観ればよかったかな。
      2018/10/07
    • 大野弘紀さん
      まことさん

      コメントありがとうございます。
      映画を見ると、たびたび流れる風に吹かれてと相まって、なんだか不思議と、歌と物語がセットに...
      まことさん

      コメントありがとうございます。
      映画を見ると、たびたび流れる風に吹かれてと相まって、なんだか不思議と、歌と物語がセットになって入ってきやすくなると思います。

      私は映画を見てから改めて小説を読んだら、冒頭で風に吹かれてが頭の中で流れました。それだけで、作品の楽しみ方が深まった気がします。
      2018/10/07
    • じゅさん
      コメントありがとうございます^_^
      映画、ぜひ観てみたいと思いました!
      コメントありがとうございます^_^
      映画、ぜひ観てみたいと思いました!
      2019/01/19
  • どのワードも何かありそうで
    全て伏線か?と疑いながら読んでました。

    後半は現在と過去が重なってきて
    早く続きが読みたいけど
    この言葉がどこに繋がるのか
    しっかりじっくり読み込みたい
    という2つの思いに挟まれながら読んでいたので
    気持ちは焦るがなかなか進まないという状態。

    これは…という言葉があれば
    ページを遡ってここに繋がるのかと納得し
    いろいろと話が明らかになってきたら
    では現在の河崎が何をやっているのかと推理し
    とにかくいい意味で疲れる小説でした。

    でもそれだけ楽しめたということかなと。

  • 伊坂幸太郎さんの「ガソリン生活」を読んで「かわいらしい表現をする方だなぁ」とファンになり別の作品をと手にとった作品でした。

    題名から「コインロッカーはアヒルと鴨の胃袋を表しているのかなぁ」と考えながら読んでいました。読み終えるとあら不思議。「コインロッカーがアヒルと鴨を包み込んでくれるような感覚」になっていました。

    内容はミステリーで私の中では映画「セブン」を思い出す内容でした。この「セブン」の後味の悪さを伊坂節でお洗濯して日向に干してくれてる感覚です。伊坂さんありがとう。

    参考文献として「日本人の源流 ヒマラヤ南麓の人々」と書いてあったので次の読書への道しるべやお気に入りのラーメン屋さんのルーツを感じられたりと前進できる読書体験となりました。

  • 独特の世界観。

    登場人物のやりとりにニヤッとしてしまうのは伊坂作品あるある。

  • 伏線回収見事だけど、それ以上に物語全体に漂う雰囲気がなんか好き

  • 切ないの一言。人を想う物語でした。人は生まれ変わるなら、この人生に大きく傾倒する必要はないのかもしれない。それでも、だからといって、軽く見ていいものではないのだろう。その考え方は心の支えにするだけなのだろう。人の宗教観や考え方はそんなもので、やっぱり、自分が感じる理不尽に憤ってしまう。そんな物語。かな。
    久々に伊坂さんの作品を読んだけれど、おしゃれー。会話おしゃれー。行動おしゃれー。最高ですよ、
    神様を閉じ込めるところなんて、全身を包み込む心地よさに溺れてしまった。それと、それが話に重要な鍵であるかどうかは無関係に、タイトルを作品内で関連させるのは好き。無意識に感嘆の息をついてしまう。
    ミステリーというわけではないけれど、終盤には驚く展開も待っていて、退屈という文字が読者の辞書から消える。楽しいというよりは、良い小説でした。

  • 初めて手に取った伊坂幸太郎さんの作品でした。
    普通の生活を送ろうとしていた主人公に次々と起こる事件が過去を交えながらその真相が明らかになっていく、読んでいると騙されたと思ったりする場面も沢山あります。
    面白かったです。他の伊坂さんの作品も手に取りたいと思いました。

    • 大野弘紀さん
      この作品、面白いですよね。なんか騙されたというか、やられたな、という感じが爽快で。ラッシュライフという作品も、面白いですよ。
      この作品、面白いですよね。なんか騙されたというか、やられたな、という感じが爽快で。ラッシュライフという作品も、面白いですよ。
      2019/02/16
    • 赤木慎太朗さん
      ラッシュライフ今度読んでみます!
      コメントありがとうございます^ ^
      ラッシュライフ今度読んでみます!
      コメントありがとうございます^ ^
      2019/02/16
  • 河崎とドルジと琴美のストーリーでの絡み具合がとても面白い。こいんろっかーがいつ出てくるのだろうと思いながら、最後まで読んでとてもスッキリしました。

  • 後半鳥肌が止まらなかった、もう一度読み返したくなる
    シャーロンの猫の話
    動物園でのレッサーパンダの話
    伊坂さんはいつも伏線をきれいに回収していく

    「人というものは、行動すべき時に限って、億劫がるのかもしれない。」
    「人というものは、慎重にことを運ぶべき時に限って、行動を急いでしまうのかもしれない」
    この対照的な台詞がとても印象に残っている

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。
2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。
上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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