ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

制作 : 大西 尹明 
  • 東京創元社
3.67
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本棚登録 : 1726
レビュー : 164
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488523015

作品紹介・あらすじ

彼の生みだしたクトゥルー神話が怪しく息づく傑作「インスマウスの影」そして「闇に囁くもの」、デラポーア家の血筋にまつわる恐るべき秘密を描いた「壁のなかの鼠」、彼の知られざる一面を垣間見せるブラック・ユーモアの「死体安置所にて」の4編を収録した、怪奇小説ファン必読の書。

収録作品
「インスマウスの影」 「闇に囁くもの」 「壁のなかの鼠」 「死体安置所にて」

感想・レビュー・書評

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  • 4篇の短編集。著者が生み出した「クトゥルフ神話」とはどんなものかと思い、ホラーは苦手ですが手に取りました。

    忌み嫌われた街――“インスマウス”に好奇心で赴いた青年に舞い込んだ底知れぬ恐怖を描いた1作目の短編『インスマウスの影』。
    得体のしれない何かから、じわりじわりと追い詰められていく恐怖と不気味さが読み手にも伝わり張り詰めた緊張が続きます。背筋がぞくりとする描写が続くも、先が読めない展開に一気読み。まさかそんな後日談が待ち受けているなんて…!と予想ななめ上のラストにしばらく放心しました。150頁弱の短編に凝縮された、闇を携えた恐怖とわずかに垣間見える長い長い歴史。読み応えは十分です。

    この1作目で体力を削られなかなか2作目以降に進めず今に至ります。さらにはこの先に長く深く続くラヴ・クラフト作品群が控えていますが…どこまで手が伸ばせるかは未知数。。

  • 収録作は
     ①インスマウスの影
     ②壁のなかの鼠
     ③死体安置所にて
     ④闇に囁くもの
    ――で、なんというか「信頼できない語り手」手法的。
    あー、これは騙されるなー、やられるなー、と予感しつつ、
    わー、やっぱりー(^_^;)てな具合にハメられちゃったりして。
    感触は別種のものだけど、夢野久作の一連の作品を連想しました。
    ①が一番ショッキングかなー。

  • クトゥルーつながりで本家に立ち返る。
    独特な言葉運びで執拗に描かれる不気味さ。やっぱりラヴクラフトは偏執的で不気味で面白い。「インスマウスの影」が最高です。また、夢にでてきそう。

  •  SAN値がごりごり削られる。

     収録は「インスマウスの影」「壁のなかの鼠」「死体安置所にて」「闇に囁くもの」の四作。クトゥルフ関係は「インスマウスの影」と「闇に囁くもの」。
     改行少なくて文字がびっしり。翻訳ものらしく、遠回りな言い回しが多く一文が長くて意味が取りづらい。読めなくもないけどもうちょっと読みやすくできるだろうなとは思う。まあそしたらこの雰囲気は崩れちゃうのかもしれないけど。
     ホラーとして普通にどれも面白かった。クトゥルフじゃなかったけど、「死体安置所にて」が一番好き。短くて読みやすいし、いいオチです。
     適度にグロくて適度に気持ち悪い。登場人物たちがクトゥルフ関係の何かに接したときに感じるいいようもない恐怖心というか嫌悪感ってのが好きだなぁ。どうしてそう感じるのか、っていう問題じゃないあたりがとても。そういう存在なのだ、と定義されてる感がいい。ただまあ「闇に囁くもの」の主人公、ラストはちょっと軽率だったよ。だって、どう考えても最後の手紙書いたの、別人じゃん。その時点で殺されてるじゃん、エイクリーさん。その手紙の雰囲気だとか文体とか、思考の流れとか、そういうのを根拠にするんじゃなくて、もうちょっと確固とした信じるにたる何かを用意してほしかった。
     抜粋、「インスマウスの影」より。


    「(略)――イア! イア! クトゥルフ・フタグン! フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル・フタグン――」


     まあ引っ張ってくるならここかなって。

  • クトゥルフ神話の原典。古典ホラーで、典型的だけど印象深い仕組みのものが多かった。現代のスプラッタや人間の醜さ系の惨い強さとは違うので、安心して楽しめるタイプのホラーだと感じた。
     TRPGで有名な、「イア、イア、クトゥルフ、フタグン!」などのクトゥルフへの祈祷文も登場する「インスマウスの影」の最後が好き。

  • 元々彼の人のことはTRPGの方で知ったのだが、元を知るとやはり人気になるだけの魅力があるのだと思った。
    散々ひどい文章だと本を勧めてくれた知人には言われたものの、余程の悪文なのだろうと開いてみればまったく読みやすいではないか(とはいえ、あくまでも想像よりかなり良かっただけであって、多少引っかかる部分がないわけではなかった)。
    罪と罰やレ・ミゼラブルなどのすぐれた小説を初めて読んだ時のように、ひたすらに貪り読んだのを今でも昨日のことのように覚えている。当時のわたしにとって、ラヴクラフトの書く物語はてんで未知の世界だったので余計に。
    成長した今改めて読むと、当時ほどの感動はなくなっているもののやはり内容が好ましい。今でもふと、眠れない夜に明かりを灯して読みたくなる。想像力を触発されて余計に眠れなくなる。ラヴクラフトの魔力は本当に恐ろしい。

  • 知った気になっている作家の代表的な一人だと思っているラヴクラフト。実際には短編をひとつふたつ読んだきりなので、あらためて読んでみようと思い立ちました。
    最初からメジャーどころの「インスマウスの影」なので、取っつきやすかったです。
    ほんと、SAN値が上がる話ばかりだわ。ほかのも読みます。

  • なんだこれ。超怖かった。
    展開としては「インスマウスの影」「壁の中の鼠」「闇に囁くもの」は似ているんだけど、それでもそれぞれの作品から凄味を感じる。予測は立つんだけど読み切った時に「こわっ」って身震いする。クトゥルフ恐るべし。

  • ラヴクラフトの、民俗学的な或いはコスモロジカルな恐怖を湛えた怪奇小説集。

    幾つかの小説中に、"神を畏れぬ者"という表現が出てくる。人間は古来より"神"という概念を留め金にして、自分たちの周囲に人間的で heimlich な宇宙観(コスモロジー)を構築して、安定的な世界解釈を行ってきたのだろう。ここに収められているのは、そんな馴染みあるコスモスの外部に逸脱してしまったような unheimlich で超宇宙的な趣のある作品たちだ。

    「インスマウスの影」「壁のなかの鼠」外なる悪夢が、実は自分の内に巣食っていた、そしていつの間にかその"影"が物語を抜け出て読者にも憑依していきかねない、そんな展開が見事だった。うらさびれた街に嘗て起こった怪奇事件という出だしの、不穏な空気がいい。

    「死体安置所にて」ブラックな笑いを生む掌編。見事な小噺。

    「闇に囁くもの」SF的な趣もある恐怖小説。超科学的な宇宙間移動法が、余りに強烈だ。 

  • 2巻から4巻を紛失

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