サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 5-3 成風堂書店事件メモ)
- 東京創元社 (2010年3月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488487034
感想・レビュー・書評
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短編集。
書店員は力仕事が多い。
書店のアルバイトは驚くほど時給が安い。
そして書店員は意外に忙しい。
本が好きでなければなかなか続かない仕事かもしれない。
殺人事件が起きるわけでもなく、書店にまつわるちょっとした謎を解く物語。
短編集なので、気軽に少しの時間でも読みきれる。
杏子や多絵が本好きなのも、書店に来てくれるお客さんを大切に思っていることも、何だかうれしくなってくる物語だ。
読みながら「あるよなー」と思うことも多かった。
帯が破れている本は進んで買おうとは思わない。
作家名を読み間違えてとんでもない場所に陳列されているとガッカリする。
ドラマ放映中なのに原作本の在庫が切れていて「いま売らないでいつ売るの!」と思う。
このシリーズ、たまたま手に取って読んでみたら面白い。
第3弾から読んでしまったけれど、きちんと順番通りに読めばよかったと少し後悔している。
5編の短編が収録されているけれど、「君と語る永遠」が一番心に残った。
余命いくばくもない父親が我が子に伝えたかった思い。
切なくてあたたかくて、それでて優しい物語だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
'17.4.9読了
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物騒なことにはならない。とりあえず、本屋が好きなんだ。まぁ勿論電子書籍じゃなく紙の本が好きなんだな、それぞれ。
最近は大型書店に行く気力もないのがダメだなーとぼんやり思いつつ読了。
表題作を読みつつ、波瀬の痛みが解りすぎてなんだか少し凹んでしまったわ。誰かに解ってほしいなんて望みはとうに捨てきっているつもりだったから。まったく欲しがりな生き物だよな、わたしたちは。でもまぁのらりくらりと理解されぬまま生き抜きたいわ。 -
5つの短編が収録されているけれど、それなりにおもしろいのと、わけ分かんなくてつまらなかったのと、いろいろ。
前作でも思ったけれど、この方の作品は、読んでると、誰のセリフなのか、誰の取った行動なのかが分かりづらくて、セリフや行動が迷子になる。
1話目の出だしも、杏子さんが驚いている表現の後に、黒酢特集の雑誌の話が挟まって、それが関係しているのかと思いきや、特に関係もなく。この話のテーマである「取り次ぎ」を印象付けたかったんだろうけど、読み手には優しくない書き方だなぁ、と。
あと、小学生て「児童」て言うんじゃないの? 「生徒」て表記してたけど。
それと相変わらずあらすじで、杏子さんをしっかり者と言っているんだけれど、だから何でなんだって! 全然しっかりしてないよ。
話の中で、「しっかりしてください」てはっきり言われてるし。
というか、多絵ちゃんが探偵役で、正直杏子さんは何もしていないのに、なぜ彼女が主役で書かれてるのかがよく分かんない…。
探偵の助手てことで店長から指名されるのも内藤さんて人だし。
彼女の存在、必要?
あと今回、店長の出番が多くて、何かデリカシーのない嫌な感じの人だったから、結構イライラした。
この人の下で働きたくないなぁ、て思う。
てか、この本屋にそんなに行ってみたいと思わない。 -
シリーズ3作目。
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あぁ、この二人はホッコリ系の方が似合ってる。
しっくりくる。
こんな本屋さんで買い物してみたい(*´艸`)
☆取り寄せトラップ
☆君と語る永遠
☆バイト金森くんの告白
☆サイン会はいかが?
☆ヤギさんの忘れもの -
《終わらない職務に憧れのイベント。次々訪れる変わったお客と謎たちー。とかくに、本屋は忙しい》
成風堂書店事件メモシリーズ第3弾。
表題作「サイン会はいかが?」は、暗号解読がメインかと思いきや、サイン会が始まってからのハラハラドキドキが主役。
「取り寄せトラップ」で怖さと不気味さを匂わせ、「君と語る永遠」の、永遠なのに儚いという矛盾の美しさを感じとる。
「バイト金森くんの告白」の、本屋で起こる、誰もが(?)夢見る出会い。
「ヤギさんの忘れもの」のような蔵元さんのようなかた、いたなぁ。
『本の数だけトラブルの芽が潜んでいる。そして、ありがとうの笑顔も待っている。』(本文より)
まさに本屋は、これ。
多絵ちゃん、どんどん変人化が進んでない?笑 -
読み始め…12.7.8
読み終わり…12.7.21
「配達あかずきん」に次ぐ第二弾の「晩夏に捧ぐ」から更に次ぐ 第三弾です。
駅ビルの書店で働く書店員と、アルバイトの女子大生のコンビが書店に持ち込まれる様々な謎に立ち向かうミステリストーリー。第二弾では職場を離れ、夏のバカンスに訪れた旅の地で事件を解決していくという番外長編でしたが 第三弾では再びいつもの日常に戻って職場内での謎に取り組む連作短編集。
表題にもなっている「サイン会はいかが?」では途中、もしかして...??と犯人というか先がなんとなく推理できてしまって、結局だいたい思ったとおりの結末で終わってくれました。だけど後味の悪さはまったくありません。むしろ ふふっと微笑ましくて 嬉しくて♪
書店員サイドから見た書店の世界観。楽しめます。