ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))

制作 : 宇野 利泰 
  • 東京創元社
3.64
  • (53)
  • (56)
  • (136)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 888
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488523022

作品紹介・あらすじ

宇宙的恐怖にみちた暗黒世界への鍵ともいうべき作品「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」魔神の秘密を知った青年を襲う恐るべき出来事を描いた傑作長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」を収録。

収録作品
「クトゥルフの呼び声」 「エーリッヒ・ツァンの音楽」 「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 第2巻。
    収録作で最も有名なのは『クトゥルフの呼び声』だろう。最初に読んだときは衝撃だった。
    2巻の大半を占める『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』は、読み返すたびに、冒険小説のように感じてしまう。欧米のホラーは怪奇現象に対して『立ち向かう』『戦う』という傾向が強いせいだろうか。
    時代が下って現在に近くなると、米国のホラーは『物理的に危害を加えられる』方向に進む気がする。文化的な違いが垣間見えて面白い。

  • 引越しなどで散逸していた創元推理文庫のラブクラフト全集を、再度買い直した。2巻には、「クトゥルフの呼び声」、他2篇が採録されている。
    この中で最も気に入ったのは、中編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」である。怪しげな古代魔術に魅入られて次第に変貌を遂げていく、主人公。
    苦労しながらも、彼の「ゴール」に向かって前進していく過程は、ちょっと謎解きと似た面白さがある。
    また、細部まで作りこまれた世界観がたまらないのと同時に、古代探求に熱中する主人公の姿に、ある種の共感を覚えてしまう。(決して、こうなりたいというわけではないが・・・あしからず)。

  • 独特な世界観を持つ怪奇小説家、ラヴクラフト全集の第2巻です。
    短編が多い中、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」を収録しています。
    じっくりと狂気が語られ、読者を暗い深淵へ導きます。
    ラヴクラフトを楽しむためには、逞しい想像・妄想力が欲しいものです。
    第3巻にも期待します。

  • ン十年ぶりの再読。

    やはり「クトゥルフの呼び声」は圧巻。
    クトゥルフ登場シーンは何度読んでも興奮してしまう。
    好きなラブクラフト作品は?の質問に常に答えていた「エーリッヒ・ツァンの音楽」は記憶していた物語とは全く違っていたことに驚く。
    悩める音楽家が禁断の音楽に手を出し、とんでもないことが巻き起こる的な話だと思い込んでいたのだが、誰の何の作品と勘違いしていたんだろう??

  •  ふんぐるいふんぐるい。

     「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三本。チャールズのはそこそこ長め。クトゥルフ関係は呼び声だけ。でもチャールズ~のなかにヨグ・ソトトって神様は出てくるんだよな。ヨグ=ソトースと同一なのかしらね。
     呼び声も奇怪な事件もどっちも、手に入れた資料をもとに研究を進めていく、みたいなそんな展開。真実に近づくほど狂っていくパターン。奇怪な事件のほうさ、お医者様、ウィレット医師、そこそこご高齢だとは思うんだけど、めちゃくちゃ行動力と勇気あるな。最後、普通の精神力をもったひとだったら、あの地下の地下を探索するなんてできないと思うよ。じーさん、すげーわ。最終的に病院に閉じ込められてたはずのチャールズ(と思われていたもの)は失踪したんじゃなくて、じーさんに祓われた、ってことだよね。チャールズも、秘術のほうまで手を出さなくて、普通に歴史的事実だけ追いかけて研究しとけばよかったのにね。なんで自分でも実践しようと思っちゃうかなぁ。
     抜粋、「クトゥルフの呼び声」より。


    要するにぼくは、宇宙が恐怖を楯に守りぬこうとする秘密を知ってしまったのだ。


     宇宙の意思を感じる……

  • ラブクラフトが安定したホラー風味ファンタジーの書き手だというのは納得したが
    なぜクトゥルフ神話になり得たのは理解できないのは
    やはりホラーがさっぱりわからないからか文化の違いか
    本当に日本人というか英語とその文化圏にないひとが
    ラブクラフトのそうぞうするホラーというのを理解しているのだろうか
    ホラーに理解はいらないのかもしれないが

