星を帯びし者 イルスの竪琴1 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2011年6月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (378ページ) / ISBN・EAN: 9784488520151

みんなの感想まとめ

運命に翻弄される主人公・モルゴンの成長と葛藤が描かれた物語は、彼の内面的な変化と周囲との関係を通じて、深い感動を呼び起こします。彼は自らの定めに立ち向かう中で、時に逃れようと奮闘し、時に仲間との何気な...

感想・レビュー・書評

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  • マキリップ作品ではおおむね、男性よりも女性の方が行動的だ。『影のオンブリア』『茨文字の魔法』『オドの魔法学校』『冬の薔薇』『夏至の森』…どの作品でも、運命に敢然と立ち向かうヒロインが活躍する。振り返って、男性陣はどうも彼女達の引き立て役に過ぎないような立ち位置であり、魅力に乏しい。本作の主人公・モルゴンも、その例に洩れない。冒頭、彼は難問を説いて王冠を手に入れたにも関わらず、その王冠をベッドの下に入れておくという信じられないようなことをやっている。見せびらかすのはヒーローらしくないとしても、ベッドの下には置かないでしょう、フツー。その後、弟と共にミルクを妹から浴びせられるというおまけつきだ。

     とはいえ、「目立たないから」「欲がないから」といって、ヒーローの資格がないわけではない。『ハリー・ポッター』シリーズしかり、『ダレンシャン』しかり、そこから見違えるような変化を遂げたファンタジーの主人公も、枚挙にいとまがない。モルゴンもまた、選ばれし者の証―額に三つの星(表紙に描かれている)を帯び、誰にも弾くことができなかったイリスの竪琴を鳴らすことが出来たために、謎の竪琴弾き・デス(原文はDeathだろうか?)との出会いを機に、否応なく自らの定められた運命に引きずり込まれていく。故郷の仲間たちとの他愛のない会話で始まる冒頭から、一巻のラストまで読み通すと、モルゴンがいかに劇的な変化を遂げたか愕然とするだろう。

     連作のため、本作を読んだだけでは全ての謎が解けるわけではないことはことわっておく。むしろ、謎を次から次へと繰り出して、読者を苦悩の渦にのみこんでしまうだろう。デスの正体も、ラストに現れたあの人の目的も、まだ明らかではない。全ての謎を解くには、モルガンと共に前進するしかない。いざ行かん、マキリップのファンタジー・ワールドへ!

  • 読みたかった時には絶版で3冊そろわなかったのであきらめていたが、復刊でそろったので読むことに。
    田舎の領主が自らの運命を求めて、結局目的地へ向かうんだが、後ろ向きなんだよね。行こうとしたり帰ろうとしたり。最後は絶叫で終了。まだ続きがあるからそういう終わり方でもいいけど、この1冊だけじゃ何とも評価できん。
    ただ、今どきのファンタジーというか、どこかで聞いたようなモチーフをつなぎ合わせただけのパクリ物語と比較すると、そもそもこっちが元なのだという圧倒的な独創性と、物語それ自体に生命力が感じられるというのは凄いと思う。

  • 2012年8月25日読了。

    長らく読みたいと思っても手に入らなかった状態だった本。やっと手に入れて読んだら…う~~~~ん、意味がわからん。

  • 復刊したと思ったら版元が変わっていたので買いなおし。
    ハヤカワ版で1巻は読んでいたものの、読み直してみると半分話を忘れていたので新鮮な気持ちで読めた。マキリップの描く世界は、濃密で血の通った人間の営みが見えてくるところがとても良い、と改めて思った。
    魔法の力は心(マインド)に宿る。モルゴンの旅路は続く。

  • マキリップの名作を新訳で、というありがたい再版です。

    冒頭の、既に1つの問題を解き終わってしばらくしたところからスタートする、モルゴンの日常とヘドの平和の書かれ方が印象的。この後、モルゴンがどういう存在になるか、<平和>という概念が彼にとってどんなものなのかが、あんなに重要になるとは。

    デスは魅惑的すぎてどう考えたらいいかわからない。

  • 遙か昔の高校時代、ハヤカワ文庫版(山岸凉子の美麗イラスト付き!)で、ファンタジーの面白さを覚醒させてくれた名作が還ってきた!
    ただただ嬉しくもあり、懐かしくもあり、やっぱり傑作は何年たっても傑作でした。
    ファンタジー好きの人はもちろん、そうでない人も、この3部作によって『物語』の面白さを改めて気づくのではないでしょうか。迷うことなく「読め!」とお奨めできる名作です。
    嗚呼、早く続きが読みたい!

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著者プロフィール

脇明子

「2018年 『ねこのオーランドー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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