龍の騎手 (創元推理文庫)

制作 : 原島 文世 
  • 東京創元社
3.67
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本棚登録 : 67
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488513030

作品紹介・あらすじ

領地を荒らすグリフォンの群れを退治してほしいという、メリーボーン卿の要請に応えてやってきたのは五人の騎手。騎手といえば誇り高く高潔な人物のはずだが、荘園の事務官の次女アリザと龍の騎手アリステアの出会いは最悪だった。アリザが仲良くしている庭小人を酷い目にあわせたのだ。なんて高慢ちきでいやな奴! アリザはグリフィン退治に案内役として同行したが……。『高慢と偏見』×ドラゴンのロマンティック・ファンタジイ。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙と『龍』の文字につられて購入。
    帯に『高慢と偏見』と書いてあったのを見て、主人公がそういう人物なのだろうと思っていたら『高慢と偏見』という作品のオマージュでした。

    勘違いはしましたが、まぁ、あながち間違ってないかな(笑)
    恋愛要素満載のファンタジー、久々に楽しめました♪

    ただ、グウィンの父親がお金を借りていた、沈黙王エルスとは、いったい何者なのか....
    あれだけ煽っておいて、あっさり収束にはモヤモヤが残ります。
    新作も「龍」が出てくるとか「龍」好きの私としては、次作も期待大です!!

  • 一週間ほど前に読了。

    ファンタジー好きとしては、帯の「『高慢と偏見』×ドラゴン」の文字が気になり手に取る。

    読後第一の感想は、まさに! だった。


    訳者あとがきに

    「著者の執筆のきっかけとなったのは、『ヒックとドラゴン』を観ながら『高慢と偏見』の本を読み返そうとしたことだったという。途中でいきなり〝ドラゴンを駆るミスター・ダーシー〟のイメージが浮かび、 ―後略―」(p446)

    とあるので、著者の意図が見事に表現されているのだろう。

    ドラゴンをはじめ、ファンタジー小説ではお馴染みの、グリフォンやワイヴァーン(飛竜)、ホブゴブリンが登場する世界。

    「ナクラ」などこの世界観独特の身分制度? やヒーローの周囲の人間関係など、やや唐突に登場し、説明のないまま雰囲気で読んでしまったところもあるので、翻訳ファンタジーに慣れていない方には若干読みづらい部分もあるのではないだろうか。

    出会ったときは高慢ちきだと思っていた(この表現もいかにもな表現である笑)龍の騎手(ドラゴンライダー)の青年への思いが、主人公の中でどのように変わるかが丁寧に描かれる。
    第一印象は大事だが、偏見とはいけないものだ。

    青年のなんとももどかしい告白も個人的にはツボである。
    恋の行方が気になり、読書中は二人の場面を心待にしてしまった。

    ヒロインの地方荘園の事務官の次女が勇敢に戦う場面があるところは、『高慢と偏見』と異なる、ファンタジーならではかもしれない。
    ヒロイックファンタジーでもあるのだ。

    本国では、2018年秋に同じ世界を舞台にした新作が出版されることも決まっているとか。

    今作の登場人物たちは絡んでくるのか?
    翻訳されたらぜひとも読んでみたい。

  • オースティン「高慢と偏見」とパオリーニ「ドラゴンライダー」が合併したような感じ?
    只ドラゴンはしゃべらないけど、ドラゴンライダーの家の人間はドラゴンに乗れるらしい。
    ドラゴン2人乗りに憧れた。
    ストーリー展開は「高慢と偏見」をなぞってる。

  • 高慢と偏見のオマージュかつファンタジー
    オマージュとしてもファンタジーとしても読み応えありました
    レディ・カトリオーナの豪放磊落さが好きです
    嫌よ嫌よ、な話好きだなー

