赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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レビュー : 285
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488472023

感想・レビュー・書評

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  • 鳥取の旧家・赤朽葉家の万葉、毛毱、瞳子という女三代の壮大な物語。ほとんどの話が屋敷の中と周辺で展開するのに、本当にスケールの大きな物語を読み終えた気分だ。万葉の秘めた思いと、冒頭に出てくる「未来視」の謎が最後に解けた時には何とも言えず切ない気持ちになる。時代に、社会に翻弄され、でも必死で生き、その生を全うする人たちの強さを見た。目を閉じればそこに、巨大なお屋敷とそこを出入りする人々が浮かんでくるようなリアルさと、なんとも言えない不思議さが同居した物語で、桜庭一樹作品特有の美しい余韻が残る。

  • 普段の桜庭一樹とは違った雰囲気の作品。独特の世界観という点では共通しているものの、終盤まで盛り上がりがなく、読了に時間を要した。

    全体小説というジャンルに初めて触れ、比較するものがないからだろうか、最後まで何故こんなに評価が高いのかいまいち理解できなかった。

    ただ、地方の現代史として見た場合に面白いエピソードも沢山あり、歴史好きにとっては嫌いになれない作品だと思う。

  • 最後の神話の時代、巨と虚の時代、殺人者の三部で構成されてして、各時代背景の中で登場人物が魅力的に描かれていました。この先、未来はどうなるんだろうってワクワクしました。

  • このミスベスト10、2008年版2位。本屋大賞2008年7位。3代にわたる女性の話。その時代の世相も映し出した大作。作者の代表作として評価が高いやつ。ボクは2代目よりも少し年上で不良文化まっさかりの時代を過ごしたので懐かしいところが色々あった。それぞれの女性を中心とした3部作となっており、それぞれが異なる雰囲気を持った小説となってるが、どれも微妙に自分の好みとはずれてる。第1部はテンポが遅くて退屈、第2部は逆にテンポあがるけどおちゃらけすぎ。第3部のみミステリーっぽくなってくるのと自然な文体で一番好みに近い。そのせいか、読後感はとても良い。「私の男」読んでるときも感じて、この本読んでるときも思ったんだけど、やけに女性っぽいなーと思ってググッたら、女流作家だったんですね。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    “辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く一族の姿を鮮やかに描き上げた稀代の雄編。第60回日本推理作家協会賞受賞。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    へー。推理作家協会賞受賞なんだ。
    推理作家協会?
    推理の要素...あったっけ(汗)

    あ、飛ぶ男の謎を解くとか?
    初代万葉がどうして旧家にお嫁入りしたかとか?

    ...たぶん違うですよね。
    なんか「このミス」でも当時2位だったとか、
    すみません私にミステリー要素を教えてください...(´・ω・`)

    まぁそれはともかく、女三代記です。
    この方は本当に、いろんな作風をお持ちですね。
    違う人かと言われても、納得してしまいそう。

    初期の代表作、そして珍しい?長編。
    山陰地方にある村に住む人々を描いた、昭和の記録。
    あ、すみません、言うほど昭和要素ないかも?

    冒頭から出てくる、「空飛ぶ男」の謎が解けてない!って解説?感想?をどこかで読んで、へ―そうなんだ―、よし謎といちゃるぞ!って意気込んで読んだんですけど(ここがミステリー要素か!?)、別にそんなことなくて読んでたら普通に謎解けた...
    って言うか謎ってこともなかった...

    「空飛ぶ男」は千里眼奥様が見た未来に出会う実在する男性。
    そして万葉の人生にちょっとした影響を与える人。
    あ、ネタばれごめんなさい。

    女三代記、と言うと、苦労して子供たちを育て上げて、家を立て直したりして...みたいなイメージがあるけれど、そんな重たい感じではなくさくさく読めました。

    その分、残るものもあまりなかったかも...

    あ。
    そう言えば三代目の瞳子は、殺人事件の謎を追うんだった。
    死んでいった人たちの謎を追っていたんだった。
    そこら辺がミステリー要素でしたかね?たぶん。

    でも、千里眼の万葉、ヤンキーで漫画家の毛毬(この名前もすごい)、そして普通の女の子瞳子...
    このどこかファンタジックな三人を描けるところが、やっぱり桜庭一樹さんだなぁ。

    そして私はやっぱりこの人の作品がなぜか好きなんだなぁ♡

  • 鳥取県で古くから製鉄業を営む旧家、赤朽葉家。
    そこに千里眼を持っ捨て子の万葉が嫁ぐことから始まる、赤朽葉家の伝説が孫娘の瞳子目線で語られる。
    万葉、毛毬、瞳子の女3世代の壮絶な人生を通じて、昭和から平成にかけての時代そのものを描いているともいえる作品。
    3部構成で、第3部でミステリーの要素も加わるものの、やはり時代小説としての読みごたえ。
    登場人物が皆、個性的で魅力的❗タツ、万葉、毛毬、泪、鞄、孤独、蝶子 …読んでいて楽しかった。

  • ミステリーと知らず手に取った。鳥取家の製鉄会社の名門、赤朽葉家の女性3代の人生を描いた小説。かなりディテールに凝ってあり、ミステリーになるのは最後少しだけ。そのため、やや間延びした印象と言うか、ミステリーがメインなら前半部分はそこまで描かなくてもという感じだった。

  • 山陰地方の旧家を舞台にして戦後から現代までを生きた3代の女性たちをめぐる物語です。

    第1部と第2部では、登場人物たちが時代の文脈に深く埋め込まれた生き方をするため、濃密な歴史の追体験をさせてもらいました。

    他方現代である第3部は、ある意味時代を反映して、物語も役割も持たず漂う主人公によるミステリ仕立てでした。間延び気味な点や謎解きと主人公自身の展開がうまく噛み合わない点に若干苛々しましたが、それには自分の立ち位置を見失いがちな同時代人として同族嫌悪的な側面もあったかもしれません。

    役割を受け入れた時代と役割から自由な時代。各々に難儀ではありますが、我々の代理人たる3部の主人公にはもう少し頑張って欲しかったというのが本音でしょうか。

  • 綺麗にまとまっている印象。
    オチが弱いのが残念。

  •  戦後史を背景とする女三代記の大河小説に、異能の漂流民の神話的ファンタジーと、「犯人捜し」ならぬ「被害者捜し」のミステリを絡める。謎解きは非常にイージーで意外性の欠片もないので、むしろ純然たる大河小説にして欲しかった。二代目の第2部が最もよく描けている(著者の同世代の総括的意味で)。

著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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