  •  1に引き続き、正体不明のものを正体不明のままで恐ろしさをかき立てる描写を楽しむコズミック・ホラー。TRPGでおなじみの神話異性物や展開により、あれの元ネタはこれなのかという風に眺められた。秋の夜のお供に良い一冊。

  • 古風で回りくどい文体に辟易しながらも、
    読了。

  • 元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、
    ボロボロになるまで読み込んでいました。
    なのでこの本は再読の再読。
    ・クトゥルフの呼び声
    大伯父の残したものを調べることで、
    知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。
    未知なる名状しがたきものから追われる恐怖!
    ・エーリッヒ・ツァンの音楽
    禁断の曲を奏でたことの悲劇か?
    それとも、その演奏を未知なるものに愛でられたのか?
    ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件
    不可思議なる先祖を調べることにより、
    後戻りできない運命となる青年と、救おうとする医師。
    クライマックスの対決は息をのむ!

    作者の創造力が毒々しく花開く作品集です。
    風景や人物の描写の素晴らしさの中に潜む、恐怖。
    じわじわと忍び寄ってくるけど、読むのがやめられない!

  • ・クトゥルフの呼び声
     これに出てくるクトゥルフという単語から、クトゥルフ神話と呼ばれるようになったらしい。地球規模で複数の人間に似たような恐怖の夢を見させることができる存在。それが海底のル・リエーの家で眠っていると。なかなか壮大なスケールの恐怖感がよい。

    ・エーリッヒ・ツァンの音楽
     呪いの旋律とでもいうべき音楽を奏でるエーリッヒ。実はその旋律で魔物と闘っていたのだろうか。短いながらも印象深い話。

    ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件
     ネクロマンサーが一般社会に暮らしていたらどうなるか、という話。長い割にはインパクトがなかった。魔術師対決が見られるとは思っていなかった。そこだけが目が覚める思いがした。

  • 総じて1巻より読みやすくインパクトも強い。
    長さ的にもタイトル的にも、重要な巻なのだろう。

  • TRPGで有名らしい「クトゥルーの呼び声」を筆頭に収録。

    他の巻に比べ、怪異に直接対峙している(というか、対峙している描写が比較的正気のまま書かれている?)作品が多いのが特徴。幻想的な雰囲気を楽しめる「エーリッヒ・ツアンの音楽」がこの間の中ではお勧めか。

  • HUMICでの請求記号「創元推理文庫/F/ラ-1-2」

  • 「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三篇収録。
    どれも不気味でどんよりとした雰囲気の恐怖が味わえます。お気に入りは「エーリッヒ・ツァンの音楽」。とても幻想的に思えたけれど、不気味でもあるし。はっきりと恐怖の正体が明かされずにもやっとした感じなのがまた印象的。恐ろしい出来事がいったいなんだったのか、知りたいような知りたくないような……。

  • クトゥルフ神話の著者、ラヴクラフトの全集2巻。「クトゥルフの呼び声」も「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」もクトゥルフらしくてぞわぞわしました。先祖の歴史を調べてはいけない(笑)

  • 『肉体器官の作用が極度に均衡を失って…』『見る者をして、部屋の隅々から妖気の立ち昇る思いを感じさせるのだった』だの持ってまわった小難しい言い回しが多いのが著者(翻訳?)の特徴。おかげで「古風」で「変に不気味」で「妙なシズル感」がある文章。
    その上長編でサラッと読むめない、序盤で何となくオチの予想が付く。けれど何回も読み返してしまう「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」。
    特に後半のドロンドロンな展開が同じく後半の主人公であるウォレット医師の勇気と行動によって思わず読み進めてしまう展開にしているのがなんかいい。

