- 本 ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488483012
作品紹介・あらすじ
浅草十二階こと凌雲閣で幽霊が目撃された――。明治42年、金田一京助のもとへ石川啄木が持ち込んできた、幽霊騒動を報じる新聞記事。家族を養うため探偵業を始めた啄木から強引に誘われ、京助は助手役として調査に加わったのだが……。第3回創元推理短編賞受賞作「高塔奇譚」、人形の頭が男の喉を咬み切ったという奇怪な事件「忍冬」など、全5編を収める連作本格ミステリ。解説=細谷正充
感想・レビュー・書評
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ちょうどアニメ化されていて、好きな声優さんが参加されていたこともあり、気になり原作も読んでみた。当時の日本の時代背景ともリンクしていて読んでいるうちに、タイムスリップしたようだった。表現が美しく、色彩豊かに描かれている。内容はミステリーだけど、啄木がとても愛おしく感じる作品だった。
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以前の泉鏡花で味をしめ、明治文豪系ミステリのあのぬるさが好物であると気付きました。解説それは言わぬが花だろう!他にこのような系統の作品を探したいと思います。
しかし啄木は不遇な人生やな、と興味を持ちました。
2019.3.23追記。
書店でアニメ化の帯を見た際の衝撃をお分かりいただけますでしょうか。
追い付いた(何とは言わぬが)。読み返して楽しみにしときます。
えーと、これやってくれるなら、さらに泉鏡花殺人事件の方とかー、いっそ飛鳥部作品とかもさー、と思いました。 -
時代設定なんかは好きなんですが、キャラがどうも好きになれない感じでした。
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石川啄木が探偵役で金田一京助がワトソンという明治時代の浅草を舞台にしたミステリ、なのだがイマイチ物語に入り込めず。
私の好みじゃなかったようです。 -
第三回創元推理短編賞受賞作「高塔奇譚」、そこから始まる連作短編集。
実在の歌人・石川啄木を探偵に、これまた実在の国文学者・金田一京助を助手にという奇抜な取り合わせにまず目が行きますが。。。
夭折した啄木を主人公に五編の秀作を仕上げた氏の凄さに感服。
ちょっと金田一氏の扱いが可哀相な気もしますが、心に残る作品群でしたよ。
驚愕の隠し玉もありますので、是非、御観覧ください。 -
【辛口です】
好みの問題と思いますが…読みにくい。
なかなか文章に入っていけない感じ。
そして、「親友」であるはずの主役二人(石川啄木と金田一京助)のやりとりが、ちっとも面白くない…どころか、まあこれも好みの問題なんでしょうけど、啄木の発言なんて、ときどき不快ですらある。
啄木のひどい発言→金田一先生腹を立てる→でも結局そんなところも嫌いになれない。短歌の才能だけじゃない、僕は啄木自身に惚れ込んでるんだ。
以上無限ループ。
二人のやりとりで一番ひどかったのは最終話だと思います。あんなやりとりして、どうして親友?啄木、金田一先生のことののしった挙句、最初から犯人扱いしてますけど。
なんだかよくわからない二人でした。それで入り込めなかったのかな。
あとは地の分(金田一先生視点)も話し方も現代人みたいだなと思いました。ちょっと違和感。
事件の真相も、それほど目新しさとか、どんでん返しもなく、微妙な感じ。第二話とか、そのまんまなんだ…と思ってしまいました。
あとがきで宮部みゆきとかが絶賛してたから期待しすぎたかな。
そういえば、ある事件の被害者とその後輩が男同士で関係していたという噂を「嫌悪した」とか言ってみたりするわりには、奥さんや愛人にまで嫉妬してみたり、最終話ではとある人物に男色関係と勘違いされてみたり、そういう意味じゃなく惚れ込んでるとか、そういう意味なのかもとか、あとがきにまで「親友という域を超えてしまっている」と書かれたり、こういう描写がやたらあるんですけど、それもしっくりこないというか。
私確かにそういうの好きだけどさ、この作品の二人はぜんぜんピンと来ないんですけど。 -
石川啄木が金田一京助を引きずりながら、事件を解決していく短編集。
や、引きずってはないんですけど。
調子のいい啄木と、ちょっと情けない金田一先生の関係が愉快で面白いです。 -
金田一京助がへたれ過ぎる・・・!!!
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生活に窮した石川啄木が副業として探偵事務所を開設。その人柄と類まれなる才能で、嫌がる金田一京助を助手に怪事件に挑むミステリです。史実と創作を織り交ぜて、自分の知識と照らし合わせてみたり、そう繋がるのか!と驚いたりできる・・・はずなんですが。どうも文章が読みにくい。流れが急に途切れてあらぬ方向へ進んだり、時系列が混ざりかけて今どの時点なのか分からなくなったりと、何回か数行前を読み返す羽目になりました。犯人の動機や啄木の性格も、金田一の一人称の視点で語らすに、なにかエピソードなどでわからせてほしかった。設定は面白いし、小道具の使い方や伏線の張り方もいいと思う。後は、書き方ですよね・・・。
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