アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488464011

感想・レビュー・書評

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  • 再読。現在の椎名に起こる不可解な事柄と2年前の出来事が徐々にリンクしていく。10年以上前に読んだ作品でしたが、やっぱり面白いです。伏線とその回収が気持ちがいいです。まさか、叔母さんがあの作品のあの人だったとは、今回気づきました。伊坂さんの作品はこういうサプライズがあるから嬉しい。

  • 映画のアヒルと鴨のコインロッカーを見た

    最初原作を読んだ時には
    ただただ後味が悪くて
    あまり好きではなかったし
    ふーん、くらいでしか、
    思わなかった

    それを好き好んで読むなんて
    それは映画のおかげだ

    冒頭で流れる「ディランの風に吹かれて」
    そして口ずさむ「ぼく」

    そして、「一緒に本屋を襲わないか?」

    ――おかげで
    ボブディランのベストも買ってしまうし
    なんてミーハーな、と思わず自分を笑ってしまう

    映画の雰囲気が、
    とても飄々としていて
    風みたいで
    不思議と
    爽快だった

    そうして読み返すと
    いつものことだけど
    なんて緻密な、と思う

    淡々とした雰囲気が
    あまり好きではなかったんだな
    と思ったし
    淡々としてないと
    後味が悪いくらいじゃすまなかったかもしれない
    と思ったし
    これは、伊坂氏なりの
    心の繊細な人が
    傷つかないようにした
    一つの優しさで、配慮だったのかもしれないと
    思ったりする

    どうしてか
    伊坂氏の小説を読むと
    人が好きになる

    人間という生き物が
    愛しくなってしまう

    そしてどうしてか
    泣きたくなってしまうのだ

    • まことさん
      私は詩や音楽のことはよく知らないのですが、
      ボブディランが受賞されたときに、真っ先にこの作品のイントロを思い出しました。
      映画も観ればよ...
      私は詩や音楽のことはよく知らないのですが、
      ボブディランが受賞されたときに、真っ先にこの作品のイントロを思い出しました。
      映画も観ればよかったかな。
      2018/10/07
    • 大野弘紀さん
      まことさん

      コメントありがとうございます。
      映画を見ると、たびたび流れる風に吹かれてと相まって、なんだか不思議と、歌と物語がセットに...
      まことさん

      コメントありがとうございます。
      映画を見ると、たびたび流れる風に吹かれてと相まって、なんだか不思議と、歌と物語がセットになって入ってきやすくなると思います。

      私は映画を見てから改めて小説を読んだら、冒頭で風に吹かれてが頭の中で流れました。それだけで、作品の楽しみ方が深まった気がします。
      2018/10/07
    • じゅさん
      コメントありがとうございます^_^
      映画、ぜひ観てみたいと思いました!
      コメントありがとうございます^_^
      映画、ぜひ観てみたいと思いました!
      2019/01/19
  • 現在と2年前が交差しながら進んでいく物語。「一緒に本屋を襲わないか」ひょんなことから2年前の3人の物語に参加させられた大学生の椎名。アパートで出会った川崎との会話がテンポよく、面白い。2年前に起こった悲劇が現在と繋がったとき、全ての紐が解けていくように、本当の川崎は誰なのか、2年前の人達はどこへ行ってしまったのか、本屋を襲った目的、そして題名の意味が分かった。ブータン

  • 伊坂幸太郎さんの本は【ホワイトラビット】が初めて読んだ作品で、面白かったけど、大感激!というほどでもなく、こちらの作品は有名で名前こそ知っていたものの、ずっと積読だった。

    いよいよ手に取って読んでみたらすごい面白かった。
    大どんでん返しというほどでもないけど、ちゃんと騙されてしまった笑

    タイトルの意味が全部わかるのは最後の方だけど、ちゃんと意味があるし、様々なやりとりの節々に伏線が散りばめられてて、読み進めてくのが楽しくて仕方なかった。
    先に進むのは続きが気になってのワクワクがあったけど、内容は切なかったなあ…
    スカッとするような大どんでん返しとかのミステリーが割と好きなんだけど、心に残る1冊だった。

  • 冒頭から突拍子もない展開に面食らったが、まさかここまで切ない話とは思わなかった。
    物語の内容もさることながら、鮮やかに張り巡らされた伏線、随所に見られる粋な遊び心が、とても良かった!

  • 一人暮らしを始めた大学生が、いきなり隣人に本屋で広辞苑を奪いに誘われることをきっかけに、不思議な人間関係に巻き込まれていくストーリー。

    なんとなく日常のような話が展開し、中盤まではミステリー要素が感じられませんが、最後にはじわっと怖い驚きが待っています。

    閉ざされた山荘やら、闇の深い社会問題をテーマにすることのないミステリーで、本格ばかり読んできた自分には新鮮。どこか懐かしく、フランス映画を見ているような感覚です。
    ドキドキ、ワクワクはしなけど、どこか切なくホッコリするミステリー。おすすめです。

  • 伏線を回収しながら物語の行方がつかめてくると
    何とも言えない苦しさが積もってくる
    三人の物語を少し離れた視点から関わっている僕
    生まれ変わった彼らが寄り添い合う姿を想像する

  • 初期の伊坂さんの作品。家の積み本にもあったような気がするが、初読。引きこもりのブータン人の友達のために辞書を奪いに行こうと、怪しい男に勧誘される「今」と、ブータン人とペットショップ店員の女性のカップルが、ペット殺しの犯人と遭遇する「2年前」。物語が時系列を超えて真相を暴く。
    正直、序盤のライトポップな雰囲気に身構えずに読んでいたので、ころっと騙されてしまった。ミステリ読み的にはなるほど、、、という感じ。映像化されている?みたい。どうやって?
    切なく感じるのは、「今」の主人公は物語の主役になり得ないという惨めさというか焦燥感というか諦めというか複雑な気持ちにさせられる。やはり、小説は構えずに読むととても新しい発見がある。

  • 久しぶりのミステリ。はじめは読みにくい気がして、なんだこれは?と思わせるが読んでいくにつれ、話がどんどん加速し最後は良い終わりかた。

  • 伏線の回収が美しかった。
    過去と未来が交互に描写されており、あーそこでつながるのか!という感情が何度も出た。

    全体的におしゃれな小説でした。
    また中盤にわかるトリックもしっかり騙されました。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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