  • ・エル・キャサリン・ホワイト「龍の騎手」(創元推理文庫)の帯には「『高慢と偏見』×ドラゴン」とある。「高慢と偏見」と言へばジェーン・オースティンしかない。するとまたもやこのパロディーが出てきたのかと思つた。以前は「高慢と偏見とゾンビ」であつた。これはセス・グレアム・スミスがオースティンを使ひながらも、そこにゾンビを取り込むことによつて独自の世界を創り上げた作品であつた。正にパロディーである。それに対してこの「龍の騎士」はどうか。こちらは、オースティンの世界は借りたが中身は別物とでも言ふのであらうか、多くの設定はそのまま生かされてはゐるものの、物語は全く違ふものとなつてゐる。原作は当時の女性の生き方を、と言つて良いのかどうか分からないのだが、描いた作品であつた。それが龍の出てくる世界のファンタジーに変はつてゐる。これとても、世界がアールに変はつてはゐても、女性のしあはせな生き方とは何かとならないわけではないのであらうが、個人的にはやはり龍の世界のお話となる。それでもオースティンが生かされてゐる。ここが問題で、結局、これもまた優れた「高慢と偏見」のパロディーとなつてゐる。さう、これもまたおもしろい。そもそもこの作品、作者があるアニメを見てゐる時、「いきなり“ドラゴンを駈けるミスター・ダーシー”のイメージが浮かび云々」(「訳者あとがき」446頁)といふところが出発点となつてゐるといふ。エリザベスではなくとミスター・ダーシーである。「龍の騎手」と名づけられた所以であらう。ただし原題は“HEARTSTONE”である。これだと2人に関係ありさうな、そしてロマンスにも関係ありさうなタイトルである。つまり、作者は最初からさういふ物語として構想したといふことであらうか。
    ・物語は「メリーボーン卿がライダーどもを雇った」(11頁)ところから始まる。グリフォン退治を頼んだのである。当然、その中にミスター・ダーシーがゐる。アラステア・デアレッドである。この2人、最初はもちろん関係なささうである。それ故に高慢な態度のデアレッドにアリザは偏見を抱く。その偏見は強まりこそすれ弱まることはない。さうしてデアレッドからの告白があり、それをアリザは断る。さうかうしてゐるうちに大リンドワームが目ざめて襲つてくる。こ の危機を乗り越えるには龍の騎手がといふわけでデアレッド等は出陣する……さうして最後はめでたしめでたしとなる。だから、正に「高慢と偏見」のパロディーなのである。その世界は、しかし、オースティンの現実の世界とは違ふ。龍が人と同居する世界である。龍は人と契りを結んでともに戦ふのである。戦ふのは大リンドワームや小リンドワームといふ人に害をなすものである。これらをテカリといふらしい。その中にはケンタウロスやワルキューレなどといふ一見悪くなささうなのがゐるし、恐狼やトロルなどといふのもゐる。他には見られない独特の世界であるらしい。ただし、これらは所詮脇役、ただ出てきただけ。グリフォンもそれに近い。かういふ、いはば小者を使つてオースティンとは違ふパロディー世界を作つてゐる。龍だけでもそれはファンタジーではあるが、かういふのがその世界を彩つてゐる。実際問題、異世界生物を取り込むのがファンタジーンの最も簡便な方法であらう。これが続編にもきつと生かされるはずである。もつとも「二冊の契約」の「龍を扱った長編」(「訳者あとがき」446頁)が本書の続編となるのかどうかは分からない。他の誰かの作品のパロディーであつてもおもしろい。そんなのを読んでみたいと思ふ。果たしてどんな作品が出てくるのであらうか。

  • 高慢と偏見はハーレクインの原点なのかな。最初は誤解し合うヒーローとヒロインという全く王道(笑)。ただ、主人公の親友グウィンの父の借金問題はどうなった??あ、え?創元推理文庫?どこが推理?はて?誰が手紙の邪魔してたかと言う問題かな?

  • 洋物の訳、しかもいわゆるハイファンタジーなるものを久々に読んだのですが。
    おもしろかった!
    最初はとっきにくいかな、とおもったのですが、最後は一気読みでした。
    『高慢と偏見』のオマージュとのことですが、知らなくても楽しめました。本家も読んでみようかな。

    アラステア、ほんと嫌な奴というか不器用(笑)。でも、あーなっちゃうなんて……一途ですね。
    アカーラは文句なしにカッコイイし。主人公のアリザも度胸ありまくり。
    女性陣がカッコイイ物語でした。

  • 「高慢と偏見」好きで「パーンの竜騎士」好きな私が嫌いなわけないと購入。ファンタジーの世界で、登場人物の名前は違えど、話の流れも完全に「高慢と偏見」。五姉妹の末の子があんなことになったり、あの人の娘もそんなことになったりと少しずつ違うのだけど、物語上必要だったのだろうし、なによりも本家本元より登場人物を好意的に見てるところが読んでいて気持ちよかった。特にカードレッド(本家ではコリンズ)の描き方は素晴らしい。主人公が親友は幸せな結婚生活を送ってるんだと気づくエピソードが私はとても好きだ。嫌な奴はウィドリック(ウィカム)だけで、あまりのクズっぷりにむしろ清々しく感じるほど。龍と人との関係も面白かったしファンタジーとしてもとても楽しめた本でした。ゾンビ、龍ときて次は何で高慢と偏見するのか楽しみ。

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