肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

  • 東京創元社
3.90
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本棚登録 : 501
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488543020

作品紹介・あらすじ

引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な存在。彼はいったい何?命の不思議と生の喜びに満ちた、素晴らしい物語。カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりにスゴイのを読んだって感じです。
    いつ頃から人は、狭い世界でくだらない事ばかりを
    考えるようになったのか。
    いつの間にか忘れてしまっていた沢山の事を思い出した。

    少しずつ少しずつ、ユラユラと揺れながら満ちて来る水のような
    透明でピュアで優しくて、そしてリアルなファンタジー。
    心がふるえるって、きっとこんな感じを言うんだろうなぁ~

    「ハリー・ポッターと賢者の石」を抑えて
    カーネギー賞とウィットブレッド賞の
    児童文学部門賞をダブル受賞したというのが
    納得できる作品です。

  • ◆生と天国(死)の距離。サッカーや学校生活と不安定なSkelligの世界の距離。ぼくは間をゆきて戻り、二つの世界を一身に収め、巣立ちの準備をする。◆Skellig。背の高い汚らわしい骨と皮ばかりの天使のイメージ。読後、やっぱり猛烈にマルケスの天使が読みたくなる。このイメージには何か典拠があるのかな。◆印象深く引用されていたウィリアム・ブレイクの詩もぜひ読んでみたい! ◆描写は汚く臭いのになぜか幻想的な美しい児童書だった。モリフクロウやブラックバードの子育てなど、野鳥の場面も豊富で満足の成長物語。【2014.04.17】

  • シンプルでいいなと思う。
    シンプルとは単純ということではない。

     この話に出てくる子供と大人は、同じことを心配している(保育器にいる赤ちゃん(マイケルの妹)のこと、赤ちゃんの健康のためにと引っ越したはずの家がどれだけ手入れしても荒れ放題なことなど)。ちゃんと同じ現実を生きているのに、見えているものが違う。
    子供と大人が異なる世界を見ていることを「悲しいこと」としてしまったらそれは大人の視点なのではないか。
    マイケルは、ミナやミセス・マッキーと過ごすなかで、「見えているものが違う」ことを肯定されて、知識がなければそれを表現できないことも知る…理屈っぽくなったけど、たぶんこの短い話で、私が好きなところはそういう部分だと思う。



     自分の心臓の音と一緒に、赤ちゃんの心臓の音が聞こえるマイケル。
    中華料理と鳥や鼠の死骸が好きな汚らしい天使スケリグ。




     赤ちゃんの容態を適宜(子供目線でもある程度現実的に)挟むのがこの話では徹底されていて、最後にスケリグの存在ともリンクする。そういう収束感も好き。





     レビューを読んでいると評価が絶賛と「うーん…?」とに分かれているようなのだけど、私は好きだった。無駄な状況説明がなく、子供の視点で現実的な描写がなされていって、印象的な台詞や詩の引用があって…という。





     ミナはいわゆるアクセントになる女の子なんだろうし好きだけど、ある意味ステレオタイプかな。まあだいたい、学校に行ってなくて画家のお母さんに色々なことを教わったりしながら暮らしていて教養豊富でお父さんは亡くなっていて…という設定だと性格づけが決まってくるのでそこは仕方がない?
    同じ作者の『ミナの物語』という小説もあるようなので読みたい。







    10.12.16 初登録
    3.8~3.16

  • ずっと読まねば、と思いつつも表紙が苦手でどうしても開けなかった本 。文庫化で変わるか期待してましたが、むしろホラー風になってしまったような気がします。羽の写真だけ、とかのほうがよっぽどいいのに。邦題は原題より素敵なので残念。

    さて、読んで見たら内容は雰囲気があって、とても好きでした。主人公の少年、マイケルが普通の少年と言うところに親近感がわき、感情移入しやすい。
    廃屋での不可思議な「彼」との出会い、不可思議な出来事についても、違和感なく読めました。説明的でなく、むしろ説明不足なくらいのシンプルな描写が読み手に想像の余地を与えて魅力的なのだと感じました。
    読後感も良く、外国文学への入口として、成長の過程で読む本として、すすめられると思います。

  • 印象的なファンタジーです。
    一軒家に引っ越してきた男の子マイケル。
    学校は同じだがバス通学で遠くなり、仲間とはちょっと距離を感じる。
    赤ちゃんの妹は生まれたばかり、保育器から出たものの、また入院することに。ママは赤ちゃんにかかり切りなのだ。
    庭にある小屋は車が2台はいるガレージだが、中は不要品と埃だらけ。こっそり入ってみた男の子は、身動きもしないやせこけた小柄な老人を見つける。
    死体?幻?普通の人間ではない‥
    「何が望みだ?」と言われる。
    合っていない服の背中は奇妙に盛り上がり、そこには‥?
    ひそかに食べ物を運び、親しくなった隣の女の子ミナと助けようとする。
    女の子は画家の娘で、親に教育を受け、学校へは行っていない個性的な育ち。
    不思議な数日間の出来事。
    作者は1982年、勤めを辞めて短編を書き始める。
    1988年、初めて書いたこの児童小説がヒット、カーネギー賞とウイットブレッド賞を受賞。

  • 2010年国民読書年にJPICが選んだ「20歳の20冊」にリストアップされていて初めて知った本。
    気になってすぐ買ったにも関わらず、ずっと積んでありました…。

    主人公・マイケルが家族とともに引っ越してきた家。その古びたガレージの奥でマイケルが出会ったのは「27番と53番」や虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む「不可思議な存在」でした。

    隣家に住む女の子・ミナがとてもすてきです。
    生命をよく見て、想像し創造することで自分の世界を深めている女の子。
    マイケルのよきパートナーとして、「不可思議な存在」に向き合っていきます。

    生命の輝きをきらきらと放つ1冊です。

  • もともとが児童書ということを知らずに読んだため、赤ん坊やスケルグが無惨に死ぬのではないかという怖さを抱えながらの読書になった。そうならなくてよかった。
    全体的に国語や道徳の教科書に載ってそう感のあるストーリー。マイケルがスケリグを助けたことがまわりまわって妹の命を救う流れは、訓話的ではあるがきれいだ。

  • 好きな本

  • 大人の読書に耐えうる児童書であるとか、
    異色ファンタジー文学であるとか、
    本書を評する言葉をいくつか耳にするが、
    私個人の本書に対する印象は「ラノベと文芸の交流試合」というもの。

    文芸を意識させる部分は、詩人ブレイクの引用部分だが唐突感が強い。
    ラノベ寄り、でしょうか。

    読んでいて立派に面白いので
    ジャンル論争は打ち捨てておけると思う。

  • う~ん不思議なお話。どちらかというと大人向けのファンタジーなのかしら?真面目に想像するとちょっとホラーな描写な気がするし。(全然ホラーな話じゃないですよ!)
    シアラーみたいな感じ?大人も読める子供向けのお話な感じ?かしら。こういうの好きです。

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著者プロフィール

1951年生まれ。イギリスの作家。1988年『肩胛骨は翼のなごり』でデビューし、この作品でカーネギー賞受賞。ほかの作品に『星を数えて』『ミナの物語』『パパはバードマン』などの作品がある。国際アンデルセン賞受賞作家。

「2018年 『ダム―この美しいすべてのものたちへ―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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