深夜の散歩 (ミステリの愉しみ) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 102
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488478124

作品紹介・あらすじ

深夜、男は一冊の推理小説にそっと手をのばす。そこで彼は書物のなかを出掛ける。走ったり、ひと休みしたり、時々は欠伸したりしながら、いい気になって歩き廻っていると、そのうちにあたりは白々と明けてくる。真犯人を捕まえるまでは、この散歩を途中で止められないのだ――。博雅の文学者にして推理小説愛読家である三人が、海外推理小説を紹介する読書エッセイ。推理小説を読み解く愉しさを軽やかに、時に衒学的に、余す所なく語り尽くす歴史的名著が甦る。

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳ミステリー愛好家の三人が1958〜63年にかけて書き繋いだ『エラリー・クイーンズ・ミステリー・マガジン』での連載をまとめたもの。


    古今の探偵小説を紹介するにも三者三様の好みと流儀があり、一冊でそれを読み比べられるのが楽しい。
    福永武彦はやっぱり文章が上手くて、紹介する本を腐してることも多いんだけどツッコミが飄々としているのでサクサク読める。対して中村真一郎は腐し方が退屈なうえネチネチしている(笑)。
    そして真打は歴史的仮名遣いになる前の丸谷才一。ミソジニー丸出しの内容をポンポン書いてはいるものの(「フェミニスト」を自称する男もれなく性差別主義者の法則)、やっぱり文章は一番面白い。冒頭だけ読んで挫折したウィルキー・コリンズの『月長石』、また挑戦しようかという気になった。『日の名残り』(20/6/13読了)の文庫解説でガックリした記憶が鮮明なのもあり、まともな時期もあったんだよなぁ…と遠い目に。『快楽としてのミステリー』でも読むか。

  • 『深夜の散歩』福永武彦
    福永さんの言葉には重みがあるというか無条件で信じ込まされてしまうというか、節々からミステリ愛を感じて好きでした。アンドリュー・ガーヴをめちゃくちゃ読みたくなったのですが、ハヤカワさん復刊してくれませんかね。

    『バッグ・シート』中村真一郎
    純文と比較しながら推理小説をちゃんと評価しようと試みている点が良かったです。かといって無理に頭で処理するのではなく、好きなもの、面白いものを素直に述べている様が好きでした。短編と長編の違いは素晴らしい考察。

    『マイ・スィン』丸谷才一
    ちょっと評価ポイントが合わず、なかなか読み進められなかった。「探偵小説」と「推理小説」の変曲点の時点での考えは、今推理小説という読み方が主である分、興味深かった。

    『しろうと探偵小説問答』福永、中村
    二人でもこんなに好き嫌いが違うんですね。両者が良いと言っているものはもちろん読みたいし、両者が食い違ってるものも興味が湧いてくる。ミステリ談義、楽しくて仕方ない。

  • 福永武彦、中村真一郎、丸谷才一の三名による、ミステリ愛溢れるエッセイ。
    各人、それぞれ、ミステリに思い入れも深く、愛もあるのは解るのだが、同様に、それぞれスタンスがはっきりしている。それが1冊に纏まっていることに、本書のユニークさがあるのだと思う。

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著者プロフィール

1918-79。福岡県生まれ。54年、長編『草の花』により作家としての地位を確立。『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、『死の鳥』で日本文学大賞を受賞。著書に『風土』『冥府』『廃市』『海市』他多数。

「2015年 『日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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