- 本 ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488473013
作品紹介・あらすじ
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立会いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。
感想・レビュー・書評
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以前、アンソロジーで初めて読んだ似鳥鶏さん。このシリーズの表紙のイラストに惹かれ、既存のシリーズ6冊を一気に大人買いしてしまった。
新刊で大人買いしたのに面白くなかったらどうしよう…いや、面白い予感がする!と読み始めてすぐ杞憂だったことに気付く。面白かった。雰囲気は米澤穂信さんの古典部シリーズのような感じ。高校が舞台で、登場人物は個性的。壮大なトリックという訳ではないが、真実のそのまた向こうに真実があって、更に真実が…と最後の最後まで飽きない展開だった。
あとがきもまた面白く、あとがきの一番最後に一番爆笑してしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「市立高校シリーズ」というらしい。
確かに「冬」に「出た」。
高校で人ならざらぬ者が出るという噂。芸術棟で、行方不明になった先輩が出る?そんな噂が吹奏楽部をはじめひそかに広がった。そこに妖怪の話が絡んでややこしいことに。
伊神先輩は、我関せずというか周りに踊らされることなく、飄々と謎解き。 -
’21年10月5日、読了。KindleUnlimitedで。似鳥鶏さん、2冊目。
うーん…正直、僕にはイマイチでした。なんだか、「長編小説」である必要を感じません。むしろ「短編」の方が良かったのでは?
「あとがき」も、「何これ…?」となってしまいました。
でも、シリーズで続いているみたいですね。人気がある、という事なんだろうなぁ…。
いわゆる「日常の謎」を扱った、ライトなミステリーですが…そういうのが嫌いな訳ではないんだけどなぁ。僕には合わない、という事ですね。 -
幽霊騒ぎを高校生の素人探偵団が解決していく話で、全体的にコミカルな雰囲気や変人の探偵にワトソン役の主人公といったかんじで『小市民』シリーズや『マツリカ』シリーズが好きな人(僕みたいな)にお勧めしたい作品だった。
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コミカルなミステリーでした。
舞台が学校ということもあり、なかなか楽しめました。
トリックは最後でやっとわかりましたし、最後の一波乱もなるほどここにつながっていたのかと満足しました。
内容
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。 -
第16回鮎川哲也賞佳作入選デビュー作。連作短編のような体であるが、実は一つ一つは本当には完結しておらず、最後まで読んで初めて完結するうまい構成の作品だった。
相前後して読んだ相沢沙呼と類似点が多く、鮎川賞デビュー作、学園もの、ワトソン役は平凡な男子高校生、日常の謎、とかなり共通しているのだが、語り口がこちらの方が好みである。語り手にも美術部員というキャラ設定がちゃんとあり、それを反映した地の文になっているのが読みやすいのだと思われる。冬に「出る」ものの正体が二転三転する終盤は見事。
でも実はあとがきが一番面白かった。ということでこれはホクホクと続編を読むことにしました。 -
キャラクターは好感が持てるものの、ストーリーと謎等々が雑で、もったいない。
文章がとりとめもなく長く、妙な擬音が多いので更に読み辛い。 -
第16回鮎川哲也賞佳作入選作。
市立高校の文化系部活が活動する芸術棟を舞台にした学園ミステリー。そこでは幽霊が出るとうわさに。主人公を含めた数人でその正体を解明するお話し。
率直にいって面白かったです。ミステリー好きな人にとっては、トリックにもう一ひねりしてもらいたいところかも。
しかしトリックとは関係ない伏線が、全て拾われていたのは好印象。
あと、エピローグのどんでん返しに「マジか」と驚愕させられました。ただ、別にそこはなくても……。
主人公が助手、主人公の先輩が探偵、というミステリーではありがちな構図だが、さらりと読める一品でした。
二巻もとっくに発売しているようなので、そちらも読んでいきたいと思います。 -
第16回鮎川哲也賞佳作入選したデビュー作。
自らの母校がモデルだそうです。
高校の文化部が集まっている古い建物・芸術棟を舞台のミステリ。
意外に改行が少なくて、説明が多い文章。
葉山君の一人称で、難しい内容というわけではないけど。
建物内部の図面はややこしいけど~謎解きに挑戦するも由、しなくてもかまわない?
美術部の葉山は、今日も一人でカンヴァスに向かう。
部員は5名いるのだが、毎日来るのは一人なのだ。
他のクラブの面々がよく顔を出すので、べつに孤独ではない。
吹奏楽部の練習を廊下でやられると、ちょっとうるさいが。
幽霊が出ると評判になり、吹奏楽部のメンバーが怖がって練習に来なくなってしまったという。
その幽霊は、行方不明の立花先輩だという噂なのだ。
噂が嘘だと証明するため、吹奏楽部の高島部長と秋本麻衣が、夜も芸術棟の中に留まるというので、証人として葉山が駆り出される。
秋本に気のある演劇部の三野も、いさんで参加することに。
ところが、本当に幽霊が現れた!
なぜ…?
葉山君も調べ回るうちに、文芸部の伊神先輩がトリックを解き明かします。
「まもなく電車が出現します」から先に読んだため、柳瀬さんや伊神先輩についての説明があってわかりやすいだろうと思ったら、あまり無かった…
柳瀬さんは演劇部で、いつも美術部に顔を出しては勧誘し、演劇部へ用事があって行けばまた勧誘という明るい女の子だってことはわかったけど。
外見の描写はないような…
表紙の彼女としか思えないけどね。
どうやらお互いに何も口にしてはいないけど~何となく通じ合っている仲らしくて。
葉山君のテレがあって~描写出来ない?みたいな。
日常の謎というには、事件はやや重いかな?
いつも顔を合わせている仲間達の掛け合いが楽しく、すいすい読めます。
著者は1981年、千葉県生まれ。
2006年、この作品でデビュー。 -
葉山くんのツッコミが面白いミステリー。というより青春モノと言ったほうがしっくりきます。
現時点で全8冊出てるシリーズ。手軽に読めるし、読書に疲れたら読むのにいいかも。
著者プロフィール
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