忘れな草 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488467050

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  • 【縁起の綱渡りが人生よ―】
    『雪の断章』につづく〈孤児シリーズ〉第二作.
    今作では,2人の孤児と一人の「王子」の恋と策略,嫉妬と友情が描かれる.
    今作でも,その流麗たる文章は健在.心象描写,自然描写,触れれば解けてしまう雪のように繊細で,魅せる文体は,誰にも真似できない.全編,まるで詩のような儚さがある.

    僕も騙された.
    葵・楊子のベターハーフの関係性に気づけなかった.
    苛烈でし烈で猛烈なお互いの反発も,いまではもう少し見ていたい.
    そして,二人を見ながらもちらつく飛鳥.
    第三作,『花嫁人形』も近いうちに読みたい.

  • 雪の断章がよかったのでこちらも読んでみたけれど、なんだか主人公の葵の独白やもう一人の女の子とのやりとりがどうにもなじめず、まさおさんもいまいち人物像がよくわからなかった。企業の抗争に巻き込まれているはずなのに、話はずっとお屋敷のなかで過去と現在をめぐって展開されるという、不思議な物語。

    ただこの人の独特な文体には引き込まれ、葵の恋をわずらっている描写は切に響いた。愚かだけれどそれが人間。

  • 人間関係が複雑で…

  • 葵に可愛げがなくて、私がトキさんでもキレてしまいそう……。『雪の断章』よりも佐々木節が炸裂し、ポエム的な表現が多いような気がして読み進めるのに苦労した。史朗さんが登場するのが切ない、最後も後味が悪い。おまけに飛鳥と祐也さんの関係も、もっと純粋なものだと思っていたのでちょっとがっかり。孤児シリーズはもういいかな。
    著者がお亡くなりになって改訂できないらしいけど、御曹子は明らかに御曹司の間違いだろうから訂正してもいいのでは?

  • 何度目かの再読。最後の、楊子の手紙を読んだら涙が出てきた。葵と楊子の絆の深さが本当に美しい。高杉のことは好きになれないが、この二人の関係が好き。そして文庫本を読むと単行本も読みたくなった、もちろん史郎さん目当てです。

  • 雪の断章に出てきた名前も出てきて、相関図が作りたくなる。

    読み進めていって、一番気になったのが、雪の断章で祐也さんは、
    飛鳥の境遇を知っていたのかどうか。知ってて欲しくないなあ。

  • 孤児シリーズ2作目

    所持していたのは講談社文庫版だが、表紙が未表示で淋しいのでこちらで登録

    --Amazon作品紹介より
    葵と弥生。二人の少女が企業の継承権を巡る争いに巻き込まれた。
    教育係の高杉青年を慕う二人の恋心は巧妙な策略に飲み込まれ、運めの糸はもつれていく。
    少女の愛と成長を抒情的に描いた名作…

    --以下覚書につきネタバレあり
    泣き虫強情:葵、綺麗:(仮)弥生
    平等に努めながらも葵に弱い高杉青年
    …ここで恋のラストが読める
    シリーズのパターンだもんなあ(^^;ソコガスキナノダガ
    トキ、裕也、史郎(敬称略)…皆知ってたのぉ〜いけずぅ(笑)

    未所持につき細部が確認出来ないのが残念

  • 複雑…
    全部を理解できず悔しい。
    この本のあとに読むとどんな本も読みやすい

  • 三部作の二作目。ラスト近くにあの人が出てきて嬉しかった。

  • 葵と弥生。二人は同じ孤児であり、同じ運命に翻弄され、同じ男を愛した。どちらかが大企業の継承者であり、どちらかが複雑に入り組んだ社会と大人たちの陰謀によって作られた駒。
    作者の孤児四部作の内のひとつ。内容は複雑で一度読んだだけでは全貌がわからなかったが、これは友情のストーリーだと感じた。『雪の断章』と絡んだ内容なので先に『雪の断章』を読んでおいて正解だった。
    四部作なんとか全部読んで、全てを繋げてから再読したい。

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