ヴェサリウスの柩 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 222
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488494018

作品紹介・あらすじ

解剖実習中、遺体の腹部から摘出された一本のチューブ。その中には、研究室の園部教授を告発し、脅迫する謎の四行詩がおさめられていた。教授を慕う助手の千紗都は犯人を突き止めようと密かに調査を始めるが、嘲笑うかのように次々と不気味な出来事が起こる。園部の研究室を狙うのは誰か。やがて驚愕の真実が……。
大学医学部の暗部に迫る医学ミステリ。第16回鮎川哲也賞受賞作。遂に文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 麻見 和史氏のデビュー作。
    様々な謎に包まれた医療ミステリー。

    深澤 千紗都は、尊敬する園部教授の元で、今年から東都大学の講師として働くことに。

    ある日、大学の解剖実習中に、遺体の中からシリコン製のチューブが発見された。
    過去の医療ミスか?
    しかし、そのチューブの中から、園部教授を脅迫するメモが見つかる。

    果たして、誰が、いつ、何の目的で...
    そこから起こる不吉な出来事の数々。
    千紗都も、犯人に狙われ、命を落としかける。

    様々な伏線もあり、また、二転三転する展開に、なかなか真実が見えません。

    最後、真犯人が捕まった、と思ったところ...
    う〜ん、そう来たか!
    更に、裏の裏があったんですね。

    エピローグで、千紗都が過去のトラウマを乗り越えて、前へ進む姿は、感動しました。

  • 医学もの。
    まぁ実際のトリックには使えないけど、読みごたえはある。
    死体からチューブが出て来たときは、古畑任三郎のケースを思い出した。

  • 麻見和史『ヴェサリウスの柩』創元推理文庫。

    この作者にしては珍しい医学ミステリー。しかもデビュー作。献体解剖の実習中に遺体の腹部から摘出された謎のメッセージが入った1本のチューブをきっかけに物語は始まる。

    医学研究室という特異な世界を舞台に主人公の千紗都が巻き込まれる不気味な事件となかなか姿が見えてこない犯人……

    グロい描写と人間の抱く業や怨念が渦巻き、横溝正史のミステリーのような雰囲気もある。

    第16回鮎川哲也賞受賞作。

  • 同じ説明が繰り返され、終わったと思ったら、まだ話が続いて、冗長に感じた。
    ストーリーは興味深いが、登場人物の描き方が浅く、入り込めなかった。

  • ちょっと古い小説ですが、長女が、15歳の時にこれを読んでいた、と知り、読んでみました。医学部解剖学教室が舞台の著者処女作のようです。良い意味で裏切られ感があり、また、直接の犯人ではなく、そうじゃないヒト(ネタバレになるので曖昧です)に対しての、違和感が、かなり強烈で、フム、と思いました(^^)

  • 2018.2.21読了

  • 大学の解剖学教室が舞台。医学全般、私には未知の世界で、知らないことを知るのは楽しくて、、こういうの好き。
    一方、物語のほうは、、。ミステリー要素としては物足りない気もする。リアリティがないのかな。。

    あと、作者の描く女性主人公がみんな一緒なんだけど気のせいでしょうか。背が小さいとか童顔とかそんなに気が強くないところとか。千紗都が塔子に思えて仕方なかった笑。

  • 3- 

  • 解剖したら手紙が出てきて、あれこれ事件が起こる話。
    長いし退屈。半分で飽きて断念。

  • 解剖学教室を舞台にした物語世界はとても新鮮でした。献体を巡るあれこれ等、未知の世界を紹介する業界ものの小説として魅力が十分出ていると思いました。
    犯人の造形も良く書けており、事件を捜査する過程や、次々に登場する容疑者、意外な犯人、という流れがとても良く、サスペンスとしては良質な作品だと思いました。「死体博物館」という雰囲気も良かったです。
    しかし、推理の要素は稀薄だった為、論理的なクライマックスは盛り上がりに欠けた印象でした。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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