  • 全集2巻目は3作品が収録。世界は安定したものではなく、辛うじて危ういバランスの上に存在している。ふとしたきっかけからそれを認識してしまう恐怖と絶望。この世界観は好きだけど、文章が華美でくどいのよね。あと7冊?読めるかな。

  • クトゥルフの呼び声の壮大な宇宙観に、悪夢でたまに感じる、あの全身が総毛立つようなゾッとする根源的な恐怖心が蘇ってきた。

    ラヴクラフトの一人称で淡々と語り続ける作風が好きだ。神秘学や黒魔術に彩られた重厚な宇宙的ゴシック小説。

  • 幻想的な小説。普通(しいていえばちょっと知的)な主人公が古代の神々の秘密に近づいて…という流れは一定なのだが、毎回落としどころ(て言ったら悪いかな)が違うのでなるほどな、と思いながら読めます。チャールズ・ウォードの物語は長編でラヴクラフトの世界観にどっぷり浸かれます。エーリッヒ・ツァンの音楽は短編ですが音楽がテーマに出てきて気にいっています。

  • 収録されている中では「エーリッヒ・ツァンの音楽」の音楽が一番好き。
    日常と隣り合わせの恐怖が好み。本来なら一生出会うことのない世界を一瞬だけ垣間見た、という短編。設定、小道具、萌えます。

    「クトゥルフの呼び声」は我々一般の人間が信じている世界がゆらぐ感覚が面白く、心地よく、怖いです。

    「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は長編で、描いている期間が長く、おどろおどろしい小道具がたくさん登場するので、雰囲気がある。
    サスペンス映画みたいな進行で、どきどきする怖さ。

  • やはりラヴクラフトは短編がいいです。といいつつも読んでる間はどっぷり。

  • クトゥルフ神話大系の長、ラヴクラフト全集の2冊目は、今なお映画の原作モチーフとして用いられるホラーの名作『クトゥルフの呼び声』の他、傑作短編でショートホラームービーのような『エーリッヒ・ツェンの音楽』。ラヴクラフトとしては珍しい長編小説であり、話の中盤の途中がやたらと中弛みして退屈になる所などは、かの怪奇カルトムービー映画の父ロジャー・コーマンの演出風味そのまんまの展開が有る意味で味わいの深い『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』を収録。今にすれば恐怖、怪奇というよりも奇異な物語はかえって新鮮に感じられる。

  • 「クトゥルフの呼び声」始まり、短編「エーリッヒ・ツァンの音楽」をはさみ、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」で終わるこの第2巻はこれぞラヴクラフトという感じがした。

    ちなみに、今のところラヴクラフト全集1~4巻までしか読んでいなく全部読んだわけではない。各話の軽い感想を書いていく。

    「クトゥルフの呼び声」はまさにクトゥルー神話の原典ともいうべき話でクトゥルフを始めとする地球上に潜む人間をはるかに凌駕する者達の存在や、それを示唆する魔導書の存在、海底に沈む古代都市など、クトゥルー神話にとって重要な物々が一つにまとまった話である。地球に潜む秘密のあまりの大きさにSFでありながら、頭がクラクラする様な思いがした。

    「エーリッヒ・ツァンの音楽」は怪談話の様な怖さがある話しである。主人公がかつて暮らしていた下宿で経験した奇っ怪な体験。命からがら逃げたし生き延びたものの、住んでいたはずの街は存在自体がなくなってしまっていた。あれは何だったのか、詳細が書かれずに読者は想像するしか無い。初めてラヴクラフトの作品を読んだ時に感じた感覚に似ている。都市伝説のような感じがする話しである。

