ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)

  • 東京創元社
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感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488522018

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  • アーサーゴードンピムを読みたくて全集2巻を読んだのだけどもうせっかくだからこれを機に全4冊読んでおくことに。

    こちら1巻の収録作は既読のものが3分の1くらい。おなじみ「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」あたりがやはり安定の面白さ。

    好きなのは女性の名前シリーズ「ベレニス」「モレラ」「リジイア」いずれも妻の死後にいろいろ怖いことが起こる系、いかにもポーらしいゴシックホラー。「約束ごと」もこの系列に入れてもいいのかな。何が起こったのかもっと具体的にはっきり書いてよ、とつい思ってしまうこともあるけれど、この、読者の想像力を刺激する余白がたぶん大事なんだなあ。

    哲学者にして料理人のピエール・ボンボンが悪魔と酒盛りする「ボンボン」、やはり悪魔が出てくる「オムレット公爵」、ある日自分が息をしていないことに気づいた男「息の喪失」、食い逃げの二人組が逃げ込んだ廃墟で化け物たちと遭遇する「ペスト王」等は、怖いことが起こっているけれどどちらかというとユーモラス。

    「メッツェンガーシュタイン」は1967年のオムニバス映画『世にも怪奇な物語』でロジェ・ヴァディムが「黒馬の哭く館」として映画化しているのだけれど、あれは大胆にも主人公を女性に変えてしまってジェーン・フォンダが演じていたっけ。倒錯的で耽美でした。

    異色なのは「ハンス・プファアルの無類の冒険」借金取りから逃げるために気球を作ったハンス・プファアルという男がその気球でなんと月まで行ってしまうという奇想天外な冒険もの手記。とはいえ、作中でどうも眉唾らしいと匂わされている。「壜の中の手記」もある意味冒険もので、個人的に推理小説、怪奇幻想幻想小説のイメージの強いポーが、先に読んだ2巻の「アーサー・ゴードン・ピム」他も含め、冒険・探検小説を沢山書いていたことは意外だった。

    あと「メルツェルの将棋差し」は、18世紀に実在したオートマタ(からくり)のチェス人形が、実は巧妙に中に人が隠れていただけだったという実話の考察。翻訳はもともと小林秀雄が抄訳したものを大岡昇平が補完。事実は小説よりも奇なりの典型のようなエピソードでとても面白い。小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』は確かこのチェス人形から着想を得て書かれたのじゃなかったっけな。

    ※収録
    壜の中の手記/ベレニス/モレラ/ハンス・プファアルの無類の冒険/約束ごと/ボンボン/影/ペスト王/息の喪失/名士の群れ/オムレット公爵/四獣一体/エルサレムの物語/メルツェルの将棋差し/メッツェンガーシュタイン/リジイア/鐘楼の悪魔/使いきった男/アッシャー家の崩壊/ウィリアム・ウィルソン/実業家/解説:佐伯彰一

  • 再読。阿部知二訳が割と好きなこともあり、『リジイア』似た雰囲気の『モレラ』『約束ごと』が好み。特に『リジイア』に出てくる詩はよかった。ポーがこれらの詩も創作したのだろうか。この全集の古めかしい訳が好きだけど、新訳が文庫で色々読めるので、機会があればそちらも読んでみたい。

  • 有名どころの話が多かったし面白かった。

    特に好きなのは、『ベレニス』『モレラ』『約束ごと』『ボンボン』『メッツェンガーシュタイン』『アッシャー家の崩壊』『ウィリアム・ウィルソン』あたりかな。

  • カニバリズムの描写めっちゃ惹きつけられた

  • 有名な『アッシャー家の崩壊』を読んでみようと手に取った一冊。美とグロテスクが紙一重のような雰囲気はあまり得意ではないのですが、それでも引き込まれてしまうあたり、アメリカ最大の文豪というのは怖いですね。目的の短篇以外では、『メルツェルの将棋差し』、『使い切った男』あたりが興味深かったです。(知りたくてたまらないことを誰かに聞こうとするたび、いいところで邪魔が入る展開はちょっと笑えました)

  • ポオにとって、なんらかの「死」はピリオドなのかもしれない。
    「死」というピリオドによって、個人が定義され、個人に帰る。
    正真正銘の個人主義。

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  • (108)

  • やっと読み終わりました。
    文字が小さくて読みにくいけど面白かったです。
    お気に入りは「息の喪失」「ボンボン」「アッシャー家の崩壊」かな。
    どの話も完璧でオチが突然なのが、読み手の好奇心をくすぐります。
    引き続きIIを読みます。

  • 『影』
    僅か4ページの物語だが、十分雰囲気を伝え、不気味なラスト。
    流石は、ポオ‼︎
    「息の喪失」
    巻き込まれ型の典型が、既に形成されている。
    「名士の群れ」
    寓話のよう。鼻は、文学者にとって特別な思い入れがあるのだろうか。

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