ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)

制作 : 大滝 啓裕 
  • 東京創元社
3.62
  • (31)
  • (26)
  • (74)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 548
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488523053

作品紹介・あらすじ

Uボートの艦長が深海の底でアトランティスに遭遇する「神殿」、医学生のおぞましい企てを描く「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」、セイレムの魔女裁判の史実を巧みに取り込んだ「魔女の家の夢」等、クトゥルー神話の母胎たる全8編を収録。巻末には資料「ネクロノミコンの歴史」が付属。

収録作品
「神殿」 「ナイアルラトホテップ」 「魔犬」 「魔宴」 「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」 「レッド・フックの恐怖」 「魔女の家の夢」 「ダニッチの怪」 「『ネクロノミコン』の歴史」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  いあ! しゅぶ=にぐらす!

     シュブ=ニグラスって何だろうって思ってたら、一切説明はないけど神様の名前だったみたいです。「イア」のあとに続いてるからそうなるよな。
     「神殿」「ナイアルラトホテップ」「魔犬」「魔宴」「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」「レッド・フックの恐怖」「魔女の家の夢」「ダニッチの怪」の八編。クトゥルフに関係ありそうなのは「ナイアルラトホテップ」「魔宴」「魔女の家の夢」「ダニッチの怪」あたりかな。いまだにナイアルラトホテップを間違えずに言える自信がない。あと今更気づいたけど、一巻で「インスマウス」表記だったのに、この巻だと「インスマス」になってるんだよね。たぶんインスマスのほうが一般的に使われてる表記だと思う。ほかの巻ではどうだったかなぁ。
     ラストに強烈なオチがあって、っていう話はなかったかなぁ。終わり方としては「魔犬」とか好きです。物語としては「神殿」も結構好き。ドイツ人めんどくせーなって思いました。こういうイメージを持たれてたんだろうね。
     「ダニッチの怪」も面白かった。ウェイトリィって見たことある字面だなぁって思ったら、FGOで出てきたやつだね。ラヴィニアちゃん。元ネタを読めて満足。あの化け物、呼び出したとかじゃなくて双子の兄弟だったんかい、っていうのがすごく好きだなぁ。
     抜粋。「レッド・フックの恐怖」より。


    (略)半無定形の存在にいたっては、半分喰ったものをつかんでいたのだが、まだ生きている部分が慈悲を求めて泣き叫んでいたり、狂気の笑いをあげたりしていたのだった。


     生きながら喰われたらそりゃ狂うわ。

  • 神殿★2
     ちょっとインパクトに欠ける。Uボートで海底都市の遺跡を見ただけ…。

    ナイアルラトホテップ★1
     短い。這い寄るニャルちゃん登場。しかし話自体は何があったのかさっぱりわからない。

    魔犬★2
     短い。墓荒らしが、ゾンビに追跡され、殺された話。

    魔宴★3
     ネクロノミコンを用い、地下で謎の儀式を行う死者の群れ。よくある話ですな。

    死体蘇生者ハーバート・ウェスト★1
     死者を蘇生させようと試みたのはわかった。でもまったく怖さや事件はなく、ただただ文章が回りくどい。

    レッド・フックの恐怖★2
     ニューヨークの下町レッドフックを調査する警官マロウンの精神を破たんさせた出来事とは何か。どの話にも思うが、HPLの書いた話自体はあまり面白くない。ただ、この世界観や状況を背景とした別の話の母体を提供しているとすれば、関心が湧いてくる。この話の五芒星を描いて邪神崇拝している情景からは、山本弘著『ラプラスの魔』を想起させられた。
     
    魔女の家の夢★2
     ネズミちゃんに心臓かじられたり。いずれにしても回りくどい。 

    ダニッチの怪★3
     セリフのある話はいいなあ。ちゃんと化け物が登場してくれて何より。

  • どんなのだろう、と手にとったけどこんなの映画でいろいろみてきたなあ、という感覚にとらわれました。それだけ数々の作品に影響を与えているんですね。映像がありありと目に浮かんできます。不思議な世界に浸れました。

  • ホラー短編集。独特の雰囲気に浸り込めますが、ほんっとじわじわとした嫌な雰囲気に満ち溢れています。宇宙とか他次元とかの恐怖、というのは個人的にあまり感じないのだけれど。それでもこの何とも言えない感じはやはり「恐怖」の一種なのかな。
    お気に入りは「ダニッチの怪」。あからさまに異形なあれよりもむしろ、姿の見えないあれの方が恐ろしく。不吉な前兆のように高まるさまざまな怪異も恐怖感を盛り上げます。そしてラストの戦いがかっこよくて印象的。

  • 科学系の話がほとんどだった第4集人は打って変わって、悪魔や呪いの話でまとめた第5集。最後についてくる「ネクロノミコンの歴史」が表すとおり、ネクロノミコン絡みの話で統一されているとも言える。