    「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は長編である。本書の3分の2がこの話である。最初に結末から話し始めるという始まり方といい、魔術を利用した常識はずれの長寿を扱っているところといい「戸口に現れしもの」に似ている。まず本編は過去に生きた魔術師の暮らしぶりが、残された文献から得られた情報という形で現れる。更に、その魔術師を研究している青年、これがチャールズ・ウォードであるのだが、の人生についても本人からの証言や、記録などによって語られる。本編は一連の出来事に遭遇し、それに対応したある老医師の語りという形で語られるのである。
     初めは、志半ば似て倒された邪悪な魔導師の一生が語られ、次にその魔術師の研究に没頭し、最終的に悲劇的な最後を迎える青年。その青年を救おうと、駆けずり回るも、自身も不可思議な出来事に巻き込まれ、全てを理解する老医師。それぞれの一生が事細かに、かつそれぞれの場面場面が自然と移っていく文章は素晴らしとしか言いようが無い。
    最後現代に蘇った魔術師と、老医師の短いながらも緊張する対決シーンといい、ラヴクラフト不朽の名作と謳われるだけあって、見所満載の素晴らしい話しである。

  • 『エーリヒ・ツァンの音楽』がオススメ。

  • ずっと読んでみたかったクトゥルフ神話の元であるラグクラフトの『クトゥルフの呼び声』
    邪神クトゥルフの話はどんなもんだろうと思っていたけれど、思った以上に気持ち悪かった。
    おそらく、映像ではなく、小説だから気持ち悪いのだと思う。グロテスクな表現と吐き気を催す描写表現がうまいなと思った。
    この『ラグクラフト全集2』には他に2編入っているが、『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』の読みごたえはすごかった。全体的に、得体のしれない何かへの恐怖が描かれており、その得体のしれないものに対してわかることが「気持ち悪い」ということに結びつく、そしてそれが多すぎる気がした。ここまで多いと全てが気持ち悪いので覆い尽くされるので、吹っ切れている感じがする。
    少し日本語が読みにくい印象だったが、ほかの怪奇小説はどんなものか読んでみたい。

  • 『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』が素晴らしい。
    ラヴクラフトには珍しいらしい長編だけど、
    長さに見合った壮大なストーリー。
    やっぱりラヴクラフトは必読だな。

    ところでこれは映画化されているらしいけれど、
    微妙なところだ。
    B級でもいいけど「ポー」を騙るのはちょっと...。
    ポーもラヴクラフトもどちらも可哀相だ。

  • 「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」、過去の奇怪な事件とその調査を行っていた子孫の身に起こる事件。壁の下から発見される肖像画、先祖と容姿がうり二つであること、謎の言語の文書、儀式…とじわじわ恐怖心を盛り上げ得る要素が満載。真相に近づいていく怒濤のクライマックスに魅せられる。
    「クトゥルフの呼び声」、「エーリッヒ・ツァンの音楽」はベタだけど楽しい。

  • 世界最古と思われる宇宙スライム小説かつ集団発狂「クトゥルフの呼び声」および他2編収録。やはり半分を占める、悪魔召喚の話が素晴らしいですな。2世紀前の話を書き上げた上に、それを現代に再現するという、現代ハリウッド映画そのもののストーリー展開に感服。信じられないけど、これが書かれたの、1920年代なんだぜ。

  • <クトゥルフの呼び声>
    わりとオーソドックスな話の展開で比較的すんなり読める。
    クトゥルフ神話の入門的な一篇。
    この本に収録されてるクトゥルフ関連の話はこれだけ。

    <エーリッヒ・ツァンの音楽>
    なんか幻想的。
    HUNTER×HUNTERの「闇のソナタ」の楽譜、あのエピソードを思い出した。
    真相は闇の中、なオチ。

    <チャールズ・ウォードの奇怪な事件>
    長編。読むのにやたら時間がかかる…
    でもたたみかけるようなクライマックスは読んでいてけっこう爽快。
    じいさんがんばった。

全53件中 1 - 30件を表示

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))のその他の作品

ラヴクラフト全集 2 (創元推理文庫) Kindle版 ラヴクラフト全集 2 (創元推理文庫) H・P・ラヴクラフト

H・P・ラヴクラフトの作品

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))を本棚に登録しているひと

ツイートする