死者の書 (創元推理文庫) (創元推理文庫 547-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488547011

感想・レビュー・書評

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  • ダーク・ファンタジーの代表的作家と称されるキャロル、1980年発表の処女作。

    数々の名作を遺した伝説の童話作家マーシャル・フランス。高校教師トーマス・アビイは、少年期から憧れ続け、若くして逝った児童文学者の伝記を書くことが夢だった。そんな折、古書店で同作家の大ファンである女サクソニーと出会う。探究心豊かな彼女から刺激を得たアビイは、執筆に取り掛かる決意を固めた。人嫌いで写真やインタビュー類も些少、その人生は謎に包まれていた。ミズーリ州ゲレイン。フランスが心臓麻痺により44歳で死ぬまで一生の大部分を過ごした町。そこには今も作家の家が残り、一人娘アンナが住んでいた。アビイは、のちに関係を深めて恋人となったサクソニーと共に、ゲレインへと向かう。街の人々は、誰もがフランスとアンナのことをよく知っていた。美しいアンナは気難し屋という前評判とは逆に、アビイらを快く歓迎した。作家に関わる伝聞や資料も溢れていた。
    だが、奇妙な出来事が徐々に起こり始めた。人間が凧に変わり、犬が喋った。単なる妄想なのか。やがて、アビイはフランスの未発表の原稿を手に入れ、驚愕の事実を知る。

    「ダーク・ファンタジー」と呼ばれる分野に疎く、そもそも興味も薄いため、読み手として私は〝不適格〟な部類に入る。その上でのレビューとなるが、現実と幻想が交差する〝闇の領域〟を軸に構築した物語を指すのだろうと、読了後に漠然とイメージだけは掴んだ。タイトルからはホラーテイストの暗い世界を想像していたが、本作に〝恐怖感〟を呼び起こす要素はなく、全体的にタッチは明るい。中盤までは大した動きもなく、終盤に差し掛かりようやく事の真相は明かされるものの、肝となるアイデアに新鮮味がなく、生かし方もこなれていないと感じた。何でもありのファンタジーと括れば説明不要という〝大前提〟が受け容れられるかどうかで、本作の評価は変わるだろう。
    十代の多感な世代が読めば、それなりに面白い小説だろうが、巻末後書きで翻訳者が絶賛するほどの内容ではない。
    主人公を含め登場人物は総体的に軽く、いいように流されるだけの怠惰な印象しかない。核となる童話作家の造形にも、その作品にも、さっぱり魅力を感じず、伝記作家となる若者の熱い思いに共感できなかったこともマイナス要因となった。結末も唐突で、違和感しか残さない。つまり、私はこの作品の〝良い読者〟ではない、ということだ。

  • トーマス・アビイは父が有名な俳優だったので、いつもそれを話題に出されるのでくさっていた。高校の英語教師をしているが、生徒のエッセーの添削をするのにも疲れている。彼には夢があった。マーシャル・フランスという作家の伝記を書くことだ。子供の時に父がくれた「笑いの郷」という本でフランスの虜になった。ある日の午後、稀覯本を扱う書店でフランスの「桃の実色の影」の初版本が置いてあるのを見たが、その本は既に買い手がついて、買い手が戻ってくるまで預かっているという。そしてその買い手であるサクソニー・ガードナーが戻ってきた。その後、サクソニーとトーマスはフランスの伝記を書くという旅に一緒に出掛けることになる。そして、その旅の行方には思いもかけなかった出来事が…。

  • ラストは秀逸。プロットは途中で解ったものの良質。
    ただ、語り口がどうも合わなかった。

  • 2012.4.2読了。
    有名な故人の俳優の父を持つ主人公が、大好きな作家の本を書こうとその人物が住んでいた街に出掛けていき、本を書く話。

  • [2012.01.30]

  • 上山などを舞台とした作品です。

  • 読了:2009/12/29

  • ぼくの目の前で少年がトラックにはねられた。事故のあと町の人間が聞いてきた。「あの男の子、はねられる前は笑ってました?」笑って?……ここはアメリカの小さな町。一人の天才作家が終生愛した町。ぼくは彼の伝記を書くために逗留している。でも知らなかった。この世には行ってはならない町があることを。衝撃のダーク・ファンタジイ。

  • マーシャル・フランスの伝記、「こんなはずじゃなかったのに」、汽車の到着を待ち侘びる住民

  • あらこれも画像なし。。ホラーファンタジー。行ってはいけない街に踏み入れた恋人達が遭遇する恐怖。不思議な話。

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