魔都 (創元推理文庫)

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著者 : 久生十蘭
  • 東京創元社 (2017年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488471118

作品紹介

日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか――昭和九年の大晦日、バーの片隅で交わされる噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。安南国皇帝の失踪と愛人の墜死に巻き込まれた新聞記者・古市加十と捜査に臨む眞名古明警視、二人を待つ運命や如何に。「小説の魔術師」久生十蘭の代表長編にして、探偵小説史に燦然と屹立する金字塔的作品。新改訂版で、創元推理文庫に遂に登場。

魔都 (創元推理文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 思ったよりも面白かったです。にぎやかなお話でした。

  • 昔の作家の文章力には敬意を表するが・・

  • もちろん私も実際に体験したわけでがないが、昭和初期のある種退廃的でそれでいて活力に溢れた濃密な雰囲気が、講談師の小気味いい調子が聞こえてくるような独特の文体で綴られている。
    肝心の筋は、登場人物が多く冗長で少しとっ散らかっている感もあり、あくまで空気を味わう類の作品か。

  • 幻想的な昭和の東京の大晦日から元旦にかけての短時間に起きた出来事を多方向から。
    「作者」目線で物語が進められていくのはかえって新鮮?
    結局はやくざ崩れの抗争でしかなかったというのが肩透かし感なのだけど。
    悪役か、という風貌の真名古が結構、人間味のある人で、重要な役どころであった加十の呆気ない死に様にちょっと残念。

  • 探偵小説であり、幻想小説であり、怪奇小説であり、冒険小説であり…ミステリでもある。

    ルポタージュ風の語り口が独特。物語と世界観の妙を引き立てている。毎度、章のはじめに前回の説明があるのだが、作者の言い訳がましい解説やら補足は微笑ましい。

    不可思議な謎はどこへ行く?事件の謎は、大きな拡がりをみせて、あらゆる方向へ…畳みきれないのね。この熱量はどこへ発散しようか笑

    世界にどっぷり浸かり、味わう。に尽きる作品。そこには、ミステリの概念だけでは言い尽くせない、小説の楽しみと感動が詰まっている。

    文体の読みにくさもあり、とても時間がかかってしまった。それだけ長くこの世界を堪能できたことは幸せという他ない。

    奇書の定義はわからない。が、ミステリ好きに勧めるべき作品ではないと思う。

  • まるで知らない時代の話だけど、郷愁を感じてしまう様な、ストーリーや文体の総てが戦前の昭和そのものを冷凍保存した様な感じ。
    それでいて今読んでも普通に面白いから不思議。

  • 特徴的だが読みやすい文体。

    眞名古は、よその探偵みたいにもったいぶらないし、頑固だけど上下関係の礼儀は通すし、かと思ったら信念を貫く度胸もあるし、朗読の声はいい声らしいし、すべてがかっこいい。
    加十は愛嬌もあってかわいい。
    そんなすてきな二人がああなるのだから、魔都はまさしく魔都なんだろう。

    あと作者! ちょいちょい地の文に登場しては、登場人物が勝手に動くだの、想定外なんですだの謙虚さアピールするのやめてほしい笑。出てくる人間、みな魅力的だよ。紛れもなく作者の技量のたまものだよ…!
    アメリカ打撃王の名前は適当過ぎ。

  • 次から次に起きる怪事件と、現れては消える多彩な登場人物、全体像を捉えがたい複数の事案と魔都東京の姿を、思わず読み上げたくなるようなリズミカルな語り口で鮮やかに描き出している。
    謎はあってもミステリーとは言い難く、アクションはあっても冒険小説とも言い難い、不思議な味わいのある小説。

  • 新青年での連載版を校訂して出版、ということで作品自体は既読ですが東京創元社版も購入(ありがとうございます)。
    昭和9年の帝都東京が持つエネルギー、群像劇に翻弄されながら物語の中を漂う楽しみ。良いですね。あと、講談調といいますか、作者がチラホラでてくる語り口調の物語(解説では「譚」とふれられてましたが、まさに)黒岩涙香の流れだなぁと思いました。

    表紙のイラストが作品の雰囲気に合ってて凄くステキです。

  • ★4.0
    昭和9年の大晦日、帝都・東京を舞台に繰り広げられる30時間の冒険活劇。殺人事件や様々な謎が発生するものの、そのトリックに重点が置かれているわけではなく、昭和9年の空気感に酔いしれ、久生十蘭のリズミカルな文章に乗れればそれで良し!な1冊。また、実際には埋め立てられているらしいけれど、東京の地下に無数の暗道があったなんて浪漫が広がる。それにしても、新聞記者・古市加十と警視・眞名古明の行く末にただただ驚くばかり。特に前者については、それまで抱いていた愛着がものの見事に裏切られた。久生十蘭、恐るべし。

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