海底二万里 (創元SF文庫) (創元推理文庫 517-4)

  • 東京創元社
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (549ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488517045

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったがけっこう辛かった。延々と海底世界を旅行するだけで、筋立てがあまりないんですよね。これで500ページ越えはなかなか大変。

  • お魚中心で自然の描写、コンセイュの分類のユーモラス
    ネッドの分かりやすい苛立ちは彩りとしてよいが
    ネモ船長の暗い部分や登場人物の心理描写は
    もう少しあったほうが、冒険モノとして
    物語の厚み・哀しみや静と動のコントラストが
    出てくるような気がする。
    つまらないわけではないが、『物凄く』面白いわけではなかった。
    子供時代に見た映画は面白かったような記憶があるのだが。

  • あらすじから裏切られる良さ

  • 読み終わった時、世界一周をしたような、ものすごい達成感がありました。アロナックス教授、コンセイユ、ネッドのやり取りも面白いのですが、そんなことより、盛りだくさんのイベントと、すさまじい情報量がすごい。絵のない図鑑を読んでいるよう。絵がない分、脳内で想像が膨らみます。
    話の筋とか、登場人物の心情とかに思いを馳せる場面はありますが、読み終わった後にはそこに思いがあまり行かないという不思議な読書体験です。旅行ガイドを見ながら、そこに行った気分になる感覚。
    現実世界を忘れて、読書の世界を旅するという点では、極上の読書体験ともいえそうです。

  • 昔、ジュブナイル版で読んだことがあります。海の中で出会う生き物の名前がずらずらずらーっと語られるのを楽しめたのは、大人になったからでしょう。あと、日テレの「鉄腕DASH‼︎」のDASH海岸のコーナーで、いろんな海の生き物を見ていたこともあるのかも。
    ネモ船長の悲しみ、それを上回る恐ろしさ。うまく表せません。

  • <ネモ船長は概念>


     J・ヴェルヌ描く冒険に詰まっているもの、それは言葉にしてしまうと陳腐になるけれど、夢です★ 大空へ。月世界へ。大海原へ。一転して地底へ。どきどきわくわくで鼓動が早くなるような夢の力が、ヴェルヌ作品にはみなぎっているのです。
     なかでも、憧れさせる力が特殊に強い『海底二万里』。ヴェルヌ初期のシンプルな冒険譚とはやや異なる航路をたどるので、読み甲斐が違います。

     正体不明の巨大海獣が目撃され、政府から依頼を受けた(と言うのがカッコイイ!)アロナックス教授は調査捕獲にのりだします、が、教授の船が沈没。命を救ってくれた潜水艦のなかで、アロナックス教授はあの男と出会います。ついに現れた、ネモ船長★

     このネモ船長は真意を語らぬひたすら謎めいた男であり、潜水艦「ノーチラス号」の目的もはっきりせず。わけもわからず連れていかれるアロナックス氏が、そのわりに初めは素直に(?)冒険に手に汗握る、すこしズレた展開ですが……。
     まずは大きな船に乗って海洋の神秘に目を瞠り、理系好奇心をとくと満たすというのが『海底二万里』の楽しみの一つです☆

     その後、ネモ船長の行動は危険なまでに謎を深め、アロナックス氏との関係も不穏に。「もっと説明してくれないと分からないよ……」と読者からも要望を出したくなる箇所が目立ち出した辺りで、なんと謎は謎のまま彼らは解散決定します。
     海中でネモとアロナックスの冒険譚がドッキングし、そしてセパレートしていった成り行きに、何か構造美のような魅力を感じなくもなかったです★
     主人公が冒険を思いつき実行に移すというパターンを片足脱し、より複雑な構造の小説へ。ヴェルヌもまた作家としての冒険に出たのか?!

     そして、カリスマ性たっぷりながら、意外にちゃんと書かれていなかったネモ船長。読む人のなかにひそむ憧れが投影された、ミステリアスな残像。ネモは人物ではなく、概念でした。

  • 昔の作品とは思えないほど
    読み惚れてしまう作品です。
    ただし、生物系の分類はそれが好きでないと
    ものすごく冗長に感じてしまう感は
    否めませんのでそこのところは注意ね!!

    壮大なSFとともに、最後のネル船長が
    なぜ陸を憎むようになったかのヒントが
    少しだけ見えるように思いました。

    決して本文中では解明されませんが
    恐らく、家族もろともを
    何らかの悲しい手段で奪われてしまったのだと
    私は思っているのです。

    もしもそうでなければ
    富めるものを憎みはしません。
    なんかあったんだろうなぁ。

    未知の化け物の描写が巧み。
    巨大なタコとかの先頭の場面は
    イラストも付いていたなかなか
    壮観でしたぞ。

  • 「ノーチラス号の冒険シリーズ」を読もうと思ったが、本家の『海底二万里』も
    子供の頃に子供用のものを読んだ記憶があるけど、完訳版は読んでいなかったので購入。

