アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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レビュー : 3166
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488464011

作品紹介・あらすじ

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は-たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 映画のアヒルと鴨のコインロッカーを見た

    最初原作を読んだ時には
    ただただ後味が悪くて
    あまり好きではなかったし
    ふーん、くらいでしか、
    思わなかった

    それを好き好んで読むなんて
    それは映画のおかげだ

    冒頭で流れる「ディランの風に吹かれて」
    そして口ずさむ「ぼく」

    そして、「一緒に本屋を襲わないか?」

    ――おかげで
    ボブディランのベストも買ってしまうし
    なんてミーハーな、と思わず自分を笑ってしまう

    映画の雰囲気が、
    とても飄々としていて
    風みたいで
    不思議と
    爽快だった

    そうして読み返すと
    いつものことだけど
    なんて緻密な、と思う

    淡々とした雰囲気が
    あまり好きではなかったんだな
    と思ったし
    淡々としてないと
    後味が悪いくらいじゃすまなかったかもしれない
    と思ったし
    これは、伊坂氏なりの
    心の繊細な人が
    傷つかないようにした
    一つの優しさで、配慮だったのかもしれないと
    思ったりする

    どうしてか
    伊坂氏の小説を読むと
    人が好きになる

    人間という生き物が
    愛しくなってしまう

    そしてどうしてか
    泣きたくなってしまうのだ

    • まことさん
      私は詩や音楽のことはよく知らないのですが、
      ボブディランが受賞されたときに、真っ先にこの作品のイントロを思い出しました。
      映画も観ればよ...
      私は詩や音楽のことはよく知らないのですが、
      ボブディランが受賞されたときに、真っ先にこの作品のイントロを思い出しました。
      映画も観ればよかったかな。
      2018/10/07
    • 大野弘紀さん
      まことさん

      コメントありがとうございます。
      映画を見ると、たびたび流れる風に吹かれてと相まって、なんだか不思議と、歌と物語がセットに...
      まことさん

      コメントありがとうございます。
      映画を見ると、たびたび流れる風に吹かれてと相まって、なんだか不思議と、歌と物語がセットになって入ってきやすくなると思います。

      私は映画を見てから改めて小説を読んだら、冒頭で風に吹かれてが頭の中で流れました。それだけで、作品の楽しみ方が深まった気がします。
      2018/10/07
    • じゅさん
      コメントありがとうございます^_^
      映画、ぜひ観てみたいと思いました!
      コメントありがとうございます^_^
      映画、ぜひ観てみたいと思いました!
      2019/01/19
  • 人間は死んでも生まれ変わるだけだから、悲しくはない。
    でも、大切な人たちに置いていかれたら、ひとりぼっちになってしまったら、やっぱり悲しいよ。
    必ずいつか来る人を待つよりも、会いにいけるのがいつになるか分からず取り残される方が寂しいんだと思う。
    二年前から立ち止まったままの彼の時間軸に風穴を開けたのは、彼らの物語に何の関係もなかった椎名。動き出した時間は、他人から見たら決して良い方向へ転がりだしたのではなかったけれど、でもひとりぼっちの彼にはやっと訪れた救いになったんだと思う。

  • 久しぶりに再読してみた。
    「面白かった!!」印象をそのままに、読み返すと分かる小さな符合。あとがきにもあるように、小さな出来事が読者の心に水の波紋を作っていく。
    日本語の上手になったドルジが呟く「日本語、よくわかりません」の一言が、彼の胸中を語って興味深い。
    伊坂幸太郎は一読しただけでは楽しめない。

  • ちよく考えると残酷な話だけど、それをあまり感じさせない会話の面白さやテンポの速さがあり、あっという間に読んでしまいました。
    タイトルから全てが繋がっている感じがとても良かったです。
    また他の伊坂さん作品も読んでみたくなりました。

  • どのワードも何かありそうで
    全て伏線か?と疑いながら読んでました。

    後半は現在と過去が重なってきて
    早く続きが読みたいけど
    この言葉がどこに繋がるのか
    しっかりじっくり読み込みたい
    という2つの思いに挟まれながら読んでいたので
    気持ちは焦るがなかなか進まないという状態。

