ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))

制作 : 大滝 啓裕 
  • 東京創元社
3.73
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本棚登録 : 687
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488523039

作品紹介・あらすじ

アーカムやアヴドゥル・アルハザードが初めて言及される初期の作品や、ロバート・ブロックに捧げた作者最後の作品をはじめ、時空を超えた存在〈大いなる種族〉を描く、ラヴクラフト宇宙観の総決算ともいうべき「時間からの影」など全8編を収録。

収録作品
「ダゴン」 「家の中の絵」 「無名都市」 「潜み棲む恐怖」 「アウトサイダー」 「戸口にあらわれたもの」 「闇をさまようもの」 「時間からの影」 「資料:履歴書」

感想・レビュー・書評

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  • 「ダゴン」
     ある船員が海の真ん中で体験した恐怖の記録。
     海上の不気味な島も良いんですが、オチが非常にいい味を出してました。
    「家のなかの絵」
     雨宿りに入った不気味な家で出会った本の挿絵、そして白痴めいた老人の語り。
     ラヴクラフトらしく、婉曲な表現で想像を掻き立てる手法が怖さを引き立ててます。
    「無名都市」
     無名都市に辿り着いた探検家の物語。ごめん、イマイチ伝えたいことがわからなかった。
    「潜み棲む恐怖」
     薄気味悪い山に館をかまえていた呪われた血統という、いかにもな舞台設定。
     オチも含めて非常にラヴクラフトらしい作品でした。
    「アウトサイダー」
     自分の正体は実は…な、お話。オチも含めて雰囲気がよい。
    「戸口にあらわれたもの」
     精神交換・精神乗っ取りなお話。「インスマウスの影」とシンクロする部分もありなかなか面白かった。
    「闇をさまようもの」
     地元の人ですら避けるとある黒々とした廃墟のような教会から、壮大な狂気が迫ってくる話。
    「時間からの影」
     大学教授ナサニエル・ピースリーが体験する奇妙な二重人格と幻覚症状、そしてその真相。
     非常にスケールの大きな話でコズミックホラーに相応しい内容でした。

  •  窓に! 窓に!

     「ダゴン」「家の中の絵」「無名都市」「潜み棲む恐怖」「アウトサイダー」「戸口にあらわれたもの」「闇をさまようもの」「時間からの影」の八編。どれも短め。最後のが長かったかな。
     そもそもクトゥルフ神話ってのはラヴクラフトが体系化したものじゃないからこういう表現するのは違うんだろうけど、「家の中の絵」「アウトサイダー」以外がクトゥルフっぽいかなぁって感じ。「家の中の絵」もアーカムって地名が出てきてはいるんだけど。
     「時間からの影」の大いなる種族って、グラーキのこと? なんか外観の描写がそれっぽいなぁって。調べてないから分からんけど。
     「ダゴン」の「窓に! 窓に!」が読めたから満足なんだけど、ぶっちゃけそれ以上に「アウトサイダー」がめちゃくちゃ好みでした。うん、ほんと、すごい好き。オチは途中で読めちゃうんだけど、なんだろう、最後の一行できっちり落としてくるの、いいよね。「時間からの影」とか「戸口にあらわれたもの」とかも。
     すごいどうでもいいけど「戸口にあらわれたもの」に脱字ない? P125最後から五行目。「決して白くならないじゃもじゃの顎髭を」ってあるんだけど、「もじゃもじゃ」だよね?
     巻末の解説を読んでないので、1、2巻のも含めてちゃんと読んでおきたいです。あとクトゥルフ神話を体系化したダーレスの著作も読みたい。
     抜粋。「潜み棲む恐怖」より。


    しかしすべてはむなしく、どこからともなく到来した死は、殺戮を除いて、何らの痕跡も残していかなかった。


     一番でっかい痕跡だろそれ。

  • 久々に読んだら、すごく時間がかかってしまった。
    ラブクラフトの創作活動の各時期の
    代表作を集めた作品集。
    短編七作、中編1作、本人による履歴書が収録。
    偶然、或いは自ら深い謎を探求して、
    名状し難き者に出会ってしまい錯乱するという定型は、
    初期から始まっています。
    ・ダゴン・・・初期の作品。
      短編ながら、その原型となる特色があります。
    ・家のなかの絵・・・最後が尻切れトンボな感。
    ・無名都市・・・あの狂える詩人の名が初出。幻想的。
    ・潜み棲む恐怖・・・邪悪な一族は主人公と何か繋がりが
      ありそうだけど、わからぬままで終わり(^^;
    ・アウトサイダー・・・囚われの主人公が戒めの館から出て
      見たものは?描写とクライマックスが秀逸。
    ・戸口にあらわれたもの・・・インスマウス出身ですか~。
      「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」とも類似。
    ・闇をさまようもの・・・ラブクラフト最後の作品。
      雷鳴と停電、群衆が恐怖を掻き立てる。
    ・時間からの影・・・定型の、SF的&幻想的な集大成。
      でも冗漫。読み進めるのが大変でした。
    ・履歴書・・・ラブクラフトの本質を知る一端になります。