    「ネクロノミコン」に絡む部分を除き、全体にゴシック・ホラーや霊的カラーの強い1冊なため、「恐怖におののいた」と書かれていても、なんとなく漠然とした印象を受ける短編が多い。

    その中において、何らかの薬剤をフレッシュな死体に注入することでゾンビ化させる「ハーバート・ウエスト」はかなり新鮮に見える。ゾンビ映画を髣髴とさせる幕切れも良いのだが、解説的には「凡作」なのね。うん。

    また、ラブクラフトを読むには避けて通れない「ナイアーラトテップ」が出現するので、ファンにはたまらないのだろうけど、これもぼんやりしてるんだよなあ。

    そこへ来て、山羊顔の怪人ウィルバーという、古典悪魔風の男が出てくる「ダニッチの怪」のオチで、とうとうクトゥルーが再出現してくるのが、この本のクライマックスだと思うのだが、裏表紙を始め、本書の大体の解説において「ダニッチの怪」に触れられていないのは何でじゃ?

  • 第5巻。
    資料として「『ネクロノミコン』の歴史」を収録。
    ラヴクラフトの代表作のひとつである『ダニッチの怪』を始め、この巻が最も秀作揃いだと個人的には思っている。解説によると『クトゥルー神話の母胎とされるにいたった作品を収録した』とか。解説もそれぞれの作品について詳しい。

  • ■ 神殿
    ■ ナイアルラトホテップ
    ■ 魔犬
    ■ 魔宴
    ■ 死体蘇生者ハーバート・ウェスト
    ■ レッド・フックの恐怖
    ■ 魔女の家の夢
    ■ ダニッチの怪
    ■ 資料・『ネクロノミコン』の歴史

  •  あとがきに書いてあるとおり本作は後にダーレスがクトゥルー神話作る際に大いに参考にしたと思われる作品を集めたものとなっている。面白いのは、冒頭そのように書き始めたのにもかかわらず本書のあとがきの主題は「ラヴクラフトの作品とクトゥルー神話との相違点」であるという点だ。
     ラヴクラフトの作品のみを愛し、クトゥルー神話は否定的な人が少なからずいる。本書のあとがきを読めば理由がわかるはずだ。
     本作品集には、下手に首を突っ込んでえらい目に合うという話が非常に多い、相変わらず緻密な情景描写でありながらも肝心な異世界のもの達に関しては曖昧としてうまく表現できないという手法で書かれている。
     とはいえ、「インスマウスの影」などに見られるように、見えそうで結局断片しか見えなかったという想像するしか無い恐怖と比べると、はっきりと詳細を書いてしまっている。その分読みやすくなっているとも言える。
     ラヴクラフトの作品は「読んでみたけども意味がわからなかった」というのが私の感想であり、作品の最大の面白さであると思う。今のところラヴクラフト全集1~5巻まで読んだが、その点に関してはぶれていない。

  • 「神殿」
     潜水艦U29船長の手記…といった手法で書かれた作品。
     潜水艦という閉鎖空間で徐々に狂い行く船員、海底都市…ベタですが雰囲気はよかったです。
    「ナイアルラトホテップ」
     作者ラヴクラフトが夢で見たできごとをほぼそのまま綴ったもの。
     夢ならではの不条理さとそれでいて辻褄の合った世界ってのが面白いです。
    「魔犬」
     奇妙な趣味からとうとう墓場荒らしまで始めた二人が墓地に納められた魔除けを持ち帰ったことから、得体の知れない恐怖におびやかされることになる。単純なストーリーですが雰囲気作りが上手く、最後のオチも良いと思います。
    「魔宴」
     自らの一族の本当の役割を知って、その恐怖に怯える・・・って感じ。壮大なんだけどちょっと肩透かし。
    「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」
     ラヴクラフト版フランケンシュタインってとこか。
     生命を完全に実験材料としか見ていないウェストの恐ろしさとその行く末が見所かな。
    「レッド・フックの恐怖」
     警官の主人公が貧民街に巣食う黒魔術の集団を捜査する…魔術などへの関わりが明らかになるあたりから面白くなると思うが、前半がツライ;
    「魔女の家の夢」
     魔術的と数学の関係が面白かった。現実とリンクする夢の部分や魔女を倒し全てが終わったと思ったら更なるオチが待ってるとかなかなかでした。
    「ダニッチの怪」
     序盤はラヴクラフトらしいゴシックホラーでいつもの感じなのですが、後半ダニッチの村を見えない恐怖が襲うあたりから怪獣モノなテイストに(^^;
     これだけの大物だとさすがに呪術で解決は仕方がないか。

全17件中 1 - 10件を表示

ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)のその他の作品

ラヴクラフト全集 5 Kindle版 ラヴクラフト全集 5 H.P.ラヴクラフト

H.P.ラヴクラフトの作品

この作品に関連するサイト

ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする