闇の虹水晶 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 75
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525088

作品紹介・あらすじ

その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。それが創石師ナイトゥルにかけられた呪い。人の感情から石を創る類稀な才をもつが故に、故国を滅ぼし家族を殺した憎い敵に仕えることになったナイトゥル。生きる気力をなくしていた彼は、言われるまま創石師の仕事をしていた。そんなある日、怪我人の傷から取り出した黒い水晶が、彼に見知らぬ国の幻を見せる。〈オーリエラントの魔道師〉シリーズで人気の著者が描く壮大な物語。

感想・レビュー・書評

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  • オーリエラントとは違う世界。これもまた、時にも空間にも無限の広がりを感じさせる世界ができていて・・・すごいなぁ。
    侵略や陰謀の結果として人死にが出るファンタジーはたくさんあるけれど、乾石さんの世界ではそれがものすごく生々しい。一族郎党皆殺しとか、隣国に攻め入って街を占領するとか、とてもじゃないけど具体的にどうするか想像もつかないファンタジー的なそれらの行動が、史実のように語られるので、目の前が暗くなるような悲壮感や無力感をまざまざと味わったような気持ちになる。
    この世界のナイトゥルやドリューもまた、「生き残り」のひとり。生き方の全然違うふたりの繋がりが、闇へ闇へと引き込まれそうになる物語を水面につなぎとめている感じ。
    侵略者として登場したオーシィンの生き様、死に様も独特で印象的だった。

  • スピード感が良かった。
    呪いに翻弄されるだけだった主人公が、ラストで呪いすら受け止める様は読んでいてハラハラした。
    なんだかんだ、この人の作風は好き。

  • 人の感情から石を創る、創石師。特殊な人であるけれど持っている心は皆と同じ。傷つき、絶望し、それでも少しずつ立ち直っていく。闇も 希望も そのための力になる。

  • 以前別の出版社から出ていたものを、東京創元社さんが文庫化してくださっ。よかった。
    「オーリエラント」シリーズとの区別化をするために、表紙画は別のイラストレーターさんっていうのも、行き届いていてありがたい。

  • 乾石作品にハズレなし。本作も然り。
    水樹和佳子や佐藤史生のマンガに通じるものを感じた。
    続編希望。

  • 人の感情から立ち昇る靄を手にして石を創り出す“創石師”ナイトゥル。なかなか面白い設定ね。
    闇水晶が見せる幻と現の世界が交差するお話は多少回りくどかった気はするけど、まあ上手に繋がって、架空の地勢を背景に語られる独特の世界観や死生観にも結構興味を惹かれるものがあった。

  • バリバリのファンタジー。
    1冊完結。
    設定に惹かれて購入。
    過去の記憶と石を通して見る過去や記憶や想いやらの渦に一緒に巻き込まれそうになる。
    情景描写その他が手厚く重厚。
    石や星の名前は漢字を眺めているだけで幸せになれる。
    ドリューは光であり、彼にとってのまさしく血潮であった。
    最後はもろともに滅びるのかと思いきや、意外なところで二転三転。
    昔の戦とか部族間の争いってそんなものだったのかもな。

    竹河聖の「巡検師カルナー」の世界をそこはかとなく思い出して感じていました。

    この世界かナイルの続編があるならまた手に取るかもしれません。

  • 朝日新聞出版から刊行された単行本の文庫化。てっきりそのまま朝日文庫に入るものだと思っていたら、創元に移ったのね。
    割と駆け足で話が進んでしまうので、読後感はやや物足りないというか、もう少しこの世界に浸っていたい気分になった。乾石智子にはそういう、『ちょっと物足りない』ところで終わってしまう傾向があるような気がするなぁ。一度、長さを気にせず、思いっきり浸っていられる大長編を書いて欲しい。

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著者プロフィール

山形県生まれ、在住。山形大学卒業。1999年教育総研ファンタジー大賞受賞。2011年刊行の『夜の写本師』が話題になる。著作に『魔道師の月』『太陽の石』『ディアスと月の誓約』など。優れたハイファンタジーの書き手として知られている。

「2015年 『双頭の蜥蜴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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