- 本 ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488474119
作品紹介・あらすじ
結婚おめでとう。大学時代、新婦とは一番の親友だった。けれど恵には招待状が届いていない。たった六人しかいない同じグループの女子の中で,どうして私だけ。呼ばれてもいない結婚式に向かう恵の運命、そして新婦の真意とは(「届かない招待状」)。進学、就職、結婚、出産、女性はライフステージが変わることで付き合う相手も変わる。「あの子はいつまで友達なんだろう」。心の裡にふと芽生える嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと形を変えた。物語が鮮やかに反転し友情に潜む秘密が明かされたとき、人間の素顔が浮かび上がる。傑作ミステリ短編集。
感想・レビュー・書評
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芦沢央さんの読み残し作品制覇中
これはデビュー3作目の単行本
ちょっと古め
あの時の女の友情は、確かなものだったのかしら、ね、っと考えさせられる短編5編
「届かない招待状」
これはかなり好き
大学時代の友人グループの結婚式
私にだけ、招待状が届かない
それを言い出せないまま友人からと結婚式場まで来てしまう
切ない伏線の挿入も見事だし、ラストに明らかになる招待されない理由と優しいご主人が感動的
「帰らない理由」
私はこの作品初読ですけど、私と同じような約束を中学生でしているとは
中学生女子達の友情
突然の事故で亡くなった友人宅へ訪れた、女友達と 亡くなった中学生の彼
それぞれの思惑が入り乱れる
友人は、突然死んだ時お互いに 家族に見られたくない同人誌を片付ける約束をしていた
それ重要
「答えない子供」
幼稚園のママ友
きちんと躾けたい神経質な女の子ママ
大雑把な男の子ママ
女の子の絵が無くなってしまったことからママ友同士のトラブルに
どちらのママにも良いところはある
仲が深まるラストが良い
「願わない少女」
ちょっと難しい 2回読んで納得
漫画家を目指す中学生女子の友情
友情の独占欲と 亀裂
ここで出てくる「プロメテウスの鎖」は 「帰らない理由」で読まれている
「正しくない言葉」
老人ホームの隣人の友人
同世代だから行動が理解できる
お嫁さんの誤解を解く手助け
活動的なおばあさんは良いと思うのです
-
著者初読み。
すごく良い出会いをした!
読んでいるうちに、タイトルの意味が
わかって、
私も、振り返ると職場や友人関係が
今だけのあの人
ばかりだなと思う。
そのころはすごく一緒に行動するのに、
時の流れに合わせてまた違う対象に変わっていく。
今の仲間も、今だけの仲間なのかなぁ。
それでも本作を読んで、
それが決して悪いことじゃないことが
実感できました。
今だけの人、今までの人、これからの人。
これからもよろしくお願いします。 -
初読みの作者さん。こちらもフォローしている方のレビューに惹かれて読んでみた。
様々な年代・立場の女性たちの「友情」をテーマにした5つのお話。
だけども、残念、私にはほとんどピンと来なかった。
■届かない招待状
親友の彩音から、その結婚式の招待状が届かない恵。
恵がああした行動を取ったので佳い話風になったが、そうでなければこの後ふたりの間はどうなったんだろうと思う。
■帰らない理由
亡き同級生の遺した日記を挟んで対峙する、その元カレと元親友。
二人のにらみ合いよりも、亡くなった子の母親の奇矯さのほうが気になる。
■答えない子ども
娘が描いた絵を一つひとつ写真に撮って残そうとする夏香と大雑把なソウくんママとのお付き合い。
夏香の育児がイタくてちょっとイラつく。まあ、育児を配偶者におんぶに抱っこだった私が言うことじゃないけれど。
■願わない少女
漫画家になるという同じ夢でつながっていたはずの奈央と悠子。
気づけば「私も」と言い返してしまい後ろめたい気持ちで漫画を描き続けるのがどうだかなと思う。
■正しくない言葉
老人ホームの隣人とお嫁さんとの気になるトラブル。
去年、母をこのような施設に入れたところだし、感覚的にも昭和だし、この話だけは分かり易かった。
いい歳のとり方をしたいもんだ。物語とは関係ないが、やはり、エンディングノートは必要だと思った。 -
お久しぶりの芦沢央さん短篇集
小さな嘘や思い込みで発生する
モヤモヤ感とか不信感が
ラストひっくり返る
「女の友情」と「反転」に
惹きつけられて
読後は「お見事!」と感服
各話少しずつリンクしてるところも好みでした
(文庫解説を読んで気付いた^^;) -
イヤミスかと思いきや
最後はなんだかじんわり来て好きな作品でした。
届かない招待状の冒頭読んだらイヤミスかと思うのに
こういう展開か〜!!
となりながら各作品読み進めました。
各短編が少し繋がりがあるのも良かった。 -
謎解き短編集でした。
人の心理が上手く書かれていて面白かったです。
大人が主人公になっている物語は最後にはほっとする結末になっているのに何故か子供が主人公の物語は後味が悪い結末で、こんな年頃の子がそんな風に考えるならちょっと怖いな…と。
子供だからこそなのかも知れませんが、なんだか嫌な感じが残ってしまいました。 -
芦沢央さんは初読みの作家さん。
『今だけのあの子』
紹介文を読んだ限りでは、女性ならではのドロドロと陰湿なイヤミス系の作品だと思ったが、良い意味で裏切られた。5編の短編全てが読者のネガティブな先入観を見事にひっくり返してくれる作品だった。また、短編同士が緩く繋がっているのも面白い。時系列が逆転するパターンもあったが、慎重に丁寧に読み進めると、点と点が繋がる中で新たな発見があったり、違う角度で登場人物を捉えられるので深みを増して良かった。
以下、目次より短編タイトル抜粋
「届かない招待状」
「帰らない理由」
「答えない子ども」
「願わない少女」
「正しくない言葉」
まぁ見事に「ないないづくし」のタイトル笑
これがまた内容にピッタリ合っているのだから抜群のセンスだ。特に「正しくない言葉」は世代間ギャップを見事に使ったミステリー。これを作者がその若さで描かれたというのに驚いた。
ゾクゾクしたりヒリヒリする心理描写の先に見えてくる女の友情・・・
「男の友情」と違い、結婚や出産といった人生の転機で変化しやすい「女の友情」を描いた本作だが、その一瞬一瞬で確かに築かれた関係性だからこそ、儚くも美しい。
幾多の出会いと別れを繰り返し、その時々で育まれた友情がその人となりを形成していくのだから「女の友情」も捨てたもんじゃないなぁと、本作を通じてしみじみ感じた。
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女性の友情を描いた五つの短編。芦沢央さんと言えばイヤミス。本作の最初の『届かない招待状』でも、親友と夫の不倫?とドロドロした展開、ところがラストはハッピーエンドに。短編全てにイヤミスの雰囲気はあるんだけど、どんでん返しでハッピーになってます。
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芦沢作品なのでイヤミスだろうと決めてかかって読んでいましたが、イヤミスではなかった。イヤミスとみせかけて結末は温かい気持ちになれるようなもので、後味は悪くないと思います。
その分インパクトは弱いかなという印象ですが、どの話も好きです。描かれているのは女同士の友情的なものです。『今だけのあの子』というタイトルにあるように友情というものは永遠に続かなかったら偽物かと言うと決してそんなことはなくて、人生の場面場面で出会える何らかの関係って大切なものだなと思う。 -
イヤミスの逆。
不穏で始まり不穏で終わりそうなのに、温かい真相。
何話か読み進めるにつれて、その流れをわかっているのに、どうやってこのお話を素敵な結末にもっていくのか想像できずに真相に辿り着く。
先が読めなくて、優しくて、素敵な作品でした。
著者プロフィール
芦沢央の作品






おばさま、いけそう?
私は、回せないかも笑
ブグログで推したくせに
雪さん、それ重要ですよ
男子は、あとパソコ...
おばさま、いけそう?
私は、回せないかも笑
ブグログで推したくせに
雪さん、それ重要ですよ
男子は、あとパソコンの履歴とか笑
読み残し作品制覇中w
読み残し作品制覇中w