  • 海底二万海里。この本を読もうと思ったきっかけは、森見登美彦先生の「四畳半神話大系」に登場したからだ。あれほどがっつり登場されれば、読まないわけにはいかない。さらに、母が読書好きで、もともと実家には大量の本があり(いまイメージした冊数の3倍です)、その中でも特に母のおすすめであったということでもある。もっというと、6歳くらいの時に乗ったディズニーシーのアトラクション「海底二万マイル」で怖くて泣き叫び、深々と僕の記憶にトラウマとして刻み込まれたことから、読んでもう一度対決してみなければいけないという気持ちもあった。
    1870年初版。初の19世紀の本!僕にとってのいちばん古い本、またもや更新されました。(聖書とシェークスピアを除く)
    では、いざ!
    1867年4月13日 スコティア号 西経15度12分 北緯45度37分 1000馬力 13.43ノット 喫水6.7メートル 排水量2367トン 夕方4時17分、、、、細かいよ!!!!!!!!
    フリゲート艦エイブラハム・リンカン号が自分の今住んでいるニューヨークを出港して、日本近海まで来ていることがなんか感動する。
    「ネモ船長」初めて名前が出てきた。ラテン語で誰でもないと言う意味だそう。かっこよすぎ。
    ジュール・ベルヌの知識すごすぎ。()なわ注釈がなければわからないものが多すぎる。この本を書くにあたってたくさん調べたのかな。でもそれはどうでもいいなくてもいいような例え話にまで登場して、スフィンクスの謎を解いた人の名前をネロ船長がアロナックスを見た時の表現で使ったり、幅が広すぎる。
    この人、羅列が度を超えてる。頭おかしい。たくさん本があって、その作者を2,3人言えばいいのに20人以上羅列する。意味あるのか?www
    羅列多いシリーズ「図書館の本の著者」「博物館の美術品」「音楽家」、、、キリがないので止める。
    この本が書かれたのは1870年。その間に当然科学の常識も変化している。本文に、「島がつながって大陸となり、最後に、現在見られるような陸地が、地理学的に定まったのである。」とある。現在の常識では、プレートテクトニクス(バカな僕でも空で出てきた!)によって、もともと一つの大陸だったものが別れて今の陸地の配置になったことになっている。昔の本を読んでいるということを思い起こされる。面白い。こういうの好き。
    23%。ノーチラス号は日本へ向かって舵をとった。こういうの嬉しいよね。まだ江戸から明治に変わったすぐの時代。すごい。
    というか、日本語でてきた。「クロシオ」、、、、で強調されていたからおそらくフランス語でも"Kiroshio"と書かれているのだろう。すごい!ありがとうジュール・ベルヌ!
    ノーチラス号の中の酸素が足りなくなっていた時、呼んでいるだけの自分も息が苦しくなるような感じがした。臨場感って言うのだろうか。関係ないけど、iPhoneで、「ノーチ」と入れただけで予測変換にノーチラス号が出てきた。すごい。
    窒息事件が終わったら今度は巨大タコ。タコにくちばし?んん??三つの心臓??むむ??
    仲間の1人を巨大タコに奪われた時、「大粒の涙が、彼(ネモ船長)の目から流れた。」この場面、初めて船長が感情をあらわにして、読んでるこっちも泣きそうになった。
    タコとの惨劇を先生が書に認めた。コンセイユとネッド親方は「こんな光景を描くには、我が国の詩人の第一人者、『海で働く人々』の著者(ヴィクトル・ユゴー)の筆を必要としたことだろう。」と言った。彼は僕の大好きな「レ・ミゼラブル」の作者で、そんな彼とこの本の中で巡り会うとは思わなかった。感激。
    ロングアイランドきたーー!!まさに僕が住んでいたところ!!
    江戸って言葉も出て来た。こいつ日本大好きか。
    ネモ船長の最後の言葉「全能の神よ、たくさんです!もう、たくさんです!」どういう意味だったんだろう。ゆっくり時間をかけて考えてみたい。
    この作品も、一冊前に読んだ「一九八四年」と同じく、光線銃もタイムマシンも出てこないタイプのSF物語。こういうジャンル好きかもしれない。

  • 言わずと知れたSFの祖、ジュール・ヴェルヌの海洋冒険小説。
    私の「枕元書籍」になる率が高い本なのです。


    ――――1866年、その怪物は大海原に姿をみせた。長い紡錘形の、ときどきリン光を発する、クジラより大きくまた速い怪物だった――――


    この小説が書かれたのはもう140年も前。
    科学が急速に発達しつつあったこの時代の人々にとって、かなり魅力的・画期的な物語だったんじゃないかな。

    学術的な記述が多くて読み辛い箇所もあるけど、この世界観にはもうドップリ。

    電気仕掛けの潜水艦、珊瑚礁の中の墓地、海底に沈む古代都市、不思議な生き物たち、次第に明らかになっていくネモの思惑・・・

    夜寝る前に、休日に、電車での暇つぶしに、あなたもアロナックス教授と一緒に海底へ出かけてみませんか!?

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著者プロフィール

Jules Verne, 1828 - 1905.
フランスの小説家。
『海底二万海里』『月世界旅行』『八十日間世界一周』
『神秘の島』『十五少年漂流記』など、
冒険小説、SF小説で知られ、SFの父とも呼ばれる。

「2016年 『名を捨てた家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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