- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488520083
感想・レビュー・書評
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異世界ファンタジーと童話や昔話の語り直しの短編集。
マキリップという作者にとっては、空の色や、遠くに嵐がある時の空気の湿り具合や、ちょっとした風のけはいのようなものが重要であって、弁証法的だったり実存的だったりする筋書きはどうでもいいのだと思う。いや、勿論彼女の作品は隙のない、丁寧な構成で組み上げられているけれども、それゆえに一層登場人物たちは操り人形めいて、シニカルに笑い飛ばされる。登場人物たちが、ではなく登場人物たちをヒーローに仕立て上げたがるある種の視点が。短編集である本書においてその傾向はきわだっている。一方、作者はどうやら人と人との関わりあいを信じているらしく、語り口はユーモアたっぷりで、結末は楽天的だ。その軽みにまた微風がそよいで来る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終わり方があっさり、と書くと良い印象に思えるが個人的にはぶつ切り感に呆然とさせられる短編ばかり
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どうもピンとこない短編集。原作を知らない二次創作を読んでいるような気分。読んでいてそれが比喩なのか、そのままの意味なのかわからない場面も多い。自分の読解力か感受性に問題があるんだろうとは思うが。
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ファンタジー!! って空気にどっぷり浸かりました。児童文学や日本のファンタジーとはまた違った、本場のハイ・ファンタジー。
世界観(設定)とかをことさらに説明しようとはせず、ただ絵画の世界のような美しい世界を物語るのは理想のスタンスなんだけど、想像力が追いつかなくてちょっと話の展開や心理描写についていけないとこがあったのが残念。
「ドラゴンの仲間」がお約束に乗っ取ったストーリー展開でわかりやすくて面白かったかな。ドラゴンとの二人旅を是非もう少し。世界の美しさは表題作が一番良かった。雪の女王はイマイチだったかな。雰囲気は文句なしに良かったので、また別の作品を読んでみようと思います。 -
短編集。一つ一つの世界観がしっかりとした、大人向けなファンタジー。
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2010年1月17日読了♪
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短編集なんですが、かなり独特なんでちょっと読みづらかったかなー。良いのもありましたが。
なんていうか、すごく幻想的なこと表現してるんだろうけど今あたし想像できないや、という感じになってしまって。
でもどっぷり嵌りこんで読めば、完全に違う世界にいけそうな気がします。
もう一冊長編を読めばなんとなく満足できそうな気がする……。
カバーイラスト / Kinuko Y. Craft
カバーデザイン / 東京創元社装幀室
原題 / "HARROWING THE DRAGON"(2005) -
短編集。
様々なタイプの作品で粒そろい、贅沢な内容です。
中身が濃すぎて、字も小さめで、読みやすくはないのが、何だかちょっともったいない…
紹介するにもまとめにくかったので、再読中。 -
短編集なので、何か物足りないまま。終了。
内容(「BOOK」データベースより)
龍が生み出す冬に封じ込められた、黄金と氷の街にやってきた龍追い人。古い血を誇る大領主のもとに派遣された、若き吟唱詩人がくだした決断。きれいなものに目がない醜いトロールが出合った、世にも美しいバラ。ドラゴンにさらわれた、女王お気に入りのハープ奏者を捜す、五人の女戦士の冒険…。ファンタジーの名手マキリップの、綺羅星のごとき15の物語を収めた贅沢な短編集。
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硬いかみごたえの短編集。ボーっとして読んでるとすぐわからなくなる。