配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 5-1 成風堂書店事件メモ)
- 東京創元社 (2009年3月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488487010
感想・レビュー・書評
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本好きな人は絶対に読んでいると思われる今作。
以前から存在は知っていたし、作者の他の本にまつわる作品は何作か読んでいるのに、何となく、表紙が子供向けな気がして、ずっとスルーしてきたけど、本屋にまつわる作品はふとした瞬間に読みたくなるもので、私もついに読んでみた。
舞台は駅ビルの6階にある成風堂書店。
しっかり者の書店員・杏子と勘の鋭いバイトの多絵多絵が本にまつわる様々な謎を解き明かしていく。
本格的なミステリーな「パンダは囁く」から、配達員のヒロちゃんが巻き込まれた事件を描く表題作「配達あかずきん」まで、同じ本を扱っていながら、内容が全て違う視点からの謎を扱っているのが面白かった。
「あさきゆめみし」が流行っていた頃に、まさに学生だった自分には「標野にて君が袖振る」は10代の頃を懐かしく思える作品だった。
残念ながら、漫画が苦手なので、友人が皆「あさきゆめみし」で源氏物語を読んでいる中、確か瀬戸内寂聴訳の「源氏物語」を小説で読み切ったので、30年近くたった今、改めて「あさきゆめみし」を読んでみたくなった。
でも、一番好きな作品は「六冊目のメッセージ」。
本を通じて、誰かと思いを寄せられるって素敵なことだなぁ、と改めて思わせてくれた作品だった。
この作品も、学生時代におすすめ本を教え合ったクラスメイトの存在を思い出させてくれた個人的に胸キュンな作品。
他の方の感想は杏子や多絵に関することが多いのだけれど、登場する本自体に思い入れがあり過ぎて、登場人物はそっちのけで読んでしまったかも…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書店や本にまつわる謎解き話しは好き。次回作も読もうと思う。
残念なのは、主人公の杏子さんが本好きとは感じられないセリフをたまに言うことや多絵ちゃん頼りが過ぎること。モヤっとしてしまう。 -
書店員が、本屋にくるお客さんの悩みを解決していく話。本の題名もわからない本を探して欲しいと依頼されたりするのだが、それをどんどん解決していく短編集。すごく面白い!おかげで寝不足!!ほどではないが、短編なので切りよく空き時間に読めるのがいい。どれもすっきり解決するのでモヤモヤすることもなく楽しめたので続編も購入。
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杏子さんと多恵ちゃんが良いコンビ。
日常ミステリーにふさわしく(多恵ちゃんはカンが鋭く推理力に優れているが)二人とも本の事ならなんだってわかると言うようなスーパー店員ではないのがいい。
本屋さんに勤めている人は、当然本が好きな人だろうと思っているけど、年間にどれだけの本が発刊されるか考えたら、何でも分かるなんて無茶だものね。
日常の謎に絡んで本屋さんの内々の事情が分かるのが楽しかった。
猫の好きな営業さん・・・恋が芽生えるかな(笑)-
私の大崎梢さんデビューは、この作品でした。
謎解きでは抜群の冴えを見せる多恵ちゃんが
それ以外の業務では、まるっきり普通
(というか、ちょ...私の大崎梢さんデビューは、この作品でした。
謎解きでは抜群の冴えを見せる多恵ちゃんが
それ以外の業務では、まるっきり普通
(というか、ちょっと頼りないくらい?)なあたりが
かわいくて好きです♪
このシリーズの何冊目だったかに付録ではさまってた
「成風堂新聞」が楽しくて、隅々までわくわくしながら読んだりしました(*^_^*)
2012/06/16 -
ワタシも、これが大崎梢さんの1作目です♪
初めてなので図書館で借りて読みました。
「成風堂新聞」!? 楽しい付録があったんですね(^^)ワタシも、これが大崎梢さんの1作目です♪
初めてなので図書館で借りて読みました。
「成風堂新聞」!? 楽しい付録があったんですね(^^)2012/06/21
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書店が舞台というだけで、ちょっと気分が上がった。
書店員の日常の仕事を覗けたのは興味深く、特にアバウトなヒントから本を特定していくのが、とてもおもしろかった。
謎解きに関しては、少し性急に感じてしまい、もう少し丁寧でもよいかなと思った。
多少納得いかない終わり方もあったが、楽しく読めた。
気軽に負担なく読め、ストレスフリーでよかったと思う。
2024/02/10 22:11
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日常ミステリー短編集なのだが、決してほのぼのではない。作品によってはサスペンス調でもあり、重すぎず軽すぎず。シリーズ他作も読んでみたい。
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主人公が勤める書店で起きる事件を主人公と、同じ書店で勤める大学生とが解決する短編集。
kindle読み放題にあり、そこまで期待を込めずに読んだけれどほっこり面白かったなぁ…!
小さな事件に温もりと人情あり!っていう感じ。
手軽に読めるし、楽しい一冊。 -
悪くないんだけど、まぁ普通かな。死人の出ないミステリは好きなジャンルだが、やはり北村さんにはかなわないかな。
主人公二人のキャラがもう少し立っていると楽しめたかもしれない。 -
舞台は、駅ビルに入っている成風堂という書店。そこで働く社員の杏子とアルバイトの多絵が、いろいろな謎を解いていくというストーリー。
こういう物語では大抵、日常で起きる小さな謎を登場人物が解明し、ラストは気持ちがほっこりあったかくなる…というようなものがほとんど。
でもこの作品は少し違っていて、小さな謎というかこれはもはや事件ですよね、というようなものも。お話は5つ入っていて、そのうち3つはあまり穏やかではない展開だった。
どれも謎ときが面白く、ひとつひとつのお話はしっかり決着がついて終わるのでスッキリする。意外なストーリーの流れにワクワクしながら読んだ。
ただ、主人公の杏子があまり好きになれなかったんだよねーー。
推理において活躍するのは、主人公の杏子ではなく、多絵の方。杏子は謎に困るとすぐに多絵を呼び、相談して謎ときに協力してもらう。まあそこはいいとして、その時のセリフがやや強引だし、何だか偉そう。仲良しだからこそなのかもしれないけれど、ちょっとイヤだなと思ってしまった。そもそも、仲良しの程度について特には書かれていなかった気がするし。
「は?」とか「はあ?」という返事もあまり好きになれなかった。
ほかにも、ある場面では、景品についての判断をその場で勝手に決めてしまっていて、店長に確認もしないで相手に伝えてしまっていいの?と不安になった。
あらすじには「しっかり者の杏子」と説明されていたけれど、読んでいてそういう印象は受けなかった。
面白かったから続編も読みたいという気持ちはあるものの、また杏子視点だよねと思うと二の足を踏んでしまうな。 -
本屋さんを舞台にした日常ミステリ作品。
短編が集まったもので、文体もさらりとしており非常に読みやすい。
軽く本が読みたい時や、本屋好きにオススメの本である。
坂本司の作品が好きな人にもいいのではないだろうか。
語り部である杏子はこれといって特徴はないが、本屋の店員さんだったら嬉しい感じの人物で好感が持てる。
謎を解いてくれるのはアルバイトの多絵。
頭の回転がすごく早いというよりは目の付け所がいいタイプに思える。
ちょっと推測の域を出ない推理もあるのだけど、日常ミステリだからそれもご愛嬌。
とにかく、本屋フリークにはあるあるが楽しい本だった。
個人的には『六冊目のメッセージ』が1番好きだった。