  • ある登場人物がなんらかの謎に疑問を持ち、恐ろしい秘密が明らかになる。定型的、ワンパターンといわれがちなラヴクラフトだが、薬物、忌まわしい因縁の館、都市の遺跡、解読不能の書物、自らが自らでは無くなる不安など様々な題材を使っていることに気づく。特に「家のなかの絵」で海外の事物、「潜み棲む恐怖」の見捨てられた貧しい者たちの部落からやってくるものといった題材には作者の生活圏外の未知なるものへの恐れが読み取れる(差別者であることをこちらが意識してしまうからかもしれないが)。人間ではないものに変化する側の視点で描かれた「アウトサイダー」、時空間に関する科学的視点からスケールの大きな凶々しい宇宙史が展開される作者らしい傑作「時間からの影」が特に面白かった。

  • ダゴン
     短い!「窓に!窓に!」の終わり方が印象的だけど、本文にダゴンの言葉が出てこないのはなんだかなあ。『インスマウスの影』のダゴン教団の聖地だったのだろうか。

    家のなかの絵
     これまた短い!そして起承転結でいえば、起承で終わるという中途半端さ!爺さんが食人鬼だったんでしょ。

    無名都市
     超古代の遺跡を探検…。何かが起きるぞ、という雰囲気を醸し出す書き方は、HPLのお家芸ですね。

    潜み棲む恐怖
     雷で現れる地底人、マーテンス一族。不思議なこともあるものですねえ。

    アウトサイダー
     時々記憶をなくしては、自分が何者なのかを問う、不死者のライフワークだろうか。

    戸口にあらわれたもの
     ネクロノミコン、インスマス、アーカム、ミスカトニック。ようやく、クトゥルフ神話体系らしく、おなじみの共通言語が出て来るようになってきた。。魂を入れ替える魔術の恐怖。

    闇をさまようもの
     トラペゾヘドロン登場!それを見ることによって、ヨグソトホースを召喚してしまった話。

    時間からの影
     一億年以上も前の世界の「大いなる種族」と精神を交換した話。三角錐の身体というのが、どうにも恰好悪い。主人公の感じる本当に昔に行っていたのか!という恐怖感は、理解できる。

  • ホラー短編集。とにかく厭な雰囲気がじわじわとつきまとう作品だなあ。夜中にひっそりと読んでいると、雰囲気に浸れます。海辺の寂れた民宿とかだと、ぴったりかも(笑)。
    お気に入りは「戸口にあらわれたもの」。これが一番怖かったかなあ。そしてやっぱり厭だ、インスマウス。
    「時間からの影」も凄かった。個人的に、宇宙的恐怖とかいうのは壮大すぎてあまり怖いとは思えなかったのだけれど。イメージの壮大さには飲み込まれる心境でした。

  • 「無名都市」の階段を下りていく描写が非常に好みだ。同様のモチーフは他の作品でも見られるが、この作品は延々とそれをやっている印象がある。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    二十世紀最後の怪奇小説作家ラヴクラフト。その全貌を明らかにする待望の全集――本巻には、アーカムやアヴドゥル・アルハザードが初めて言及される初期の作品や、ロバート・ブロックに捧げた作者最後の作品をはじめ、時空を超えた存在〈大いなる種族〉を描く、ラヴクラフト宇宙観の総決算ともいうべき「時間からの影」など全八編を収録。

    【キーワード】
    文庫・短編集・全集・ホラー・クトゥルフ神話・SF


    ++1+++1

  • 第3巻。
    小説の他、資料として『履歴書』と題された文章を収録。
    個人的に『無名都市』『アウトサイダー』のような、断章的な短編が好きだ。特に『無名都市』は昔から好きだったなぁ……。
    3巻から翻訳は大瀧啓裕氏に代わり、以降、完結まで氏が担当することになる。

  • 大好きな【無名都市】【時間からの影】が収められてる第3巻。シュリーマンやハワード・カーターの発掘ものばかり読んで育ったせいもあるのか、何度読んでも太古の神秘と知識に堪らなくゾクゾクする。

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