    これは…という言葉があれば
    ページを遡ってここに繋がるのかと納得し
    いろいろと話が明らかになってきたら
    では現在の河崎が何をやっているのかと推理し
    とにかくいい意味で疲れる小説でした。

    でもそれだけ楽しめたということかなと。

  • とても読みやすく、一気に読めた。
    どんでん返しモノということは知っていたので、警戒しながら読んでいたにも関わらず、いい具合に騙された。
    衝撃!という感じではなかったけれど、「あ〜色々と細かく伏線というか布石が打ってあったのね」とジワジワ感心させられた。読んでてちょっと引っかかっていた部分が伏線だったりしたので、少し悔しい。
    主人公の大学生、河崎、ドルジなど男性陣が魅力的に描かれている。
    逆に琴美や麗子など、女性陣はあんまり好きになれなかった。琴美は、あだち充の漫画に出てきそうな「正義感溢れる活発なボーイッシュ女子」という感じで少し古臭いし、あまりに危機意識なさ過ぎてイライラさせられた。
    最後のコインロッカーのくだりは、なんだかよく分からないお洒落感を漂わせてまとめました!って感じで正直好きではない。これが伊坂幸太郎な感じなのだろうか。
    正直、伊坂幸太郎のこういう所がちょっと苦手。
    でも全体的に面白く読めたので星4つ。
    個人的に「オーデュボンの祈り」が全く合わなくて、「死神の精度」はそこそこ好きだった。
    今のところ伊坂作品2勝1敗。
    もう少し伊坂作品読んでみようかな、と思わせてくれた作品でもある。

  • 伊坂幸太郎さんの「ガソリン生活」を読んで「かわいらしい表現をする方だなぁ」とファンになり別の作品をと手にとった作品でした。

    題名から「コインロッカーはアヒルと鴨の胃袋を表しているのかなぁ」と考えながら読んでいました。読み終えるとあら不思議。「コインロッカーがアヒルと鴨を包み込んでくれるような感覚」になっていました。

    内容はミステリーで私の中では映画「セブン」を思い出す内容でした。この「セブン」の後味の悪さを伊坂節でお洗濯して日向に干してくれてる感覚です。伊坂さんありがとう。

    参考文献として「日本人の源流 ヒマラヤ南麓の人々」と書いてあったので次の読書への道しるべやお気に入りのラーメン屋さんのルーツを感じられたりと前進できる読書体験となりました。

  • 独特の世界観。

    登場人物のやりとりにニヤッとしてしまうのは伊坂作品あるある。

  • 切ないの一言。人を想う物語でした。人は生まれ変わるなら、この人生に大きく傾倒する必要はないのかもしれない。それでも、だからといって、軽く見ていいものではないのだろう。その考え方は心の支えにするだけなのだろう。人の宗教観や考え方はそんなもので、やっぱり、自分が感じる理不尽に憤ってしまう。そんな物語。かな。
    久々に伊坂さんの作品を読んだけれど、おしゃれー。会話おしゃれー。行動おしゃれー。最高ですよ、
    神様を閉じ込めるところなんて、全身を包み込む心地よさに溺れてしまった。それと、それが話に重要な鍵であるかどうかは無関係に、タイトルを作品内で関連させるのは好き。無意識に感嘆の息をついてしまう。
    ミステリーというわけではないけれど、終盤には驚く展開も待っていて、退屈という文字が読者の辞書から消える。楽しいというよりは、良い小説でした。

  • 大学生になり都会で独り暮らしを始めた「椎名」の現在編、ぺっとショップで働き、ブータン人のドルジとクラス「琴美」の二年前編、両方に出てくる不思議な魅力のある男「河崎」。河崎が書店を襲った理由とは?
    相変わらずパズルを解いてゆくような、鮮やかなお手並み。乗り越えたと思ってからの死にフラグ。落ちをわかって読んでももう一度楽しめる作りになっているが、もう一回ひっくり返るかと思ったのだが、最後は思ったよりあっさり終わった。人は表面で異質さを判断するが、結局みな元は同じということか。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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