ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)

制作 : 阿部 知二 
  • 東京創元社
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レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488522018

感想・レビュー・書評

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  • アーサーゴードンピムを読みたくて全集2巻を読んだのだけどもうせっかくだからこれを機に全4冊読んでおくことに。

    こちら1巻の収録作は既読のものが3分の1くらい。おなじみ「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」あたりがやはり安定の面白さ。

    好きなのは女性の名前シリーズ「ベレニス」「モレラ」「リジイア」いずれも妻の死後にいろいろ怖いことが起こる系、いかにもポーらしいゴシックホラー。「約束ごと」もこの系列に入れてもいいのかな。何が起こったのかもっと具体的にはっきり書いてよ、とつい思ってしまうこともあるけれど、この、読者の想像力を刺激する余白がたぶん大事なんだなあ。

    哲学者にして料理人のピエール・ボンボンが悪魔と酒盛りする「ボンボン」、やはり悪魔が出てくる「オムレット公爵」、ある日自分が息をしていないことに気づいた男「息の喪失」、食い逃げの二人組が逃げ込んだ廃墟で化け物たちと遭遇する「ペスト王」等は、怖いことが起こっているけれどどちらかというとユーモラス。

    「メッツェンガーシュタイン」は1967年のオムニバス映画『世にも怪奇な物語』でロジェ・ヴァディムが「黒馬の哭く館」として映画化しているのだけれど、あれは大胆にも主人公を女性に変えてしまってジェーン・フォンダが演じていたっけ。倒錯的で耽美でした。

    異色なのは「ハンス・プファアルの無類の冒険」借金取りから逃げるために気球を作ったハンス・プファアルという男がその気球でなんと月まで行ってしまうという奇想天外な冒険もの手記。とはいえ、作中でどうも眉唾らしいと匂わされている。「壜の中の手記」もある意味冒険もので、個人的に推理小説、怪奇幻想幻想小説のイメージの強いポーが、先に読んだ2巻の「アーサー・ゴードン・ピム」他も含め、冒険・探検小説を沢山書いていたことは意外だった。

    あと「メルツェルの将棋差し」は、18世紀に実在したオートマタ(からくり)のチェス人形が、実は巧妙に中に人が隠れていただけだったという実話の考察。翻訳はもともと小林秀雄が抄訳したものを大岡昇平が補完。事実は小説よりも奇なりの典型のようなエピソードでとても面白い。小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』は確かこのチェス人形から着想を得て書かれたのじゃなかったっけな。

    ※収録
    壜の中の手記/ベレニス/モレラ/ハンス・プファアルの無類の冒険/約束ごと/ボンボン/影/ペスト王/息の喪失/名士の群れ/オムレット公爵/四獣一体/エルサレムの物語/メルツェルの将棋差し/メッツェンガーシュタイン/リジイア/鐘楼の悪魔/使いきった男/アッシャー家の崩壊/ウィリアム・ウィルソン/実業家/解説:佐伯彰一

  • ポオにとって、なんらかの「死」はピリオドなのかもしれない。
    「死」というピリオドによって、個人が定義され、個人に帰る。
    正真正銘の個人主義。

  • ポオ氏の全集第1巻。

    冒険あり、ミステリーあり、ホラーあり、さすがだなと大変感心しました。

    描写の仕方が説明調が長ったらしいようにも思えたが、
    (訳のせいかもしれないけれど)
    それがポオさんのスタイルなのかなと考えると、
    読んでいくうちにさほど気にならなくなった。

    「ハンス・プファアルの無頼の冒険」「使いきった男」が特におもしろかった。

  • ポオの全小説作品を四分冊で――その1。
    意外にもクスッと笑える小咄が多いことに驚き。
    でも「アッシャー家の崩壊」に先立つゴシック小説、
    「ベレニス」「モレラ」が不気味でナイス。

  • この本に収められている『ベレニス』を読んで、
    久しぶりに本を読んで悪寒走った。

    江戸川乱歩の『芋虫』の、ねっとり、じっとりした気持ち悪さと違い、
    ぞくっとする気持ち悪さを持った作品だと感じた。

    他の作品にも独特の雰囲気を感じた。
    ただ終わり方がよく似ている、というか
    ある程度読めてしまったのが少し残念だった。

  • 表紙の装丁は好きだけど、文字が詰まっていてちょっと読みにくい。

  • なんて贅沢な文庫本だろう。

  • 全4巻。古今全ての幻想的で凄絶な美を包括する偉大な著作群。

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